JRA川田将雅とダノンザキッドの「コントレイル街道」はいばらの道!? 「クラシック主役級」と評判の超大物が共同通信杯(G3)で激突か
昨年の3歳牡馬クラシックは2歳時にホープフルS(G1)を勝ったコントレイルと、朝日杯フューチュリティS(G1)を勝ったサリオスがそのまま皐月賞(G1)、日本ダービー(G1)でもワンツーゴール。勢力図は、最初から最後まで大きく変わらなかった。
そして昨年12月は、朝日杯FSをグレナディアガーズがレコード勝ち、ホープフルSではダノンザキッドが1番人気に応えて優勝。共に主戦が川田将雅騎手という点は、今後の鞍上問題で興味深いばかりだが、まずは今年の3歳牡馬クラシックも、この2頭が中心となると見て間違いないだろう。
しかし、今年は昨年ほど2歳王者が盤石というわけではなさそうだ。ここ数年の定番だった素質馬の早期デビューが落ち着き、2歳王者決定戦に進まずに翌年を見据えた「大物」が少なくないからだ。
その筆頭候補に挙げられているのが、2017年の皐月賞馬アルアインの全弟シャフリヤール(牡2歳、栗東・藤原英昭厩舎)だ。
良血馬としてデビュー前から評判の高かったシャフリヤールだが、朝日杯FSに1番人気のレッドベルオーブを送り込んだ藤原英昭調教師をして「走るよ。能力は高いし、ケイコの動きもいい」と言わしめた大器だ。
コントレイルが三冠を成し遂げた日に、同じ京都で福永祐一騎手とデビュー戦を快勝したことも、何か運命めいたものを感じさせる。2年連続の牡馬クラシック独占を狙う鞍上も「初戦としてはいい内容でした」と、早くもその能力に惚れ込んでいるようだ。
「デビュー戦が450kgということもあって、陣営は馬体の成長を課題に挙げていました。そういう事情もあって、今は無理使いをせずにさらなる成長を促している最中。順調に行けば2月の共同通信杯(G2)から始動する予定です。
いきなりの格上挑戦となりますが、すでにクラシック級の評価を得ている存在だけに、あっさり突破するシーンがあるかもしれません」(競馬記者)
ちなみに同じディープインパクト産駒のコントレイルも456kgでデビューしている。現在やや小柄な感のあるシャフリヤールだが、そこまで大きな問題にはならなさそうだ。
ただ、シャフリヤールが出走を予定している共同通信杯には、もう1頭クラシックの主役候補になれるだけの大器がスタンバイしているという。
「鹿戸雄一厩舎のエフフォーリアが面白いですよ。ここまで2戦2勝で11月の百日草特別(1勝クラス)を勝ち上がりましたが、ホープフルSには向かわずに共同通信杯から始動する予定だそうです。
サリオスのハーツクライに、デアリングタクトのエピファネイアという豊富なスタミナを感じさせる配合ですし、秋の菊花賞(G1)まで楽しめる存在です」(別の記者)
このエフフォーリアには、主戦の横山武史騎手がベタ惚れしているとか。昨年のフローラS(G2)で重賞初制覇を達成し、94勝を挙げて関東リーディングまで上り詰めた今最も勢いのある若手騎手だけに、一気のクラシック制覇があるかもしれない。
なお、共同通信杯には葉牡丹賞(1勝クラス)を4馬身差で楽勝したノースブリッジ、藤沢和雄厩舎とC.ルメール騎手の”黄金コンビ”が手掛けるキングストンボーイ、同じ府中芝1800mのデビュー戦を快勝したアンダープロットなども出走を予定している。これらもクラシックを見据える大物候補だ。
共同通信杯といえば古くからの出世レースとして知られているが、2015年には今年と同じように遅れてきた大物ドゥラメンテとリアルスティールが激突してワンツーゴール。2頭の争いは、そのままクラシックの中心となった。
あれから6年。2歳G1をパスした大物たちは、再び共同通信杯を足掛かりにクラシックを席巻するのだろうか。まずは2頭の激突を心待ちにしたい。
PICK UP
Ranking
17:30更新- ルメール軍団「誤算続き」で迷走中?使い分けの弊害に一部ファンから疑問の声
- クロワデュノール「世代最強説」に現実味も…ダービー馬候補が未勝利戦より遅い時計の怪
- 武豊×ドウデュース完全包囲網で波乱含み!?豪華メンバーのジャパンCにチェルヴィニア、ブローザホーン、オーギュストロダンら最強メンバー集結。レジェンド元JRA騎手の見解は?
- 「別競技」の高速馬場で欧州最強マイラーの意地見せたチャリン!ジャパンC参戦オーギュストロダン、ゴリアットに朗報?
- C.ルメール「アンラッキー」な過怠金に謝罪…マイルCSでも「牝馬のC.デムーロ」の手綱冴えるか?
- エアスピネル降板に武豊騎手は「何」を思う……8年前、すべてを手にしてきた天才騎手が”最大級”の屈辱を味わった「ウオッカ事件」とは
- 【京都2歳S(G3)展望】藤田晋オーナーの大物エリキングが登場! ジョバンニ、サラコスティがリベンジに燃える
- 【ジャパンC(G1)展望】「ディープ」オーギュストロダンVS「ハーツ」ドウデュース、2005年有馬記念から19年越しの最終決戦!
- 春のG1戦線に水を差す「醜聞」続く…現役騎手の父に詐欺容疑、G1馬オーナーが逮捕
- 「3大始祖」消滅の危機……日本で「2頭」世界で「0.4%」の血を残すべく立ち上がったカタール王族の「行動」に称賛
関連記事
JRAアーモンドアイ調教師「牝馬」で2021牡馬クラシック参戦!? ソダシ&サトノレイナス以上に色気たっぷりの“ガチ勢”候補とは
JRA藤田菜七子は「極めて稀な」レアケース。細江純子さんも苦しんだ、今春デビュー「女性騎手2人」に立ちはだかる競馬界の現実と風潮
JRA「恐らく、相当なもんになる」横山典弘の予言的中!? “親バカ”ではなかった父の言葉…… ”武豊超え”託した「秘蔵っ子」がついに関東の頂点に
JRAノーザンファーム「第2」のコントレイル、デアリングタクト許さん!? 屈辱の2020年から「2021クラシック」独占へ、驚異の包囲網
JRA来年のフェブラリーS(G1)は武豊頼み!? 「低レベル」化進むダートに懸念も…… 暗黒時代突入避けられず