JRA「蚊帳の外」M.デムーロもがっくり!? 大阪杯「単勝68.8倍」モズベッロ2着激走にレイパパレと逃げて良し、コントレイルと捲って良しだった「あの馬」の存在
4日、阪神競馬場で行われた大阪杯(G1)は、4番人気のレイパパレ(牝4歳、栗東・高野友和厩舎)が4馬身差で圧勝。デビューから6連勝を飾り、無敗のG1馬に輝いた。
前年の三冠馬コントレイルに加え、最優秀短距離馬のグランアレグリア、世代No.2との呼び声も高いサリオスら3強が激突した一戦。戦前には「この春で最も堅いG1」という声もあったが、終わってみれば三連単は10万馬券を記録した。
その立役者となったのが、6番人気で2着に健闘したモズベッロ(牡5歳、栗東・森田直行厩舎)だ。
6番人気とはいえ、単勝68.8倍だったモズベッロ。昨年の宝塚記念(G1)で3着した強豪だが、ここ3走は15着→5着→8着と今回のメンバーに入って見劣ることは否めなかった。
しかし、レースでは鞍上の池添謙一騎手が「いいリズムでコントレイルの後ろから進められた」と振り返った通り、中団から早めの進出を開始したコントレイルを徹底マーク。4コーナーで三冠馬の後ろにつけると、脚が上がったところを一気に強襲して競り落とした。
「さすがに今日のレイパパレには及びませんでしたが、池添騎手らしい勝負騎乗でしたね。早めに前に取り付いたコントレイルについて行きましたが、誰もが離されずに行きたくなるところを池添騎手はあえて一呼吸、仕掛けを遅らせるシーンも。結果的に、このワンテンポの遅れが最後の伸びを生んだと思います。
勝たなければならなかったコントレイルの福永祐一騎手、あくまで挑戦者だったモズベッロの池添騎手。着差は3/4馬身でしたが、2、3着の明暗を分かったのは、お互いの『立場』だったと思います」(競馬記者)
池添騎手も見事だったが、レース後に「馬場も味方した」と話した通り、好走の要因は雨の影響で重い馬場だったことが大きなポイントとして挙げられる。12番人気ながら3着に激走した昨年の宝塚記念と酷似する状況になっていたことは紛れもない事実だろう。
しかし、そうなってくると惜しまれるのが「あの馬」の不在だ。
「復活を目指しして奮闘中のキセキ(牡7歳、栗東・辻野泰之厩舎)ですね。昨年の宝塚記念で3着したモズベッロですが、その5馬身前を走っていたのが2着のキセキでした。このレースを勝ったクロノジェネシスがドバイに遠征していたこともあって、もし出走できていれば大きなチャンスだったかもしれません」(別の記者)
実際にキセキは大阪杯の前哨戦となる金鯱賞(G2)に出走しており、今回の大阪杯にも登録していた。しかし、香港のクイーンエリザベス2世C(G1)に招待されたことで、陣営が海外に矛先を向けた経緯がある。
「一昨年の宝塚記念や昨年のジャパンC(G1)で見せたような『逃げ』で、レイパパレと競り合ってもよかったですし、昨年の宝塚記念で見せたような後方からの『捲り』で、コントレイルやモズベッロと一緒に上がって行っても面白い競馬になったのではないでしょうか。
この日は結局中山で騎乗していましたが、前走キセキに騎乗したM.デムーロ騎手も昨日、久々に重賞(ダービー卿チャレンジT(G3))を勝って調子を上げていましたからね。もちろん、今回の馬場のようなコンディションになることが予測できない以上、なかなか難しい話ではありますが」(同)
歴史的な不良馬場だった2017年の菊花賞(G1)を勝って以来、もう3年半以上も勝利から遠ざかっているキセキ。異国の地で勝利を挙げて、大阪杯回避の溜飲を下げられるか。相手はレイパパレと同じ4歳牝馬の女王デアリングタクトになることが濃厚だ。
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