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「破産しました」動画に激怒するファンも多数、一部で馬券ストライキ宣言も…終わってみればJRAに「ノーダメージ」の残念な現実

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撮影:Ruriko.I

「破産しました」

 お笑いトリオ「インスタントジョンソン」のじゃいが自身のYouTube「じゃいちゅ~ぶ」でそう告白したのは5日に行われた安田記念(G1)の直後だった。

 動画は瞬く間に拡散され、ネットでは「競馬払戻金に巨額追徴課税」、「6400万円を的中も“破産”」などセンセーショナルな見出しが躍った。

「多くの競馬ファンはすでに詳細をご存じかと思いますが、当初はじゃいさんに同情する声が大半でした。もし“ウン千万円”という馬券を的中しても、ほとんどの場合は『一時所得』となり、外れ馬券は経費としてみなされません。年間を通じて赤字であっても、さらに課税される可能性があります。せっかく高額配当を手にしても、がっぽり税務署に取られてしまっては夢がないという意見が多かったです。

ネットの掲示板やSNSなどでは、『馬券ストライキ』を匂わせる声を上げたファンもいました。ちょうど安田記念も終わり、宝塚記念まで大きなレースG1がなくなるタイミング。JRAの今週末(11~12日)の売り上げに注視していましたが、ほとんど影響はなかったようですね」(競馬誌ライター)

 たとえば、全券種の中で最も高配当が期待できるWIN5。数百万円の払い戻しも珍しくなく、時には数千万円、最高で100円が6億円になるというギャンブル性の高いものだ。

終わってみればJRAに「ノーダメージ」の残念な現実

 エプソムC(G3)と函館スプリントS(G3)が行われた12日。WIN5の発売金額は7億2174万600円に上った。

「これは前年(の同開催日)比96%という微減でした。5月以降(のWIN5発売金額)が前年比90%前後で推移していたので、今週はかなり健闘したと言えるでしょう。

また、WIN5の次に高配当が狙える三連単はどうだったかというと、東京メインのエプソムCが前年比95%と微減。一方で函館SSは前年比139%という大幅アップを記録しました。エプソムCは12頭立てが影響したのだと思います。つまり、ほとんどの競馬ファンはいつも通り、もしくはいつも以上に馬券を買っていたということですね」(同)

 件の動画に同情や憤りの声も出ていたものの、結果的にじゃいの「破産しました」動画の影響はJRAにとって痛くも痒くもなかったといえそうだ。

 実は、1週間前の動画(5日)が公開された直後はじゃいを支持する声が集まっていたが、11日にじゃいが「【緊急生配信】破産動画の補足をさせていただきます【競馬の税金】」という動画を公開すると風向きが若干変わったという。

「まず、『破産しました』と告白したことについては、実際は自己破産などをしたわけではなかったため、あらぬ誤解を生んだとしてじゃいさんは謝罪しました。さらに『7年前までは一時所得で申告をしていた』ものの、競馬の仕事が増えたため、雑所得での申告に変更していたことを明かしました。つまり、外れ馬券を経費とみなしてしたということです。これには『そもそも馬券が経費になるわけがない』というファンも少なからずいて、賛否が分かれていました」(同)

 競馬界をより盛り上げたいがために今回の動画を公開したというじゃい。これを機に馬券の課税問題に対する議論は活発化していくのだろうか。

 ちなみに12日のWIN5は225票が的中。配当金額は222万円超。的中者には“納税”の義務が発生してしまうという、嬉しくも悩ましい結果になってしまった。

(文=中川大河)

<著者プロフィール>
 競馬ブーム真っただ中の1990年代前半に競馬に出会う。ダビスタの影響で血統好きだが、最近は追い切りとパドックを重視。

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