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数少ない九州産馬のスター候補参戦、サツマノオンナは先輩ヨカヨカに続く活躍馬になれるか

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数少ない九州産馬のスター候補参戦、サツマノオンナは先輩ヨカヨカに続く活躍馬になれるかの画像1

 17日、中京9Rで2歳馬のオープン戦、ききょうSが開催される。過去にはヤマカツスズランやダンツフレーム、コスモサンビームをはじめとしたG1馬、直近ではスプリンターズS(G1)を制したタワーオブロンドンなど、G1馬や重賞勝ち馬がこのレースの勝者の名前に並ぶ、2歳馬にとってちょっとした出世レースである。

数少ない九州産馬のスター候補参戦

 今年は2歳馬の中でこれといったメンバーが登録されていないが、注目してみたいのがサツマノオンナ(牝2、栗東・新谷功一厩舎)だ。名前でわかる通り、鹿児島で生産された数少ない九州産馬なのだが、その戦績はなかなかのものだ。

 本馬は7月の小倉1200m新馬戦でデビュー。好スタートからハナを奪うと、直線でも先頭を譲らず、上がり最速の脚を使って後続を6馬身ちぎる圧勝を演じた。

 続く8月小倉のひまわり賞(OP)でも番手につける競馬から、直線で前の馬を交わして抜け出し、3馬身差をつける勝利を挙げている。

 この臨戦過程は2年先輩ですでに繁殖に上がっている九州産馬ヨカヨカとよく似ている。こちらも新馬、フェニックス賞(OP)、ひまわり賞と3連勝してファンタジーS(G3)に挑戦。この時はスタートで出遅れ、中団からの競馬になったことと勝負所でロスがあったことも響いて5着に敗れている。

 しかし、この後も阪神JF(G1)5着やフィリーズレビュー(G2)、葵S(現G3)を2着するなど九州産馬として活躍を見せ、北九州記念(G3)では先日セントウルS(G2)で2着したファストフォースを抑えて重賞初勝利を挙げた。

 ここからスプリンターズSを目指して調整していたタイミングで、競走能力を喪失する重大な骨折が判明して無念の引退を強いられた。とはいえ、この北九州記念は史上初の熊本県産馬による重賞制覇であり、九州産馬としても実に16年ぶりの重賞制覇となる快挙だった。

 ご存じの通り、競走馬の大半は北海道で生産されており、毎年コンスタントに九州産馬もJRAに登録されるが、その数は雀の涙ほどのもの。今年の2歳馬も鹿児島産が13頭、熊本産が5頭、宮崎産が3頭と極少に留まっている。

 北海道に比べて九州に繋養されている種牡馬が圧倒的に少ないことや、馬産に不向きな気候も相まって、九州産馬からはなかなか大活躍をする馬が出てこない。重賞制覇ですら上記のような状態なのである。

 今年は計21頭しかいない九州産の2歳馬だが、勝ち上がりは3頭と意外に健闘しており、その中でもサツマノオンナは頭ひとつ抜けた存在だ。血統面で見てもヨカヨカと父が同じスクワートルスクワート、母父がヨカヨカのデインヒルダンサーからスペシャルウィークになって距離にも融通が利きそうな印象がある。

 サツマノオンナはここまで九州産馬限定戦を連戦してきたことで、北海道産馬との対決はこのレースが初めてとなる。勝った2レースの内容が先輩のヨカヨカより派手なものではあったが、やはり九州産馬ということでやや低い評価に留まりそうな気配だ。

 しかし、ここで好走して見せれば評価が一変する可能性は高い。さらにこの後の2歳重賞でも有力馬として名を連ねることができるだろう。ヨカヨカの無念を晴らし、数少ない九州産馬の星としてぜひ頑張って欲しい。

ゴースト柴田

ゴースト柴田

競馬歴30年超のアラフィフおやじ。自分の中では90年代で時間が止まっている
かのような名馬・怪物大好きな競馬懐古主義人間。ミスターシービーの菊花賞、マティリアルのスプリングS、ヒシアマソンのクリスタルCなど絶対届かない位置からの追い込みを見て未だに感激できるめでたい頭の持ち主。

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