菊花賞(G1)のダークホースに急浮上!? 遅咲きの高額牝馬がついに覚醒!

13日、札幌競馬場で行われた8Rの1勝クラスは4番人気ジェンヌ(牝3、栗東・安達昭夫厩舎)が優勝。前走の初勝利に続き、昇級初戦で連勝を決めた。
「外枠なので出たなりで行って、内に潜り込みました」
11頭立てで行われた芝2600mのレース。鞍上の吉田隼人騎手が振り返った通り、大外枠からのスタートでやや立ち遅れたジェンヌは、道中9番手の内でじっくりと脚を溜めた。
3コーナーにかけて捲り気味に外から進出を開始すると、4コーナーで早くも先頭に立つ。最後の直線では、2着エンドウノハナに一度は詰め寄られるももうひと伸び。後続を振り切った。
連勝というと聞こえは良いが、これまでの道のりは決して簡単なものではなかった。
試行錯誤の末に辿り着いた長距離への挑戦
同馬の母ユーロシャーリーンは、リアルスティールが勝ったドバイターフ(G1)で2着した実績の持ち主。そんな英国生まれの母に父ディープインパクトを配した良血ゆえに、2020年のセレクトセールにて1億5950万円という高値で取引された経歴がある。
ところが、昨年のデビュー戦を11着と大敗すると、その後は連戦に次ぐ連敗。前走の初勝利まで実に8戦を要したことは、陣営にとっても想定外だったはずだ。
それでも、試行錯誤の末に辿り着いた長距離への挑戦は、悩める高額馬に大きなキッカケをもたらした。
それまでは2000m前後を中心に使われ、後方から追い込むも届かないレースが続いていたが、前走から2600mに距離を延ばしてみたことで持ち味の末脚を余すことなく発揮。ここ2戦はいずれも道中で捲り気味に上がっていき、早め先頭から押し切る「必勝パターン」が板についてきた。
捲りというのは枠に関係なく外を回ることになるため、勝ち負けとなれば本来の距離以上に走れるスタミナが必要。捲った上に後続を突き放すのは、よほど他馬に比べて体力が突出していないと難しい。
レース後には鞍上も「気性がのんびりしているので、長いところがあっていますね。小柄なりに馬体も安定してきたので、これからの成長が楽しみです」とコメント。まだまだステイヤーとしての可能性は計り知れないものがある。
菊花賞のダークホースに急浮上!?
出世が遅れながらも、長距離にシフトしてようやく才能が開花したジェンヌ。牝馬ながら夏の上がり馬として、秋は3000mの菊花賞(G1)を目指すこともありそうだ。
「3年前に菊花賞へ挑戦した牝馬メロディーレーンとタイプ的によく似ていますね。同馬も小柄な馬体が特徴で初勝利までに10戦かかりましたが、距離延長が大きなキッカケとなりました。
2600mの1勝クラスを勝ち上がったのち、菊花賞では12番人気ながら5着に健闘。その後は天皇賞・春(G1)にも出走を果たしています。
また、昨年は夏場に1勝クラスと2勝クラスを勝ち上がった牝馬ディヴァインラヴが菊花賞に参戦し、こちらは6番人気ながら3着に好走して話題になりましたね」(競馬誌ライター)
近年の牡馬クラシックは春2冠馬でもない限り菊花賞へ向かうことも少なくなり、例年メンバー的にも主役不在となる事も多い。それ故にメロディーレーンやディヴァインラヴのように、牝馬が菊花賞へ挑戦するケースも徐々に増えてきた。
今年も皐月賞馬ジオグリフや同レース2着のイクイノックスが揃って天皇賞・秋(G1)へ、ダービー馬ドウデュースが凱旋門賞(G1)へ向かうことがすでに決まっている。混戦ムードが高まるなか、長距離適性が高い牝馬にもチャンスは出てくるはずだ。
近2戦でステイヤーとしての素質を示したジェンヌ。1947年のブラウニー以来、75年ぶりの牝馬による菊花賞制覇へ、ダークホースはこの馬かもしれない。
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