GJ > 競馬ニュース > 僕らはあの頃、アツかった(15)
NEW

ぼくらはあの頃、アツかった(15) 黒猫が運んできてくれた「北斗万枚初達成」の甘い記憶。

【この記事のキーワード】, ,
ashino.jpg

 筆者の家の近所にはオープンしたばかりのWというホールがあった。金属工場や造船機器のメーカーが立ち並ぶ川沿いの一角である。

 九州ではそれなりに名の知れたチェーン店であるWは、グランドオープンからしばらくはパチンコを中心にモリモリと地域のお客に出玉を還元していた。すでにインターネット上には地域のパチンコ店情報をやりとりする情報サイトも出来ている時代である。Wが超バカ釘の赤字戦略に出ている事は筆者も知っていたし、筆者が知っているくらいだから、筆者よりももっとパチンコやパチスロに真面目に取り組んでいた当時のS市のギャンブラー達にとっては100も承知の事実だった。

 実際に筆者は2003年末の収支は大きな黒字だった。すべてWのお陰である。NETの「スーパーブラックジャック」で6をツモったり。あるいは平和の「ドロンジョにおまかせ」でツモったり。なんやかんやでかなり浮いていた。学費を稼ぐ! という名目で大学を休学してアルバイトに勤しむ苦学生気取りのスロッターにとっては、本当に有り難い話だった。

 出玉と大当たりのユートピア。神が作り給うた爆裂のエデン。Wさえあれば筆者の人生はそれでOKなのではないかと、そんなまやかしすら信じてしまいそうになるほど、初期のWは優良店であったのだ。

 2004年お正月の話である。

 地域住民に夢と希望を振りまくティンカー・ベルであったWが、突如鬼と化した。激甘期間が終了し、通常営業になったのである。

 しかもお正月だ。連休である。撒き餌に飼い太らされ、野生を失った地域住民は、根こそぎボコボコにやられていた。筆者も例外ではない。2004年の正月は吐くほど負けた。アレだけ優しかったリオちゃんが。あるいはドロンジョが。筆者の姿を見るなりフルスイングでケツバットしてきた。蓄財が。貯金が。みるみる溶けた。

ぼくらはあの頃、アツかった(15) 黒猫が運んできてくれた「北斗万枚初達成」の甘い記憶。のページです。GJは、競馬、, , の最新ニュースをファンにいち早くお届けします。ギャンブルの本質に切り込むならGJへ!

Ranking

5:30更新
  • 競馬
  • 総合
  1. 春のG1戦線に水を差す「醜聞」続く…現役騎手の父に詐欺容疑、G1馬オーナーが逮捕
  2. JRA武豊は何故AJCC(G2)でスペシャルウィークに騎乗しなかったのか。明かされた当時の「事情」と、幻の天皇賞馬“ナリタサンデー”とは
  3. 「3大始祖」消滅の危機……日本で「2頭」世界で「0.4%」の血を残すべく立ち上がったカタール王族の「行動」に称賛
  4. エアスピネル降板に武豊騎手は「何」を思う……8年前、すべてを手にしてきた天才騎手が”最大級”の屈辱を味わった「ウオッカ事件」とは
  5. JRAマイネル軍団総帥・岡田繁幸さん逝く。武豊「僕の原点、この馬と一緒に全国区になった」絶体絶命だった天才を世に放った偉大な決断と信念【特別寄稿】
  6. 【香港C(G1)展望】BC制覇の偉業から1か月、ラヴズオンリーユー有終の美へ!レイパパレはC.スミヨンと新コンビ、最大のライバルは最高レーティングの英国馬
  7. 「シャフリヤールの激走はわかっていた」本物だけが知る有馬記念裏事情。そして“金杯”で再現される波乱の結末とは?
  8. 四位洋文騎手が「トラウマ」嘆く……武豊騎手も不快感を露にした昨年「マイルCS」ディサイファの悲劇
  9. アドマイヤ軍団が「G1・45連敗」武豊と絶縁し「40億円」と引換えに日本競馬界フィクサーの”逆鱗”に触れた凋落の真相?
  10. 皐月賞(G1)クロワデュノール「1強」に待った!? 「強さが証明された」川田将雅も絶賛した3戦3勝馬