
JRA思い出されるアノ馬の「誤算」による“悲劇”……。モズスーパーフレアまさかのハンデ重賞・北九州記念(G3)参戦も、陣営には青写真あり
春の短距離チャンピオンが秋に向けていよいよ始動する。
今年の高松宮記念(G1)を制したモズスーパーフレア(牝5歳、栗東・音無秀孝厩舎)は、23日に小倉競馬場で行われる北九州記念(G3)に出走を予定している。
5日、栗東・坂路コースで2週前追い切りを行い、早くも4ハロン50秒2、ラスト13秒6の好時計をマーク。始動戦に向けて順調そのものだ。
だが、始動戦にハンデ重賞を選んだ点は気になるところだろう。G1馬ともなれば当然、かなりの斤量を背負うことが想定される。
ハンデ重賞の思わぬ誤算として思い出されるのが、今年のCBC賞(G3)だ。
高松宮記念で1位入線したが、最後の直線で斜行したことで4着に降着となったクリノガウディー。次走に選んだのがハンデ戦のCBC賞だった。陣営としては、「57キロ」のハンデを想定していたが、発表された斤量は「58キロ」。これには管理する藤沢則調教師も「ハンデに関してはしょうがないかなと思っています。ただ1勝馬なんですけどね……」と漏らした。
つまり、1勝馬ながらも“G1級”という見方をされたということだ。トップハンデの58キロを背負いレースに出走したクリノガウディーは斤量が堪えたせいか、行き脚がつかず中団からの競馬に。そのまま見せ場なく12着に惨敗した。
同じ高松宮記念の上位馬がハンデ重賞で思わぬ敗戦をしているだけに、モズスーパーフレアにとっても北九州記念参戦には不安が付きまとう。実際に、昨年は55キロで出走して4着に敗れており、今年はさらに斤量が増えるとなるとさらに勝利が遠のくだろう。
それでも、北九州記念に出走するのには陣営の思惑があるようだ。
『netkeiba.com』に掲載されている井内利彰氏の取材によると、音無調教師は「スプリンターズS(G1)へ向かうにあたって、選択はセントウルS(G2)との二択。中2週は昨年の高松宮記念で惨敗したように、合っていないローテーションなので。昨年も北九州(記念)からスプリンターズSで2着でしたし、このローテーションは合っていると思います」と話している。
もうひとつの選択肢であるセントウルSが行われるのは9月13日のため、中2週でスプリンターズSに出走することになる。その一方、北九州記念の場合、中5週と余裕を持ったローテーションでの出走が可能になるのだ。音無調教師が言うように、昨年も同じローテーションで好走していることに加えて、今年の高松宮記念はシルクロードS(G3)からの中7週で挑んで優勝している。
「陣営としてはあくまでもスプリンターズSを勝つためのローテーションという感じですね。北九州記念は“叩き”で、結果に重きを置いてないという可能性があるかもしれません。ただ、G1馬となったモズスーパーフレアの始動戦に期待するファンは多いはず。北九州記念でも、チャンピオンの走りを見せてほしいものですね」(競馬記者)
1位入線した馬の4位降着という後味の悪さが残る中、G1馬となったモズスーパーフレア。ハンデ重賞・北九州記念を制することができれば、クリノガウディーに勝ったということを間接的に証明することになるはずだ。
モズスーパーフレアは秋の大一番の前に、ハンデを克服して北九州記念を制することができるだろうか。
PICK UP
Ranking
17:30更新【ヴィクトリアマイル(G1)予想】ナミュールから6点で万馬券狙い! マスクトディーヴァは持ちタイムに不安ありで消し! 高速決着に対応できる穴馬で勝負
「シャフリヤールの激走はわかっていた」本物だけが知る有馬記念裏事情。そして“金杯”で再現される波乱の結末とは?
「3大始祖」消滅の危機……日本で「2頭」世界で「0.4%」の血を残すべく立ち上がったカタール王族の「行動」に称賛
- 浜中俊「哀愁」の1年。かつての相棒ソウルラッシュ、ナムラクレアが乗り替わりで結果…2025年「希望の光」は世代屈指の快速馬か
- JRA「馬が走ってくれません」スタート直後の“レース拒否”に大反響!? 三浦皇成も打つ手なし……未勝利馬がまさかの「自己主張」で1か月の出走停止処分
- 横山典弘騎手が若手騎手に「あの乗り方はやめろ」岩田康誠騎手らが実践する「お尻トントン」は、競走馬の負担になるだけ?
- 皐月賞(G1)クロワデュノール「1強」に待った!? 「強さが証明された」川田将雅も絶賛した3戦3勝馬
- 「空前の競馬ブーム」巻き起こしたオグリキャップ…ぬいぐるみはバカ売れ、見学ツアーも大人気、「ビジネスチャンス」生かしたオーナーの慧眼【競馬クロニクル 第64回】
- JRA出鼻をくじかれた「16億円」の大勝負……。「神の馬」の二の舞だけは避けたい日高に朗報!? 海外からのニュースに関係者も安堵か
- 武豊騎手「パドック意味なし」発言に仰天……馬券購入セオリー「完全否定」のトップ騎手たちが語るパドック必勝法とは
関連記事
JRA CBC賞(G3)同厩モズスーパーフレアに続け! 松若風馬騎手・音無秀孝厩舎・芝1200mの組み合わせは勝率50%! 3連勝ミッキースピリットが重賞初制覇を狙う!
JRAモズスーパーフレア高松宮記念(G1)優勝で俄然注目の米国種牡馬Speightstown。実はサウジダービーC武豊フルフラットも
JRAグランアレグリア「負けて強し」の高松宮記念(G1)2着! 次走に「期待」高まるも、2つの「不安」が……
JRA「ドバイ中止の爪痕」何もかもが異例ずくめだった高松宮記念(G1)乗り替った騎手達を襲った、まさかの結末……
JRA「審議」高松宮記念(G1)ダイアトニック3着に疑問の声、続々!? 安藤勝己氏「まともなら勝ち負け」みんなのKEIBA「明らかに勝っていた」