JRA「崖っぷち」津村明秀が背水の陣。オールカマー(G2)カレンブーケドールと「復縁」の“ラストチャンス”を生かせるか
27日(日)、中山競馬場ではオールカマー(G2)が行われる。24日(木)には、G1・3勝のフィエールマンが熱発で回避を発表。7か月ぶりの実戦を迎えるカレンブーケドール(牝4歳、美浦・国枝栄厩舎)が主役の座を狙う。
前走の京都記念(G2)では、後に宝塚記念(G1)を圧勝するクロノジェネシスの2着に敗れたカレンブーケドール。その後は、ドバイシーマクラシック(G1)にO.マーフィー騎手で臨むことが決まっていたが、ドバイに渡ったあと中止が決まり、レースを迎えることなくとんぼ返りの憂き目に遭った。
今回、カレンブーケドールとコンビを組むのは、前走後にいったんカレンブーケドールを降ろされた形の津村明秀騎手。結果的には、7か月ぶりの復帰戦で再び最愛のパートナーに騎乗する機会を得ることになった。
「陣営としてはスイートピーS(L)以降なかなか勝てない津村騎手ではなく、他の有力騎手に騎乗を依頼することも当然考えたはずです。それでももう一度津村騎手にチャンスを与えたのは、鈴木隆司オーナーの男気といっていいかもしれません」(競馬誌ライター)
津村騎手に再び巡ってきたチャンス。フィエールマンが回避したこともあって、久々の実戦でも狙うのは1着だけだろう。もしここで陣営が望む結果を出せなければ、改めての乗り替わりは必至。津村騎手にとってはラストチャンスといえるかもしれない。
「オールカマーの結果次第ですが、おそらく次走はジャパンカップ(G1)かエリザベス女王杯(G1)が大目標になるはずです。鈴木隆司オーナーは、神戸市で眼科クリニックを開業していることもあって、今年は地元阪神で行われるエリザベス女王杯(11月15日、芝2200m)を選択する可能性が高そうです。
そうなると、阪神競馬場で通算(106戦)2勝、芝では(47戦)0勝と乗り慣れていない津村騎手から他の有力騎手への乗り替わりは避けられません。オールカマーでオーナーが納得する騎乗を見せることは絶対条件となるのではないでしょうか」(同)
気になるカレンブーケドールの状態だが、23日(水)の最終追い切りは、美浦坂路で51秒9-12秒8という好時計をマーク。併せた僚馬のオウケンムーンに1馬身半先着した。
国枝栄調教師は追い切り後、「先週と違って今日はだいぶ良くなって仕上がってきた。休み明けとしては合格点」と手応えを口にしており、状態面を言い訳にはできない。
フィエールマンが回避した今、G1で連対の実績を持つ出走馬はカレンブーケドールだけ。しかも3度の2着というまさにシルバーコレクター。重賞初制覇で勢いをつけ、人馬ともに初G1獲りに挑みたい。
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