JRA武豊ジュタロウ惨敗も「陣営の強行軍」に疑問の声…露わになった「弱点」発覚でケンタッキーダービー挑戦は完全消滅か
29日、東京競馬場で行われた4R・3歳1勝クラスは、12番人気のリッキーマジックが最後の直線で突き抜けて勝利。デビュー戦に続く連勝を飾り、3歳ダート戦線に大きく名乗りを上げた。
単勝91.2倍という低評価だったが、終わってみれば中団やや後ろから2着に3馬身半差をつける圧勝劇。最初の600mが34.7秒というハイペースであり、4コーナー15番手にいたビヨンドザファザーが2着、11番手にいたヴァルツァーシャルが3着と、典型的な前崩れのレースとなった。
その一方で4コーナー11番手から末脚不発に終わったのが、1番人気に支持されたジュタロウ(牡3歳、栗東・河内洋厩舎)だ。

5着馬でさえタイムオーバーとなった衝撃のデビュー戦後、鞍上の武豊騎手が米国三冠の「ケンタッキーダービー(G1)に行きたい」と陣営に直訴したほどの逸材。今年初戦となった前走こそ大外枠の不利もあって2着と単勝1.7倍を裏切ってしまったが、仕切り直しの今回もファンから単勝2.1倍に支持された。
しかし、レースではまずまずのスタートからポジションを取りに行くもズルズルと後退。結局、後方のまま4コーナーを回ったが、バテた馬を交わすのが精一杯といった9着に終わった。
「うーん、どうやら砂を被るとダメなのかもしれません。デビュー戦が10頭中の9番枠、2戦目が大外枠と2戦続けてピンク帽だったジュタロウですが、今回は16頭立ての3枠5番。スタートがそこまで速い馬ではないので、揉まれる競馬になることが想定されましたが、序盤からハイペースになったことで、さらに厳しい位置取りに……。
元々、河内調教師が『ユタカ(武豊)じゃないと乗りこなせない』と言うほど難しい馬ですが、初めてまともに砂を被ってしまう展開になりました」(競馬記者)
記者が話す通り、この時期の3歳1勝クラスとしては異例のハイペースになったことは、武豊騎手とジュタロウにとっても計算外だったに違いない。実際にスタート600mの34.7秒は、昨年のフェブラリーS(G1)と同タイム。芝スタートだったとはいえ、あまりにも厳しいペースについていくことができなかった印象だ。
陣営にとってもアンラッキーと述べる他ないが、別の記者は「あくまで個人的な見解ですが」と前置きしながらも、陣営の判断に疑問を投げかけている。
「そもそも『このレースを使う必要があったのか』が疑問に思えてなりません。というのも、デビュー戦の時から武豊騎手が『スタミナが半端じゃない』と言えば、河内調教師も『とにかくスタミナが尋常じゃない』と口を揃えている通り、ジュタロウのストロングポイントはスピードよりもスタミナ。にもかかわらず、デビュー戦や前走の1800mから1600mへ距離を短縮した今回の判断には疑問を持たざるを得ませんでした。
さらに、実はジュタロウの中間の動きも決して良いとは言えないもの。中2週の競馬に加えての関東遠征。正直、馬体重こそ増減なしだったものの、馬体そのものはこぢんまりとして見えました。結果論になって申し訳ないですが、前走の敗戦は陣営にとっても計算外だったと思いますし、一度立て直しても良かったのではと考えざるを得ません」(別の記者)
記者曰く、“強行軍”にも思える今回の陣営の判断の背景には「武豊騎手が進言したケンタッキーダービーへの青写真があったのではないか」という。
「強いて今回の理由を考察するなら、JAPAN ROAD TO THE KENTUCKY DERBYシリーズに該当するヒヤシンスS(L)を意識しての出走ではないでしょうか(今回のレースとヒヤシンスSは同舞台)。ただ、ヒヤシンスSがフルゲートになったのは、ここ5年で1度だけ。1勝馬にも十分出走のチャンスがありそうなレースだけに、やはり今回の出走には首を捻らざるを得ませんね」(同)
先日更新された武豊騎手の公式ホームページでも「今週の楽しみな馬」と名を挙げられていたジュタロウ。だが、今回の敗戦で夢のケンタッキーダービー挑戦は立ち消えたと述べても過言ではなさそうだ。
(文=大村克之)
<著者プロフィール>
稀代の逃亡者サイレンススズカに感銘を受け、競馬の世界にのめり込む。武豊騎手の逃げ馬がいれば、人気度外視で馬券購入。好きな馬は当然キタサンブラック、エイシンヒカリ、渋いところでトウケイヘイロー。週末36レース参加の皆勤賞を続けてきたが、最近は「ウマ娘」に入れ込んで失速気味の編集部所属ライター。
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