
今村聖奈「トップ騎手並み」VIP待遇も先輩・永島まなみが見せた意地

「馬は全然悪くない。騎手の責任だと思います」
14日、小倉競馬場で行われた小倉記念(G3)で重賞2勝目を狙った今村聖奈騎手だったが、消化不良のレースとなって7着。課題の残るレースになってしまったようだ。
プリマヴィスタが取り消したことで15頭立てになった芝2000mのレース。「じっくり馬との折り合いを大切に乗りました」と答えた鞍上の言葉通り、カデナは最後方で脚を溜める競馬に徹した。
迎えた3、4コーナーで「早めに動く形で、しっかり脚を使わせることに専念しました」という今村騎手の言葉通り、早めにポジションを上げにいったカデナ。いつもとは異なる積極的な競馬になったが、4コーナーで痛恨のアクシデント……。コーナーを曲がり切れずに外に膨らんでしまうロスがあった。
最後の直線では大外から懸命に脚を伸ばしたものの7着。ただ、4着カテドラルとは0.1秒差の接戦だっただけに、鞍上にとっては悔いの残る一戦になってしまったようだ。
「いつもメディアに対してハキハキ喋ってくれる今村騎手ですが、今回は『馬はベテランなのに乗っている上(騎手)が……』と“自虐”コメント。『ちょっと外に膨らみ過ぎて、ロスの多いレースになってしまいました』と4コーナーで外に膨らんでしまったことを悔いている様子でした。
ただ、4コーナーで膨らんだといっても馬1頭分程度。最後の直線の入り口で大きく外に膨らみましたが、怪我の功名というか、その分馬場の良い外を走ることができたと思います。4着以下が接戦だったので悔しい結果になりましたが、8番人気で7着。真剣に上を目指しているからこそ自分に対して腹が立ったのでしょうし、厳しいコメントが出たのだと思います」(競馬記者)
また、今村騎手は前日に1勝を重ねたことで通算30勝に到達。この日は「あと1勝すればG1参戦の権利を得る」という状況で迎えた1日だった。
そんなルーキーをバックアップしようと関係者も有力馬を用意。7Rまでの7頭すべてが4番人気以内というトップジョッキー並みのVIP待遇には「今日決めてこい」というメッセージが込められていたはずだ。
だが、それらで1勝もできず前日から11連敗で迎えた小倉記念。記念すべき勝利を重賞で決められれば最高だったが、自身の技術不足が原因となった消化不良のレースに本人も唇を噛んだに違いない。
先輩・永島まなみが見せた意地

「陣営にも今村騎手を秋のG1に乗せたい思いがあるんでしょうね。最近は積極的に地方の交流競走へ遠征して勝ち星を稼いでいましたが、この日は競馬で1つ勝つのが簡単じゃないことを改めて感じました。
特に今村騎手が1番人気に騎乗した3Rでは、同じ女性騎手の永島まなみ騎手が8番人気の伏兵で勝利、続く4Rでも同期の角田大河騎手が勝利、さらに6Rでも永島騎手がまたも8番人気で勝利、さらに7Rでは“師匠”の福永祐一騎手が貫録の勝利と、今村騎手と親しいライバル騎手たちの気持ちが感じられるような結果でした」(別の記者)
「馬に恥じない騎乗を心がけたいです」
小倉記念のレースが、改めて自らを律するようなコメントを残した今村騎手。引き続きG1騎乗は秒読みだが、この日は“マジック1”で足踏みの1日となってしまった。
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