
G1初騎乗見えた今村聖奈と藤田菜七子のホロ苦い記憶

3日、名古屋競馬で行われたJRA交流競走・名古屋チャレンジカップラズベリー賞3歳特別をワンダーウィルクで勝利した今村聖奈騎手。単勝1.2倍の大本命だったとはいえ、着実に勝ち星を伸ばしている。
先月27日の園田に続き、これで地方は2勝目。JRAの勝利数と合わせて25勝。新人騎手のなかではひと際目立つ快進撃を続けており、このペースで順調に勝ち星を積み重ねていけば、G1への騎乗が可能となる31勝まであと6勝で届く計算だ。
となると、年内にはいよいよG1初騎乗もあるかもしれない。
あの武豊騎手でさえ、G1初騎乗はデビュー年の菊花賞(G1)。G1初制覇となったスーパークリークの菊花賞まで、10回の挑戦を要した。
初重賞勝ちから連勝を決めたレジェンドは、さすがとしかいいようがないものの、今村騎手も先月のCBC賞(G3)をテイエムスパーダとのコンビで重賞初騎乗・初制覇を決めている注目株。これからも目が離せない存在である。

ところで、今村騎手は先週末のアイビスサマーダッシュ(G3)でも、藤田菜七子騎手との女性騎手対決が話題となったが、藤田騎手は、既にG1騎乗の経験がある。彼女の場合はどうだったろうか。
藤田菜七子のホロ苦い記憶
2016年にデビューした藤田騎手が、G1への騎乗が可能となる31勝を挙げたのは、3年目を迎えた2018年の6月。それまでもデビュー年から重賞で6回ほど騎乗はあったが、ほとんどが完敗といえる内容で、まだこの時点ではG1を目指せるようなお手馬もいなかった。
そんななか「菜七子に重賞を獲らせよう」と奮起したのが、冠名「コパノ」で知られるDr.コパこと小林祥晃オーナーである。
念願のG1初騎乗となったのは、翌2019年のフェブラリーS(G1)。それもカペラS(G3)と根岸S(G3)で重賞連勝中だったコパノキッキングをテン乗りで任されたのだから、異例のバックアップだったといえる。
しかも、参加するだけの人気薄でもなく、コパノキッキングは4番人気。勝ち負けを期待されたものの、残念ながら5着に敗れている。
その後、藤田騎手は同年の高松宮記念(G1)でスノードラゴン(17着)に跨ったのを最後に、JRAのG1騎乗はない。
女性騎手として大きな注目を集める2人だけに、藤田騎手にとっても今村騎手の存在は、いい意味で刺激になったはずだ。最近はG1どころか重賞の騎乗数も年々減ってきているとはいえ、藤田騎手もまだまだ巻き返せるチャンスはある。
2度目3度目の女性騎手対決どころか、もしかしたらG1初の女性騎手対決なんてことも近い将来見られるかもしれない。
(文=ハイキック熊田)
<著者プロフィール>
ウオッカ全盛期に競馬と出会い、そこからドハマり。10年かけて休日を利用して中央競馬の全ての競馬場を旅打ち達成。馬券は穴馬からの単勝・馬連で勝負。日々データ分析や情報収集を行う「馬券研究」三昧。女性扱いはからっきし下手だが、牝馬限定戦は得意?
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