JRA国枝栄「ダービーの勝ち方を教えてもらう」金鯱賞(G2)始動キセキの転厩先は名伯楽も羨むダービー馬ゆかり「新進気鋭」厩舎!?
3日、キセキ(牡7歳、栗東・角居勝彦厩舎)が3月1日付で辻野泰之厩舎へ転厩し、金鯱賞(G2)を目指すことが明らかになった。2月いっぱいで角居厩舎が解散することに伴うもので、僚馬のワイドファラオも辻野厩舎へ転厩となる。
昨年の始動戦となった阪神大賞典(G2)はゲートを出る気配が全くなく、大きく出遅れたキセキ。それが響いて単勝1.6倍の圧倒的1番人気を裏切る7着に惨敗した。レース後、角居調教師は「全部ダメ、今後は白紙」とコメント。目標としていた天皇賞・春(G1)に大きな課題となった。
その後、武豊騎手を背にゲート再試験をクリアし、天皇賞・春ではスタートも無事に決めた。だが、1周目のスタンド前で掛かり一気に先頭に躍り出て、最後はスタミナ切れの6着。敗れたとはいえ、最大の課題であるゲートを克服したことは大きな前進だった。
そして、次走の宝塚記念(G1)は追い込んで2着と、完全復活をアピール。浜中俊騎手に乗り替わった京都大賞典(G2)も2着、天皇賞・秋(G1)でも先行策で5着と好走を続け、気性難は解消したかに思われた。
しかし、ジャパンC(G1)は1000m通過が57秒9の暴走ペースで逃げ、有馬記念(G1)では出遅れ。父ルーラーシップ譲りである気の悪さを再び覗かせ始めた。
まさに昨年は角居調教師にとって、キセキの再教育に振り回された年だった。そして現状としては課題が残されたままである。
そんなキセキの転厩先である辻野厩舎だが、多くの方にはあまり聞き馴染みのない厩舎だろう。それもそのはず、3月に新規開業予定の新人調教師なのだ。いきなり“暴れん坊”を任せられるのは不安に思われるが、辻野調教師は適任かもしれない。
現在39歳の辻野調教師は、2006年から角居厩舎で厩務員を務めてきた。つまり、キセキを間近で見てきているだけに、他の調教師よりも馬のことを理解しているはずだ。また、ダービー馬であるウオッカ、ロジャーバローズなどにも携わってきたという輝かしい経歴もある。
調教師試験合格後、美浦の国枝栄厩舎に研修で訪れた際には、最強牝馬アーモンドアイを見学。この時、報道陣に辻野調教師を紹介した国枝調教師は『スポニチ』の取材に「調教助手時代には2頭のダービー馬を手掛けたらしい。私もダービーの勝ち方を教えてもらおうと思っているんだ」と冗談を飛ばしたというエピソードもある。
「海外にも通用する人づくりと馬づくり」をテーマに掲げる角居調教師に憧れ、調教師を志した辻野調教師。師匠である角居調教師が手を焼いたキセキをうまく手のうちに入れることが出来れば、目標に向けて大きな一歩となるだろう。
師匠から受け継いだ名馬の未来がどうなるかは、新人調教師の腕次第となりそうだ。
PICK UP
Ranking
17:30更新- ルメール軍団「誤算続き」で迷走中?使い分けの弊害に一部ファンから疑問の声
- クロワデュノール「世代最強説」に現実味も…ダービー馬候補が未勝利戦より遅い時計の怪
- 武豊×ドウデュース完全包囲網で波乱含み!?豪華メンバーのジャパンCにチェルヴィニア、ブローザホーン、オーギュストロダンら最強メンバー集結。レジェンド元JRA騎手の見解は?
- 「別競技」の高速馬場で欧州最強マイラーの意地見せたチャリン!ジャパンC参戦オーギュストロダン、ゴリアットに朗報?
- C.ルメール「アンラッキー」な過怠金に謝罪…マイルCSでも「牝馬のC.デムーロ」の手綱冴えるか?
- エアスピネル降板に武豊騎手は「何」を思う……8年前、すべてを手にしてきた天才騎手が”最大級”の屈辱を味わった「ウオッカ事件」とは
- 【京都2歳S(G3)展望】藤田晋オーナーの大物エリキングが登場! ジョバンニ、サラコスティがリベンジに燃える
- 【ジャパンC(G1)展望】「ディープ」オーギュストロダンVS「ハーツ」ドウデュース、2005年有馬記念から19年越しの最終決戦!
- 春のG1戦線に水を差す「醜聞」続く…現役騎手の父に詐欺容疑、G1馬オーナーが逮捕
- 「3大始祖」消滅の危機……日本で「2頭」世界で「0.4%」の血を残すべく立ち上がったカタール王族の「行動」に称賛
関連記事
JRAキセキ京都記念(G2)回避、サートゥルナーリア引退……。名門・角居厩舎「引退の花道」はいばらの道も、忘れてはならない最後の「希望」
元JRA細江純子さん有馬記念(G1)キセキ「出遅れ」予言的中! 角居師ラスト有馬記念(G1)もほろ苦い結果…… 前走大暴走から一転「優等生」変身の裏事情
武豊ワールドプレミア「紙一重」の差にガックリ……!? 有馬記念「ラッキー枠」を引き当てたアノ人気薄に激走気配!
キセキ試行錯誤の1年も「武豊不在」が痛恨!? 父ルーラーシップが残した伝説の3連発…… 有馬記念(G1)「逃げ濃厚」も台無しの可能性
有馬記念(G1)キセキのスタートを細江純子さんが「大予言」。バビット単騎逃げを阻むレース展開の「鍵」を握る“暴れん坊”にある予感が……