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武豊超え「元天才」に藤田伸二も同情…1000勝達成間近の「珍記録」とは

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三浦皇成騎手

 上位3着以内が3番人気以内の馬による平穏決着に終わった先週の秋華賞(G1)。恒例となった元JRA騎手の藤田伸二氏によるG1レース回顧が17日夜、YouTube「藤田伸二チャンネル」で行われた。

 生配信はいつもより30分早い20時半にスタート。藤田氏にとって、今年の秋華賞はこれといった見どころもなかったようで、勝ったスタニングローズの他、スターズオンアースやナミュールらに少しずつ触れると、早々とレース回顧を切り上げてしまった。

 配信開始から10分ほどで“ネタ”に行き詰まった感もあった藤田氏。唐突に取り上げたのはある中堅騎手の名前だった。

「コウセイがさ、1000勝間近でしょ……」と、先週末までにJRA通算973勝を挙げている三浦皇成騎手の名前を出すと、「もちろん凄いことなんだけど、地方では(G1を)勝っていても、中央でG1勝ちがないっていうのはね……」と、三浦騎手がJRAのG1未勝利である点に言及。

1000勝達成間近の「珍記録」とは

「それで1000勝しちゃったら、本当に『珍記録』。ちょっと気の毒に思うな」と、数多くの勝利を記録しながらも、いまだG1を勝てていないことに同情している様子を見せた。

 藤田氏は、まだ始まったばかりの今秋のG1シリーズで、「コウセイ何乗ってんのかな」と、15年目を迎えた後輩の動向を確認したという。

 ところが、「現場にいないっていうね……。G1の裏(開催)で乗っている……」とコメント。三浦騎手がスプリンターズS(G1)、秋華賞ともに騎乗馬がいなかったことを嘆き、「年内にG1を勝てるような馬にでも乗せてあげればいいのにね」と、なかなかチャンスが巡ってこない後輩を慮る発言も飛び出した。

「中央でG1を勝たないで1000勝した騎手なんて今までいないんじゃないかな」「1年目はユタカさんの記録を破っての新人賞だっただけにね、ちょっと不甲斐ないな」と、ルーキーイヤーに91勝を挙げ、武豊騎手が持っていた69勝の新人記録を大幅に塗り替えた当時を思い出すシーンもあった。

「藤田氏の言うように三浦騎手の1年目を知っている者からすると、現状の成績は想像もつきませんよね。まさか30代になってもG1勝利がなく、今では有力馬でのG1騎乗もままならないという状況です。

また、グレード制導入後の記録を調べてみたところ、やはりJRA・G1未勝利のまま1000勝を挙げた騎手はいませんでした。このままいくと文字通りの珍記録もありそうな雰囲気です」(競馬誌ライター)

 改めて三浦騎手の中央におけるG1成績を振り返ると、これまで計105レースに騎乗、2着は2回、3着も7回に上る。最も僅差で敗れたのは16番人気のグランプリボスで臨んだ2014年の安田記念(G1)だった。

 7か月ぶりの復帰戦だったG1・2勝馬に初めて騎乗した三浦騎手は、中団待機から直線で柴田善臣騎手騎乗のジャスタウェイと激しい追い比べを演じた。写真判定にもつれ込んだデッドヒートは僅かにハナ差でジャスタウェイに軍配が上がった。

 その1か月前のNHKマイルC(G1)でも17番人気のタガノブルグを2着に持ってきていた三浦騎手。この頃は有力馬でG1に臨む機会も増えていたが……。

「4年以上もG1で馬券に絡めていないんですよね。特に昨年以降は12回の騎乗全てが2桁人気馬という状況です。実は2年前まではそれなりに勝利を狙える有力馬にも乗っていたのですが、20年のホープフルS(G1)で2番人気のランドオブリバティに騎乗するも、4角で逸走してしまい、競走中止に終わったのが痛かったですね。

この一件がきっかけとなったのかどうかは分かりませんが、その後はG1で騎乗依頼があっても人気薄の馬というケースも増えている印象があります」(同)

 今週末の菊花賞(G1)もお手馬はおらず、裏開催(東京競馬場)での騎乗を予定している三浦騎手だが、翌週の天皇賞・秋(G1)にはカデナとのコンビで参戦予定だ。苦戦が続く8歳馬とあって、G1初勝利はさすがに厳しそうだが、大先輩・藤田氏の期待に応えられるだろうか。今後の巻き返しに注目したい。

中川大河

中川大河

競馬ブーム真っただ中の1990年代前半に競馬に出会う。ダビスタの影響で血統好きだが、最近は追い切りとパドックを重視。

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