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JRA川田将雅、三強対決のはずが「屈辱の5馬身差レコード」。東京スポーツ杯2歳S(G3)無残に砕け散ったクラシック制覇の希望……

JRA川田将雅、東京スポーツ杯2歳S(G3)三強対決のはずが「屈辱の5馬身差レコード」。無残に砕け散ったクラシック制覇の希望……の画像1

「勝った馬が強すぎました」

 競馬において、勝者が称えられることは当然かもしれないが、ジョッキーにとってあまり言いたくはないセリフである。言葉通り、勝った馬が強すぎた……そこには紛れもない「絶望」があり、ましてやそれが、これから何度も戦わなければならない相手であればなおさらだ。

 ちょうど1年前、そんな騎手にとっては宿命とも言える苦い経験をして、思わず「勝った馬が……」と言ってしまったのが川田将雅騎手だった。

 2019年11月16日に行われた東京スポーツ杯2歳S(G3)は3強対決だった。川田騎手が騎乗していたのはセレクトセールで1億7000万円という高額で落札されたアルジャンナ。米国G1馬を母に持つディープインパクト産駒の超良血馬だ。

 デビュー前からG1を狙える逸材と大きな話題になっていたアルジャンナ。それだけにデビュー戦は各陣営が対決を避けたこともあって、わずか5頭立て。アルジャンナは単勝1.1倍という圧倒的な人気に応えて快勝した。

 当時のアルジャンナは紛れもないクラシック候補……いや、その中でも筆頭格に挙げられる存在だった。しかし、東京スポーツ杯2歳Sには父ディープインパクト、母アパパネという“三冠配合”のラインベックがおり、デビュー戦で福永祐一騎手が絶賛したコントレイルがいた。

 例年以上の注目を集めた東京スポーツ杯2歳Sだったが、終わってみればレコードでぶっちぎったコントレイルの紛れもない1強……。5馬身差の2着に敗れたアルジャンナと川田騎手のクラシック制覇の希望には、取り返しのつかないほどの大きな影が差してしまった。

 その後は語るまでもないだろう。コントレイルは史上3頭目となる無敗の牡馬三冠を成し遂げ、世代の頂点に立った。一方のアルジャンナは、2度目の対決となった日本ダービー(G1)で最下位という屈辱を味わっている。

 実は、アルジャンナ陣営はデビュー戦のレースぶりに不満を持っていた。川田騎手が「まだまだ競馬で能力を出すには至ってない」と言えば、陣営も「調教の動きから、もっとはじけると思っていたが……」と慎重なコメント。しかし、名馬の出現を待ちわびるメディアは「期待が高いからこその厳しさ」と書き立てた。

 率直に述べれば、当時のアルジャンナもまた周囲の評価や血統、メディアの称賛などが作り上げた“偶像”だったのである。競馬には付き物といえるが、実際にはデビュー戦でアルジャンナが破ったライバルたちはその後、未勝利戦で躓いていた。

 あれから1年。川田騎手は再びクラシック候補として名高いダノンザキッド(牡2歳、栗東・安田隆行厩舎)と共に、東京スポーツ杯2歳Sに挑もうとしている。そしてメディアもまた「セレクトセールで1億円の超良血馬」「ここは通過点」といった謳い文句で本馬を絶賛しているだけに1番人気が濃厚だ。

 だが社杯だけに、力を入れている『東京スポーツ』の取材に答えた陣営からは「まだまだ緩さが目立つし、まったく完成されてはいない」「いい経験になってくれれば」と慎重なコメントが掲載されている。ダノンザキッドの父ジャスタウェイはクラシックで善戦したヴェロックスこそ出したものの、今年の2歳はここまで2勝と苦戦中だ。

 果たして、川田騎手は今度こそ「本物」を掴むことができるのだろうか。それとも東京スポーツ杯2歳Sでライバルとなる9頭の中に、またもコントレイルのような相手の希望を打ち砕く「怪物」が紛れ込んでいるのだろうか。

 押しも押されもせぬトップ騎手でありながら、G1制覇は昨年12月のチャンピオンズC(G1)から約1年、クラシック制覇に至ってはマカヒキとのコンビでダービージョッキーになった2016年の日本ダービー(G1)から4年以上、遠ざかっている。

 今年は福永祐一騎手と松山弘平騎手が三冠を成し遂げ、騎手人生を変えるほどの偉業を達成した。そろそろ川田騎手が、大きなチャンスを手にしても良い頃だ。

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