GJ > 競馬ニュース > 地方競馬巡る「底なしの闇」の実態とは④
NEW

【特別連載④】JRA戸崎圭太らは「極めて稀有」な成功例……「地獄から這い出すことができた」笠松競馬など小規模地方競馬巡る「底なしの闇」の実態とは

【この記事のキーワード】,

【特別連載④】JRA戸崎圭太は「極めて幸運」な成功例……「地獄から這い出すことができた」笠松競馬など小規模地方競馬巡る「底なしの闇」の実態とはの画像1

 笠松競馬、岐阜県競馬組合は第三者委員会を立ち上げ、馬券購入事件の真相究明を図るという。しかし、この第三者委員会には何も期待できない、と元調教師は肩を落とす。

「利害関係者と思われる弁護士がメンバーに入っているからです。調教師は馬の売買を禁止されているのですが、実際には少なからぬ調教師が売買に関わっています。それも生活のためです。笠松のある調教師が馬売買に関わり、それがトラブルとなった裁判で、この弁護士は調教師の弁護士となっていました。その調教師は既に免許を返上して廃業しましたが、その奥さんが馬券購入の勧進元だったのです」

 とても第三者とは呼べないような弁護士がメンバーとなった第三者委員会は1月22日に発足。すでに1カ月半以上が経っているが、報告の一つも上がってきていない。その間に元調教師1人、騎手3人は書類送検され、立件されるかどうかの瀬戸際に立たされている。

 ホッカイドウ競馬の前例で倣えば、罰金の略式命令、2年間の競馬関与停止あたりが量刑として適当なのだろう。だが、報道によれば笠松で馬券購入に関わっていたのは、廃業した4人だけではなく十数人と伝えられている。

 このうち調教師、騎手が何人いるのかは、第三者委員会が報告を出していない段階では不明だが、たった15人しか在籍してない笠松競馬で更に騎手が関与していたことが明らかになれば、それこそ騎手が足りずに競馬開催ができなくなるという前代未聞の事態も起こり得る。

 笠松競馬を長く取材する地方競馬記者は第三者委員会の苦衷をこう説明する。

「全貌を明らかにすれば、競馬場自体が閉鎖の危機に立たされるかもしれない。真相を明らかにするよりは調教師1人、騎手3人の4人に全てを押し付けて幕を引き、開催再開につなげたいと考えているんじゃないでしょうか? とはいえ、それはなかなか難しいところでしょうね。しかし、報告も出せず、全貌も明らかにできず、この状態が続けば、当然開催再開もできず、このまま立ち枯れてしまう恐れすらあります」

 さて、競馬法で禁止されている競馬関係者の馬券購入は、JRAと地方の交流の拡大で、これまでとは違った局面を迎えている。

 JRAと地方が画然と分かれて競馬を開催していた時代には、JRAの職員を含む関係者は地方で馬券を買うことが許されていた。地方競馬の関係者がJRAの馬券を買うことも同じように許されていた。しかし、JRAと地方の交流が盛んになり、JRAの下級条件馬が地方に出走することが可能になった今、JRA関係者はJRA所属馬が出走するレースの馬券を購入することを禁止された。

 また南関東、ホッカイドウなどの地方競馬では認定外厩制度が採用され、競馬場外の育成牧場でも、条件を満たす大手育成牧場は競走馬の調教をつけて各競馬場に送り出す事が可能となっている。となると、外厩認定された牧場で調教をつけるライダー、厩務員も競馬場内の調教師、騎手、厩務員とおなじく競馬関係者、“エッセンシャルワーカー”とカウントされ、馬券購入は禁止されている。

 JRA・地方競馬の交流拡大、そして認定外厩制度が立ち上がって、競馬関係者、“エッセンシャルワーカー”はこれまで以上に拡大している。

【特別連載④】JRA戸崎圭太らは「極めて稀有」な成功例……「地獄から這い出すことができた」笠松競馬など小規模地方競馬巡る「底なしの闇」の実態とはのページです。GJは、競馬、, の最新ニュースをファンにいち早くお届けします。ギャンブルの本質に切り込むならGJへ!

Ranking

23:30更新
  • 競馬
  • 総合
  1. 【阪神JF】リバティアイランド、アスコリピチェーノ、ソダシを超える逸材!? 2歳女王決定戦で買うべき“大物馬主”推奨の2頭
  2. 【香港C(G1)展望】絶対王者ロマンチックウォリアーVS逆襲の女王リバティアイランド! ダービー馬タスティエーラ完全復活なるか
  3. 【阪神JF(G1)展望】L.デットーリ×米国2歳女王メイデイレディが日本襲来! フォーエバーヤング妹など日本の女王候補が迎撃
  4. 武豊「来年が楽しみ」ヤマニンウルス不在でも大健闘…フォーエバーヤング擁する世代レベルの高さも証明
  5. ミホノブルボンvsライスシャワー連想させた「100分の1」の攻防!同一馬によるワンツースリーは平地競走史上初
  6. 【香港マイル(G1)展望】3歳マイル王ジャンタルマンタルが待望の戦線復帰! 悲願達成のソウルラッシュと世界制覇に挑む
  7. 武豊「非常識な最高速」でチェルヴィニア置き去り…他馬を凌駕する切れにC.ルメール「ドウデュースと同じ走りは出来ない」
  8. JRA福永祐一ケイティブレイブ「西日で負けた」はサービス精神!?「面白いんじゃないかと……」ネットを炎上させた”言い訳”の真意
  9. ジャパンCでも天皇賞・秋でも下馬評覆す4歳馬の好走…「最弱世代」の汚名返上着々、出遅れて逃げてもダービー馬に先着の逸材が待望の復帰
  10. ハーツクライ産駒でも走りはディープインパクト?有馬記念に潜むファンの夢と希望とロマンと甘い罠