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JRA グランアレグリアには「権利なし」……。ヴィクトリアマイル(G1)ウオッカから続く名牝への扉を開けるのは「あの馬」のみ!?

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 春のG1・6連戦も中盤に入り、16日は東京競馬場でヴィクトリアマイル(G1)が行われる。

 昨年の春秋マイルG1連覇を達成したグランアレグリアが今年も出走予定。昨年はJRA芝G1最多となる9勝を挙げ年度代表馬となったアーモンドアイが勝利したように、牝馬限定戦とはいえ軽視できない重要なレースである。

 過去にも、牝馬三冠を達成したアパパネ、天皇賞・秋(G1)やジャパンC(G1)を制し牡馬と互角に渡り合ったブエナビスタなど数たる名牝を輩出。2009年にこのレースを優勝したウオッカもまた、歴史に名を残す1頭だろう。

 デビュー戦では佐賀の鮫島克也騎手が騎乗し、3馬身半差で圧勝を飾ったウオッカ。四位洋文騎手(現・調教師)に乗り替わった2戦目の黄菊賞(1勝クラス)は2着に惜敗したが、続く阪神JF(G1)でアストンマーチャンを破って2歳女王に輝いた。

 翌年、桜花賞(G1)ではダイワスカーレットに惜しくも敗れたが、3着カタマチボタンには3馬身半差と改めて力を証明したウオッカ。その後は牝馬限定のオークス(G1)には向かわず日本ダービー(G1)に出走し、これを制すると牝馬として64年ぶりとなる史上3頭目の快挙を成し遂げている。

 初の海外遠征となったドバイデューティーフリー(G1)では、デビュー2戦目から手綱を執り続けた四位騎手に替わり武豊騎手が騎乗。レースでは外目を追走すると、直線でもしぶとく食い下がり牡馬の一線級相手に4着と健闘した。

 帰国後は、桜花賞(G1)以来の1600m戦であるヴィクトリアマイルに出走し、これを2着と健闘するとマイラーとしての素質が開花。同コースの安田記念(G1)では日本ダービー以来、約1年ぶりの勝利を飾っている。

 完全に息を吹き返したウオッカは、同年の天皇賞・秋(G1)も制覇。翌年のヴィクトリアマイルでは、2着に7馬身差をつける圧勝劇でファンを沸かせた。

 ヴィクトリアマイルは、過去にストレイトガール、ヴィルシーナが連覇するなどリピーターが多数。高速決着での極端な適性を問われるからか、馬券圏内という意味では2008年のウオッカに始まり7頭が2年以上連続での好走を見せている。

ウオッカ 2着→1着(08年~09年)
ブエナビスタ 1着→2着(10年~11年)
ホエールキャプチャ 1着→2着(12年~13年)
ヴィルシーナ 1着→1着(13年~14年)
ストレイトガール 3着→1着→1着(14年~16年)
ジュールポレール 3着→1着(17年~18年)
ノームコア 1着→3着(19年~20年)

 因みに、昨年の1着から3着は、アーモンドアイ、サウンドキアラ、ノームコアの3頭。今年も継続して出走するのは、サウンドキアラのみだ。

 はたして昨年2着だったサウンドキアラは、ウオッカのように歴史的名牝の扉を開けるのか――。成長した姿に期待したいところだ。

(文=北野なるはや)

<著者プロフィール>
 某競走馬育成牧場で働いた後、様々なジャンルの仕事で競馬関連会社を転々とする。その後、好きが高じて趣味でプログラミングを学習。馬券には一切のロマンを挟まないデータ派であるが、POG(ペーパーオーナーゲーム)では馬体派という奇妙な一面も持つ。

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