JRA藤沢和雄「距離間違えた」発言からの有言実行!? グランアレグリア大阪杯(G1)でコントレイルに挑戦状! あえての高松宮記念(G1)スルーは秋の大本命に自信の表れか
最強馬決定戦、再び――。
昨年、G1で3勝を挙げたグランアレグリア(牝5歳、美浦・藤沢和雄厩舎)が、高松宮記念(G1)に参戦せずに、直行で大阪杯(G1)に出走を予定していることがわかった。
同馬の所属するサンデーレーシングの吉田俊介代表は、主戦のC.ルメール騎手と話し合った上で「短いところなら位置取りが後ろになってしまうが、中距離ならポジションも取れる」という結論に至り、同レースへの出走が決まったようだ。
阪神の芝2000m条件で争われる大阪杯には、昨年の三冠馬・コントレイルも出走予定。それ以外にも昨年のグランプリ春秋制覇を達成したクロノジェネシスも出走する可能性が残されている。
クロノジェネシスに関しては、ドバイや香港という海外遠征も視野に入っているだけに未定の状態。だが、同レースには昨年も出走しているだけに、選択肢としては十分にあり得るだろう。
現役屈指の実力馬である3頭がが揃えば、三冠馬3頭の激突で空前の盛り上がりを見せた昨年のジャパンC(G1)にも引けを取らない好レースが必至。実現を楽しみにしているファンも少なくはないはずだ。
やはり、グランアレグリアにとって課題となりそうなのは、芝2000mの距離。これまでマイルを中心とした短距離戦を使われてきただけに、距離延長には少なからず不安が残る。
しかし、過去に藤沢調教師が「短距離向きでない」という見解を述べていたことは無視できないところだ。
昨年11月、『スポーツ報知』の取材に対して「1200mは向かない。使うところを間違えたよ」と冗談交じりに話したこととも無関係ではなさそうだ。これはスプリンターズS(G1)を勝利したものの適性距離ではなかったということになる。先述した陣営のコメントで「短いところなら位置取りが後ろになってしまう」と述べていたのは、前半からハイペースになりやすいスプリントG1で追走に苦労したことを指しているのだろう。
また、昨年のマイルCS(G1)前に藤沢師が「マイルの安田記念を上手に走れていた。あと400m延びても走れると思う。タイキシャトルやシンコウラブリイの2000mより自信あるよ」と、距離克服に絶大な自信を見せていた。これを踏まえれば単なる「有言実行」であり、今回のレース選択は驚くに値しない。恐らく天皇賞・秋が最大目標で、今回の大阪杯出走はそのための試金石となる。
昨年は高松宮記念(G1)2着から安田記念に参戦し、アーモンドアイを撃破したグランアレグリア。唯一、アーモンドアイに土をつけた馬として秋の路線が注目されたが、結局はスプリンターズSからマイルCSへと進み、その後の直接対決は叶わなかった。
仮に、昨年グランアレグリアが天皇賞・秋へと出走していたならば……。アーモンドアイの「JRA芝G1・9冠」に大きな壁として立ちはだかっていただろう。
高松宮記念をパスして大阪杯直行を選んだことから、秋のスプリンターズSには出走しない可能性が高い。次走は連覇の懸かる安田記念出走が濃厚と思われるが、大阪杯で好結果を残すようなら秋の天皇賞でも最有力候補となりそうだ。
その後の選択肢には、昨年制したマイルCSや香港C(G1)も予想されるが、天皇賞を楽勝するようならさらに距離の延びるジャパンC参戦も視野に入ってくるかもしれない。
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