
「美し過ぎる騎手」ミシェルに先輩2人がエール! ルメール、デムーロが語ったJRA所属の条件……
30日、地方競馬で騎乗中のM.ミシェル騎手は船橋競馬で1勝を挙げ、地方通算勝利数を29勝とした。1月27日に南関東競馬の川崎で地方デビューを果たしてから約2ヶ月。フランスから来日した”美し過ぎる騎手”は、南関東における短期免許取得外国人騎手の最多勝記録に並んだ。
最終日となる31日に向け「最後の一日を有効に使いたいと思います。最後でとても悲しいですが、できるだけ多く勝ちたいです」と有終の美に向けて意欲を見せた。
「日本に恋しました」
初来日となった昨年8月のWAJSでミシェル騎手は日本へ強い憧れを語った。
「将来はJRAの通年免許を取得したい。2年ぐらいあれば準備は整うと思います」
その想いは強くなるばかり、3か月後のジャパンC(G1)観戦で訪れた際には、JRA騎手通年免許の取得を公言するに至った。
ミシェル騎手の本気度は高い。既に日本語の学習に取り組み、母国フランスの先輩であるC.ルメール騎手と同じ家庭教師について日本語を学んでいる。地方競馬の短期免許を取得したのも「私の日本語の上達を待っていられないので、まずは日本の地方競馬の環境に慣れて、いろいろなことを学ぶため」と、日本の環境への適応を念頭に入れたものだ。
外国人騎手のJRAでの騎乗でまず思い浮かぶのは短期免許を取得しての騎乗だ。現在、JRA所属となったルメール騎手もM.デムーロ騎手も、短期免許で騎乗を重ねて通年免許を取得している。ミシェル騎手が短期免許でなく、通年免許の取得を目指すのはなぜだろうか。
JRAが外国人騎手に用意する免許は短期と通年の2種類がある。
だが、短期免許の対象者となるにはかなり高いレベルの実績が要求される。所属国でのリーディング上位、凱旋門賞、英ダービーなどの指定外国競走で2勝以上、JRAのG1で2勝以上など、その基準をひとつ以上満たしていなければならない。ミシェル騎手にそのような実績はなく、選考対象には挙がらない。
一方、通年免許の場合はJRAが試験要項に明記している受験資格は、「外国の競馬統括機関の騎手免許を受けている者」という条件のみ。だが、試験内容は日本の受験者と同じだ。合格するには日本語の理解が必要不可欠となる。ミシェル騎手が家庭教師をつけつつ、南関東での乗を選択したのは非常に有効な対策だったといえるだろう。
そんなミシェル騎手の先輩にあたるルメール騎手とデムーロ騎手がアドバイスを送った。
ルメール騎手はミシェル騎手の日本での騎乗について「南関東にすごく早く慣れて、自信を持って乗っている。日本に来る前にしっかり準備をしてきたね」とここまでの努力を評価した。
JRAの免許を目指していることについては「最大限の努力を重ねることが必要。もしJRAで乗れるようになったらファンも喜ぶだろうし、彼女の幸運を祈っています」と期待した。
デムーロ騎手は「簡単なものではありません。免許を取るうえで、高い騎乗技術や日本語を理解することは重要となるでしょう」と、自身の経験を踏まえつつ、デムーロ騎手らしいアドバイスも続けた。
「私が思うに一番重要なのは日本を好きになることです。これは競馬に限ったことではありません。日本の文化を含めた日本という国を好きになることが大切だと思います」
“日本に恋した”ミシェル騎手にとっては、この条件はすでにクリアできているかもしれない。
ルメール騎手、デムーロ騎手に続く3人目のJRA所属の外国人騎手になれるか。日本を愛してやまないミシェル騎手のこれからに大いに注目したい。
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