
JRA武豊「砂の新パートナー」はG1・9勝馬弟!? 断トツの1番人気も予想される中、にわかに危惧される「ジュタロウの悲劇」

先月29日、東京競馬場で行われたダート1600mの3歳1勝クラスは、12番人気の伏兵リッキーマジックが優勝。直線で抜け出すと後続に3馬身半差をつける強い競馬で、今後が非常に楽しみな1頭となった。
一方、1番人気に推されていた武豊騎手とジュタロウは直線で伸び切れず、まさかの9着……。新馬戦を勝った後に同騎手が、「ケンタッキーダービー(米G1)に行きたい」と語ったほどの大物候補だったが、現実は厳しい結果になった。
そんな武豊騎手だったが、3歳のダート路線ではまた新たな有力馬を獲得した。6日、中京4Rの3歳1勝クラス(ダート1800m)に出走するテーオードレフォン(牡3歳、栗東・梅田智之厩舎)だ。
父はその名の通り新種牡馬ドレフォン、半兄にダートG1・9勝のエスポワールシチーを持つ良血馬。前走だった昨年11月の新馬戦では、スタートから先頭に立つと2番手追走のワンダーキサラに終始プレッシャーをかけられたものの、最後は後続に2馬身半差をつけて完勝している。
実はこのレースでワンダーキサラに騎乗、終始テーオードレフォンをマークしていたのが武豊騎手である。それでいてラストは逆に突き放されたのだから、テーオードレフォンの強さを身にしみて感じたのではないだろうか。
2戦目は冒頭でも取り上げた、先週の東京ダート1600mを予定していたが、抽選で除外に。本来であればライバルとして戦う予定だった人馬が、1週経って新コンビを組むという数奇な巡り合わせが実現した。
『netkeiba.com』の想定オッズでは単勝2倍前後、当日は抜けた1番人気になることも予想される。頭数も11頭と手頃であるため、ここは難なくデビューからの2連勝を決めて欲しいところである。
だが一方で、新馬戦のレースレベルを疑問視する声も上がっている。
12頭によって争われたテーオードレフォンのデビュー戦だが、2着以下に敗れた馬で、その後に未勝利を勝ち上がった馬は現時点で1頭もいない。つまり、初戦はテーオードレフォンが強かったのではなく「他が弱過ぎただけなのではないか」というわけである。
実はジュタロウが勝った新馬戦も、このケースに近かった。
2着以下の馬で、その後に未勝利を勝ち上がったのは5着のヒロノシュン1頭のみ。そして、そのヒロノシュンも昇級戦では1秒以上の差をつけられて惨敗している。今にして思えば、かなり低調なメンバー構成で行われた一戦だったのかもしれない。
ここ2戦連続で1番人気に支持されて敗れているジュタロウだが、初戦のレースレベルを考えると、やや過剰人気であったことも否めない。今回のテーオードレフォンもジュタロウと同様に、危険な人気馬に当てはまってしまうのではないかというわけだ。
「テーオードレフォンの初戦は1000m通過が64秒6と、かなり緩い流れでした。クラスが上がりペースに対応できないようなことがあれば、それこそ先週のジュタロウのように着外に沈んでしまう可能性もゼロではありません。今回はそれなりの真価が問われる一戦になりそうですね」(競馬誌ライター)
なお武豊騎手はそのジュタロウを始め、梅花賞(1勝クラス)のトゥデイイズザデイや若駒S(L)のリアドなど、今年に入り3歳の有力馬でいまひとつ結果が出せていない。果たして今週はしっかりと決めてくれるだろうか。午前中から注目したい。
(文=冨樫某)
<著者プロフィール>
キョウエイマーチが勝った桜花賞から競馬を見始める。まわりが学生生活をエンジョイする中、中央競馬ワイド中継と共に青春を過ごす。尊敬する競馬評論家はもちろん柏木集保氏。以前はネット中毒だったが、一回りして今はガラケーを愛用中。馬券は中穴の単勝がメイン、たまにWIN5にも手を出す。
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