JRA 怪物ホウオウルーレットがまさかの「ジンクス」の餌食に!? 6馬身差圧勝も達成された「4年連続」の珍記録

8日の中京7Rでは昨年11月のデビュー戦を大差勝ちし、武豊騎手に「半端じゃない」と絶賛されたジュタロウが出走。しかし、結果は2着。番手から粘り込みを図った2番人気のデシエルトを捉えることが出来なかった。
「関西のダートの怪物馬」のまさかの敗戦に、多くのファンが驚き「この程度だったのか……」と落胆する声もネット上ではチラホラ見られた。だが、“西”はダメでも“東”の怪物はしっかりファンの期待に応えたようだ。
ジュタロウの初黒星から約55分後。東の中山競馬場では、ダート1800mの3歳戦の黒竹賞(1勝クラス)が行われた。
このレースの主役とされていたのが、単勝1.4倍の1番人気ホウオウルーレット(牡3歳、美浦・栗田徹厩舎)だ。
本馬が圧倒的な1番人気に推された理由は、今回と同コースだった前走の新馬戦にある。まずまずのスタートから二の脚の速さでレースの主導権を握ると、直線で後続を一気に突き離して7馬身差の逃げ切り勝ちを収めたからだ。さらに勝ち時計の1分53秒4は、良馬場で行われた中山ダート1800mの新馬戦で歴代最速という折り紙つきである。
半兄には先日の東京大賞典(G1)で4連覇を達成し、惜しまれつつ現役を引退したオメガパフュームがいる良血馬。そのため先述のジュタロウと並んで「ダートの怪物」候補に挙がっており、相手が強化される黒竹賞で、どれだけのパフォーマンスを見せてくれるのか注目を集めていた。
多くのファンから連勝を期待されて、8枠16番の大外からスタートしたホウオウルーレットは前走とは異なり番手からの競馬。4コーナーで楽な手応えのまま逃げ馬を交わして、先頭に立つと新馬戦と同じく後続をグングン突き放し、6馬身差で無傷の連勝を飾った。
「逃げなかった時にどういったパフォーマンスになるか注目していましたが、番手からでも問題無かったですね。
スタートセンスがあって兄のオメガパフュームとは正反対のタイプですが、高い潜在能力を感じさせる点は瓜二つだと思います。ジュタロウが黒星を喫したため、今世代のダート最強馬の1頭と呼んでも差し支えないでしょう」(競馬記者)
一方で、今回の走破時計は稍重ながら1分54秒3。本馬の新馬戦のタイムより1秒近く遅いため、上積みに疑問を感じるファンも多いかもしれない。だが、どうやらホウオウルーレットが「“空気”を読んでしまったかもしれない」というから驚きだ。
「1000m通過タイムが1分4秒3と、未勝利戦でも遅い部類のスローペースでした。また、直線で鞍上もそこまでステッキを入れて追っていませんからね。時計は詰めようと思えば更に詰められたと思います。
あと、黒竹賞は19年から再度毎年行われるレースとなったのですが、再開以降の走破タイムが何と全て1分54秒3なんですよ……」(同)
奇しくも4年連続同じ勝ち時計になったホウオウルーレットの黒竹賞。だが、本馬にはこの先我々の想像を超える、偉大なダート馬に成長していくことを願いたい。
(文=坂井豊吉)
<著者プロフィール>
全ての公営ギャンブルを嗜むも競馬が1番好きな編集部所属ライター。競馬好きが転じて学生時代は郊外の乗馬クラブでアルバイト経験も。しかし、乗馬技術は一向に上がらず、お客さんの方が乗れてることもしばしば……
PICK UP
Ranking
5:30更新
「3大始祖」消滅の危機……日本で「2頭」世界で「0.4%」の血を残すべく立ち上がったカタール王族の「行動」に称賛
【香港C(G1)展望】BC制覇の偉業から1か月、ラヴズオンリーユー有終の美へ!レイパパレはC.スミヨンと新コンビ、最大のライバルは最高レーティングの英国馬
横山典弘騎手が若手騎手に「あの乗り方はやめろ」岩田康誠騎手らが実践する「お尻トントン」は、競走馬の負担になるだけ?- 「シャフリヤールの激走はわかっていた」本物だけが知る有馬記念裏事情。そして“金杯”で再現される波乱の結末とは?
- JRA調教師の目標は「餌やり」からの卒業!? 競馬界の「影の王」ノーザンファーム外厩大成功に存在意義ズタズタ……
- 四位洋文騎手が「トラウマ」嘆く……武豊騎手も不快感を露にした昨年「マイルCS」ディサイファの悲劇
- 浜中俊「哀愁」の1年。かつての相棒ソウルラッシュ、ナムラクレアが乗り替わりで結果…2025年「希望の光」は世代屈指の快速馬か
- エリザベス女王杯「単勝430.6倍」大激走に19歳ジョッキーも「本当に信じられません」。 武豊1番人気がまさかの結末で生まれたJRA・G1最高配当【競馬クロニクル 第30回】
- 「死活問題」発生に競馬YouTuberが絶滅の危機!? 突然の動画削除にファンも動揺…… チャンネル配信者らに何が起こったのか
- エアスピネル降板に武豊騎手は「何」を思う……8年前、すべてを手にしてきた天才騎手が”最大級”の屈辱を味わった「ウオッカ事件」とは
関連記事

JRA「桜花賞(G1)を目指したい」5馬身差の圧勝は兄以上のスケール感! 大器晩成ヒシイグアスの妹が“早くも”ド派手デビュー

JRA【シンザン記念(G3)予想】ラスール大物も突破は「アーモンドアイ級」のみ。大本命馬は「消し」、実績の割に人気していない中穴候補を狙い撃ちで高配当を目指す!

JRA福永祐一「出遅れ率30%」M.デムーロを一刀両断!? 日経新春杯(G2)大本命ステラヴェローチェ「死角」は相棒のトラウマか

JRA武豊期待のオークス候補「故障離脱」で新種牡馬に「欠陥」疑惑!? 種付け料7倍の高騰も、マルゼンスキーやアグネスタキオンも苦しんだ負のイメージ

JRA 藤沢和雄×超大物ラスールVS武豊×藤沢ブランド!? シンザン記念(G3)最後のタイトル狙う名伯楽に立ちはだかる意外な伏兵
















