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福永祐一「勝てるレース」で痛恨取りこぼし…自身のミスより想定外の大誤算とは?

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福永祐一騎手 撮影:Ruriko.I

 エリザベス女王杯(G1)を翌週に控え、秋G1の中休みとなった先週末の開催だが、6日の阪神競馬場で行われたダート重賞のみやこS(G3)には、G1・5勝のオメガパフュームをはじめ、トップクラスのメンバーが集まった。

 フルゲート16頭で争われた一戦を制したのは、幸英明騎手が主戦を務めるサンライズホープだ。凡走の続いていた近走とは別馬のような変わり身を見せてライバルを外からごぼう抜き。11番人気の低評価を覆し、約1年1か月ぶりの勝利を挙げた。

 待望の重賞2つ目のタイトルを手に入れた勝ち馬に対し、悔やんでも悔やみきれない2着に敗れたのが、2番人気のハギノアレグリアス(牡5、栗東・四位洋文厩舎)に騎乗した福永祐一騎手である。

「勝てるレース」で痛恨取りこぼし…

「3コーナーの進路取りの判断を間違えました。外のままで良かったです。間を割るのを躊躇していましたし、結果的に仕掛け遅れてしまいました。勝てるレースでした。仕上がっていましたし、申し訳ないです」

 レース後にそう振り返った福永騎手だが、コメントも結果を出せなかった悔しさがにじみ出る内容。普段は敗因を冷静に分析するタイプだが、この日は珍しく自身の不甲斐なさへの怒りすら感じられる言葉が並んでいた。

 実際にレース映像を確認すると、福永騎手が後悔したのも頷ける。6枠12番からスタートを決めたハギノアレグリアスは道中で外の好位から追走。ここまでは順調な滑り出しだったものの、3コーナー付近で福永騎手が内で誘導し、いつでも抜け出せる態勢を作れていた。

 しかし、最後の直線を迎えるまで先行勢が横並びとなり、追い出しを待たされるような格好に……。ハギノアレグリアスの手応えは十分にあり、抜け出せるだけの脚も溜まっていた。無難に外を回していれば、勝てたと思える内容。内に進路を取ったことが仇となってしまった。

 結果的にゴール前で勝ち馬を猛追するも、わずかアタマ差だけ捉え切れずにゴール。着差が着差だけに「判断を間違えた」「結果的に仕掛け遅れ」「勝てるレース」という言葉が出たのだろう。断然の実績を誇るオメガパフュームに先着したなら、尚更勿体ないと思える結果である。

 だが、福永騎手にとって不運だったのは、サンライズホープと幸騎手のコンビが、あまりにも“幸運過ぎた”ことではないだろうか。

 複数出走していた逃げ先行馬が激流に飲み込まれたこのレース。本来なら逃げ先行で結果を残していたサンライズホープの苦戦は免れなかったはずだ。

 この日の同馬はゲートでトモを滑らせて想定外の後方待機策。いつものような好位につけるスタイルと真逆の競馬となった。切れる脚がないからこそ、前々で競馬をする馬が多いこともあり、絶望的な位置取りに「終わった」と感じたファンも少なくなかったのではないか。

 ところが、勝負どころから徐々にポジションを上げたサンライズホープは、直線半ばで先頭に立つと、そのまま押し切ってしまったのである。これには幸騎手も「今日はたまたま行き脚がつかなくて、結果的にいい方に出ました」「普段と違う競馬だったので馬も戸惑いはあったと思います」と驚きを隠せないコメントを残していた。

 福永騎手にしても、いつもは前にいるサンライズホープが、後ろから追い込んでくるとは、さすがに大誤算だったに違いない。

 とはいえ、今回思わぬ不覚を取った福永騎手も、過去に似たようなケースで運を味方にした経験がある。

 それは、6番人気ケイティブレイブとのコンビで勝利した2017年の帝王賞(G1)でのこと。本馬もサンライズホープ同様に逃げ先行を武器としていた馬だが、レースでは出遅れて後方からの競馬をせざるを得ない展開だった。

 だが、前の馬が競り合う展開を味方に末脚を伸ばして見事な差し切り勝ち。福永騎手も「スタートで大きく躓いて『終わった』と思いました」と振り返ったほどで、想定外の嬉しい誤算にニヤニヤが止まらない勝利騎手インタビューとなった。

 前回は福永騎手に味方した勝利の女神だが、今回は幸騎手に微笑んだということかもしれない。

黒井零

1993年有馬記念トウカイテイオー奇跡の復活に感動し、競馬にハマってはや30年近く。主な活動はSNSでのデータ分析と競馬に関する情報の発信。専門はWIN5で2011年の初回から皆勤で攻略に挑んでいる。得意としているのは独自の予想理論で穴馬を狙い撃つスタイル。危険な人気馬探しに余念がない著者が目指すのはWIN5長者。

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