
JRA 武豊とトウカイテイオー「数奇なドラマ」の交差。皐月賞(G1)最有力エフフォーリアとの「共通点」は稀に見る柔軟性

「成長力と柔軟性だと思います」
14日、競馬大手ポータルサイト『netkeiba.com』の人気インタビュー企画『G1 ドキュメント』に登場した横山武史騎手は、主戦を務めるエフフォーリア(牡3歳、美浦・鹿戸雄一厩舎)の「最大の武器は?」という質問に、そう答えている。
「僕が知る限り、柔軟性のある馬ってなかなかいないので。あの体付きで柔軟性があるのは、すごく大きいと思いますね」
詳細はぜひ本インタビューを見ていただきたいが、競走馬にとって重要な要素の1つに挙げられる柔軟性。「柔らかい走りをする」などと表現されることも多いが、昨年他界した7冠馬ディープインパクトは、現役時代にその類稀なる柔軟性が度々話題になっていたと記憶している。
ディープインパクトといえば無敗の三冠馬、つまりは今週のエフフォーリアと同じく無敗のまま皐月賞(G1)に挑んだ名馬だが、1991年の皐月賞馬トウカイテイオーもまた無敗でクラシック第1戦に挑み、ライバルたちを圧倒した歴史的名馬である。
昨年、史上最年少で関東リーディングに輝き、エフフォーリアの共同通信杯(G3)が2度目の重賞制覇となった若き横山武史騎手は、先週まででJRA通算217勝を挙げている。
一方で、先述したディープインパクトの主戦として知られる武豊騎手は、重賞勝利だけでJRA通算344勝という稀代のレジェンドだ。
しかし、そんな天才騎手にも当然、重賞初勝利という瞬間があった。1987年の京都大賞典(G2)だ。オークス馬トウカイローマンを勝利に導き、武豊の名をさらに知らしめた一戦だが、この勝利にはある「数奇なドラマ」が交差している。
トウカイローマンはオークス勝利後、2年も勝ち星から見放されるなど不振に苦しんでいた。6歳(旧7歳)を迎えたこの年「結果が出なければ引退して繁殖入り」と言われていた女王だが、引退寸前だった春の新潟大賞典(G3)で2着に好走。現役続行へ、首の皮一枚つながったといった状況だった。
つまり、トウカイローマンがこの新潟大賞典を好走していなければ、その約半年後に達成される若き天才騎手の重賞初勝利もなかったということになるのだ。
ただ、話はそれだけで終わらない。
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