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JRA横山武史「最高です」エフフォーリア無傷4連勝で皐月賞(G1)制覇! 数字以上に目を引いた若武者のパートナーへの絶大な信頼

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横山武史騎手 撮影:Ruriko.I

 18日、中山競馬場で行われたクラシック第1弾・皐月賞(G1)は、横山武史騎手のエフフォーリア(牡3、美浦・鹿戸雄一厩舎)が優勝。デビュー5年目で初G1勝利となった横山武騎手は、セイウンスカイで98年に同レースを制した父・横山典弘騎手と親子制覇も成し遂げた。

「最高です。人気もあってプレッシャーがすごかったけど、自分が持てる技術を発揮して『この馬の能力を出せれば勝てる』と思っていた」

 横山武騎手がそう振り返った通り、22歳の若武者とは思えないほど冷静な手綱捌きを見せた。

 皐月賞でもゴール後に馬上で左手の人差し指を突き出し、大きくガッツポーズ。パートナーの首元をポンと叩いて労うと感無量の表情を浮かべた。

「デビューから乗せ続けてもらった馬、色々な思いがあって……」

 快勝した前走の共同通信杯(G3)でも思わずガッツポーズが出た横山武史騎手。待望のG1勝利がクラシックの大舞台ということもあって感慨もひとしおだったに違いない。

 16頭立てで行われた芝2000mのレース。ワールドリバイバルが先手を主張し、タイトルホルダーが2番手につける展開。3番手から積極策を採った1番人気ダノンザキッドを見る形でエフフォーリアはインの4番手から追走する。途中、レッドベルオーブ、アサマノイタズラが外からポジションを押し上げ、1000m通過は60秒3の淀みない流れとなった。

 3コーナーを過ぎて徐々にペースを上げていくタイトルホルダー。最後の直線で激しくムチが入るダノンザキッドに対し、エフフォーリアは抜群の手応えでタイトルホルダーの内をすくう。一気に加速すると3馬身の差をつけて悠々とゴール板を駆け抜けた。

 手応えにはまだ余裕すら感じられる圧勝劇で、デビューから無傷の4連勝で皐月賞馬に輝いた。

「1頭だけモノが違った走りでしたが、横山武史騎手の好騎乗も光る内容です。周りの動きに左右されず、パートナーの力を信じた強気の積極策。『自分の馬が一番強いんだ』という思いが伝わってくるポジション取りでしたし、内からロスなく抜け出すコース取りも、エフフォーリアの強さを際立たせたともいえそうです。

懸念された初コースの中山でしたが何も問題ありませんでした。次は共同通信杯を楽勝した東京のダービーですから、2冠はほぼ『当確』かもしれません。それほどインパクトの強い勝利でした」(競馬記者)

 父の横山典騎手と同じくデビュー5年目でG1勝利を挙げた横山武騎手。人差し指を突き出したのは、次走の日本ダービー(G1)も意識してのことだろう。

 ダービーを制すれば、昨年のコントレイルに続く無敗のダービー馬、その先には2年連続の三冠馬誕生も見えて来る。

 5月30日、東京競馬場で行われる芝2400mの晴れ舞台。横山武騎手の立てた指が2本になるようなら、競馬界にとって新時代到来を告げることになるのかもしれない。

(文=高城陽)

<著者プロフィール>
 大手新聞社勤務を経て、競馬雑誌に寄稿するなどフリーで活動。縁あって編集部所属のライターに。週末だけを楽しみに生きている競馬優先主義。好きな馬は1992年の二冠馬ミホノブルボン。馬券は単複派で人気薄の逃げ馬から穴馬券を狙うのが好き。脚を余して負けるよりは直線で「そのまま!」と叫びたい。

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