JRA M.デムーロ「大復活」もG1騎乗は不透明!? 超新星テルツェットで約1年ぶり「重賞勝利」にファン歓喜も厳しい現実
不遇のM.デムーロ騎手にとって、待望の「春」が開幕した。
3日、中山競馬場で行われたダービー卿チャレンジT(G3)は、3番人気のテルツェット(牝4歳、美浦・和田正一郎厩舎)が勝利。遅れてきた大物4歳馬が、4連勝で一気に重賞制覇を決めた。
「ドーモー! こんにちは!」
開口一番、そう勝利騎手インタビューに現れたデムーロ騎手にとっては、昨年5月のNHKマイルC(G1)以来となる重賞制覇。「とっても気持ちいいです!」と素直に喜びを爆発させた。
ドバイで騎乗した戸崎圭太騎手が自主隔離中のため巡ってきたチャンスだったが「初めて乗りましたけど、前のレースを見て勉強していた」と気合十分で臨んだ一戦。道中後方から早めの進出を開始すると「(レース中も)ずっと信じていました。思った通り、いい瞬発力でした」との言葉通り、最後の直線では鋭く外から突き抜けた。
「デムーロ騎手らしいパワフルな騎乗でしたね。これまで東京や新潟といった直線の長い競馬場で3連勝していたテルツェットですが、この日は中山ということもあって、早めに動く積極的な競馬。後ろにいた2着カテドラルもよく追い上げましたし、結果的には勝ちに行ったデムーロ騎手の好判断が明暗を分けたと思います。
長く重賞勝利から離れていたデムーロ騎手にとっては、これがJRA通算1100勝の節目。重賞で飾るところがデムーロ騎手らしいですし、春のG1シーズンで完全復活を見せてほしいですね」(競馬記者)
2017年にはG1・6勝を含む重賞18勝を挙げるなど、大舞台で面白いように勝ちまくっていたデムーロ騎手だが、2019年に重賞3勝に終わると、昨年5月のNHKマイルCが最後の重賞勝利。ここ最近も金鯱賞(G2)のキセキや、高松宮記念(G1)のラウダシオンら期待馬で連敗するなど、かつての存在感を失いつつあった。
勝てない騎手から有力馬が離れていくのは、デムーロ騎手に限ったことではない。今年になってオークス馬ラヴズオンリーユーの主戦降板となったことは記憶に新しいところ。重賞レースの1番人気の騎乗も、昨年10月の府中牝馬S(G2)が最後だ。
だが、ここに来て低迷するデムーロ騎手に追い風が吹こうとしている。
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