GJ > 競馬ニュース > 「天と地」の決戦
NEW

天才・武豊と帝王・岡部幸雄の意地がぶつかり合った「天と地」の決戦。天皇賞・春(G1)に25年の時を経て再び訪れた「世紀の対決」

【この記事のキーワード】, ,
mejiromakkui-n.jpgメジロマックイーン(JRA公式サイトより)

「(メジロ)マックイーンに対して作戦なんて別にない。とにかく自分の競馬をするだけというか……特に長距離レースの場合には、自分の馬を先にコントロールすること。そっちの方に一生懸命ですよ」

 1992年の天皇賞・春(G1)を前にした記者会見で、トウカイテイオーの主戦・岡部幸雄はそう語った。

 トウカイテイオーVSメジロマックイーン。「世紀の対決」と名付けられた現役王者同士の決戦を前に当時のメディアやファンは何日も前から色めき立ったが、注目の岡部から告げられた言葉はまるで素っ気ないものだった。

 今でこそ武豊が競馬のイメージ大きく変えた結果、騎手がまるで芸能人のように扱われているが、当時、つまりは岡部時代の騎手たちのイメージは「寡黙な職人」といったところ。まだ競馬がファンやメディアの要求に合わせて、それほど気の利いた言葉を発信せずともよかった時代だった。

 だからこそ、まだ23歳の若者に過ぎなかったメジロマックイーンの主戦・武豊も「まず自分自身、メジロマックイーン自身の闘い。出走馬全部との戦い」と当時の競馬界の”帝王”岡部の主張に合わせるように「2強対決」を否定。「まあ、結果として2頭の決着になるんじゃないかというのはある」と言うに留めた。

 だが、公式の記者会見の場では「冷戦」を貫いても、それぞれが東西に分かれた追い切りでは熱い火花が散る一幕があった。

 東でトウカイテイオーの調教をつけた岡部が「地の果てまで走りそう」と、キャリア初の長距離戦に強い自信を示せば、西でメジロマックイーンの調教をつけた武豊が「あっちが地の果てなら、こっちは天まで昇りますよ」と応酬。両者はお互いのプライドを懸け、激しく意識し合っていた。

 岡部がトウカイテイオーとコンビを組んだのは前走の大阪杯(当時G2)が初めてだったが、その強さに対しては絶対的な自信があった。

天才・武豊と帝王・岡部幸雄の意地がぶつかり合った「天と地」の決戦。天皇賞・春(G1)に25年の時を経て再び訪れた「世紀の対決」のページです。GJは、競馬、, , の最新ニュースをファンにいち早くお届けします。ギャンブルの本質に切り込むならGJへ!

Ranking

17:30更新
  • 競馬
  • 総合
  1. ルメール軍団「誤算続き」で迷走中?使い分けの弊害に一部ファンから疑問の声
  2. クロワデュノール「世代最強説」に現実味も…ダービー馬候補が未勝利戦より遅い時計の怪
  3. 武豊×ドウデュース完全包囲網で波乱含み!?豪華メンバーのジャパンCにチェルヴィニア、ブローザホーン、オーギュストロダンら最強メンバー集結。レジェンド元JRA騎手の見解は?
  4. 「別競技」の高速馬場で欧州最強マイラーの意地見せたチャリン!ジャパンC参戦オーギュストロダン、ゴリアットに朗報?
  5. C.ルメール「アンラッキー」な過怠金に謝罪…マイルCSでも「牝馬のC.デムーロ」の手綱冴えるか?
  6. エアスピネル降板に武豊騎手は「何」を思う……8年前、すべてを手にしてきた天才騎手が”最大級”の屈辱を味わった「ウオッカ事件」とは
  7. 【京都2歳S(G3)展望】藤田晋オーナーの大物エリキングが登場! ジョバンニ、サラコスティがリベンジに燃える
  8. 【ジャパンC(G1)展望】「ディープ」オーギュストロダンVS「ハーツ」ドウデュース、2005年有馬記念から19年越しの最終決戦!
  9. 春のG1戦線に水を差す「醜聞」続く…現役騎手の父に詐欺容疑、G1馬オーナーが逮捕
  10. 「3大始祖」消滅の危機……日本で「2頭」世界で「0.4%」の血を残すべく立ち上がったカタール王族の「行動」に称賛