JRA「不安要素は僕だけ」戸崎圭太の”名言”も誕生!? フィエールマン負かしたAJCC(G2)復活劇…… 角居厩舎×金子オーナーの秘蔵っ子に訪れた悲運
巨星墜つーー
2001年のジャパンCダート(G1・チャンピオンズCの前身)で世界の強豪相手に圧勝を飾った名馬クロフネが、老衰によりこの世を去った。23歳で亡くなったとはいえ、ディープインパクトが17歳、キングカメハメハが18歳で早世した。これに比べれば、晩年に白毛のG1馬ソダシを出したことは、種牡馬としても多大な功績を残したといえるだろう。
現役時代の前述3頭を所有していた超豪運の持ち主である金子真人オーナーにとっても、一時代を築いた名馬の死は残念だったに違いない。
金子オーナー縁の現役種牡馬としてブラックタイド、ラブリーデイに懸かる期待は大きくなるが、生きていれば名種牡馬として活躍が期待されたであろう1頭の早過ぎた死も惜しまずにはいられない。
それは、24日に中山競馬場でAJCC(G2)が行われるが、2年前にこのレース制したシャケトラだ。
「イタリアの幻のデザートワイン」から名付けられたシャケトラは、デビュー前に2016年の菊花賞(G1)、有馬記念(G1)を制したサトノダイヤモンドと双璧をなす素質馬として高い評価を受けた。
とはいえ、骨折や体質の弱さが原因で、日本ダービー(G1)も終了した6月の未勝利戦がデビューと、クラシック戦線をトップクラスで駆け抜けたライバル達に大きな後れを取った。
その後は順調に勝ち進み、17年には日経賞(G2)で初重賞制覇をしたものの、G1の壁にぶつかった5戦では精彩を欠く結果に終わった。18年春には骨折が判明し、ついには長期休養することとなる。
かつてG1級の評価を受けた期待馬が、19年のAJCCで再びターフに姿を見せるまでに1年1ヶ月という月日が流れていた。
C.ルメール騎手を背にした前年の菊花賞馬フィエールマンが単勝1.7倍の圧倒的1番人気の支持を受けたのに対し、騎乗予定だった戸崎圭太騎手がインフルエンザのため、石橋脩騎手へ乗り替わったシャケトラは38.5倍と大きく離された7番人気に過ぎなかった。下馬評でも、フィエールマンがどのような勝ち方をするかが焦点となったのも無理はない。
だが、休養前から2キロ増と動ける体で復帰したシャケトラは、このレースで不死鳥の如く華麗な復活を遂げた。
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