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JRA角居勝彦師「幻の最強馬」激走も呆然自失!? 関係者でさえ「頭の中が真っ白」「少し複雑」の大誤算…… ダービー2勝の名将がサートゥルナーリアと去る

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 ダービー2勝を挙げた関西の名伯楽・角居勝彦調教師の引退がついに近づいてきた。

 9日、JRAが今月限りで引退する調教師、騎手を発表。定年を迎える調教師が多い中、ただ一人・勇退という形で引退するのが角居師だ。家庭内の事情により家業を継ぐこととなったため、定年を待たずに厩舎を解散することとなった。

 角居師は日本を代表する名伯楽として知られている。2001年に厩舎を開業すると、04年にデルタブルースで菊花賞(G1)を制してG1初勝利。わずか5年目の05年にシーザリオで日米両オークスを制覇した。07年にはウオッカで自身初となるダービー制覇を成し遂げるとともに、牝馬による64年ぶりのダービー優勝も達成したのだ。

 現在でこそアーモンドアイ、グランアレグリアなどの牡馬を圧倒する牝馬は珍しくないが、まだまだ牡馬が圧倒的に優勢だった当時は、競馬界に衝撃的なインパクトを残した快挙でもあった。

 その他にも多数の活躍馬を育てた角居師だが、特に強い思い入れがあるのはシーザリオ一族だった。生まれた産駒の大多数を角居師が管理。これまでエピファネイア、リオンディーズ、サートゥルナーリアらがG1馬となっている。

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 2月で引退する角居師と足並みを揃えるが如く、サートゥルナーリアも現役を引退して種牡馬入り。6歳馬の姉シーリアも引退が決まり、繁殖牝馬となることが濃厚だ。

 そして、ダービーでキズナの2着に敗れた兄エピファネイア、5着に終わったリオンディーズのリベンジを狙うべく、競馬の最高峰といわれる舞台に角居師が送り込んだのがサートゥルナーリアである。

 同馬はデビュー前から高かった評判に応えてホープフルS(G1)を優勝すると、直行した皐月賞(G1)も制してデビューから破竹の4連勝。休み明けを使われさらに良化を期待された。レース前から勝利が既成事実であるかのような状態の良さも報じられ、無敗の5連勝を懸けた日本ダービー(G1)で、単勝1.6倍という圧倒的な支持を受けたのも当然の成り行きだった。

 しかし、主戦のC.ルメール騎手が騎乗停止のため、D.レーン騎手に乗り替わりとなった影響も無関係ではないだろう。スタートで出遅れて後方からの競馬を強いられ、最後の直線を外から追い上げたものの、伸びを欠いて4着と敗れる。

 そんなレースで皮肉にも優勝したのは僚馬のロジャーバローズ。単勝1.6倍の馬で敗れながらも93.1倍の12番人気馬で2勝目のダービーを手にする結果となった。

 まさに「2頭出しは人気薄を狙え」という競馬の格言を体現する結果は角居師ですら想定してなかっただろう。予期せぬ結果に「嬉しいけど少し複雑」と心情を吐露、ロジャーバローズとコンビを組んだ浜中俊騎手は「頭の中が真っ白」と振り返った。

 世代の頂点に立ったロジャーバローズは、凱旋門賞(G1)へ向け調整されていたものの、右前浅屈腱炎を発症していることが判明して現役引退および種牡馬入りが発表された。

 思わぬ形でウオッカに続く2勝目のダービー勝利となった角居師にとっても、残されたシーザリオ一族の今後の活躍は気になっているに違いない。シーザリオはもう19歳と高齢だが、一族は優秀な種牡馬や繁殖牝馬として今後も競馬界を盛り上げていくはずだ。

 ダービー馬が誕生するのもそう遠くない未来かもしれない。

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