
元JRA調教師・角居勝彦氏もサトノレイナスのダービー制覇に太鼓判!? ウオッカ以来の偉業達成に求められる条件とは

30日、東京競馬場で開催される、第88回日本ダービー(G1)。
桜花賞(G1)では惜しくもソダシのクビ差2着だったサトノレイナス(牝3歳、美浦・国枝栄厩舎)。2014年のレッドリヴェール以来、7年ぶりとなる牝馬でのダービー挑戦を決めたことで、大いに注目を集めている。
管理する国枝調教師は、意外にも牡馬クラシック未勝利。オーナーのサトミホースカンパニーも、ダービーはサトノダイヤモンド、サトノラーゼンの2着が最高着順だ。サトノレイナスには陣営の悲願も懸かっている。
過去87回の歴史を誇るダービーの中でも、牝馬の優勝馬はヒサトモ、クリフジ、ウオッカの3頭のみ。2007年に勝利したウオッカ以来、14年ぶりとなる史上4頭目の快挙に向けて、ダービーへと臨む。
牝馬相手のオークス(G1)ではなく、あえてダービーにぶつけてきた陣営の勝算はいかほどだろうか。
これについて、ウオッカを管理していた元JRAの調教師・角居勝彦氏はサトノレイナスを「ダービーを勝つ可能性のある馬」であると、『デイリースポーツ』のインタビューで答えている。
角居氏は現役時代に前述のウオッカ、2019年のロジャーバローズでダービーを2勝。家庭内の事情とはいえ、56歳の若さで調教師を勇退したことは惜しまれる。
自身の管理馬ウオッカ以来のダービー制覇を目指すサトノレイナスについて、角居氏は、「軽くて切れる脚が使える。エフフォーリアも無敗で強い馬だが、サトノレイナスはダービーを勝つ可能性のある馬だと思う」と話している。どうやら14年ぶりの快挙達成も十分にあり得ると見ているようだ。
また角居氏は、最近の牝馬の活躍について、「日本の競馬は切れが求められる。牝馬は骨量が軽い分、切れや軽い走りにつながる。だから日本の高速競馬が牝馬に向いているのかなと思う」ともコメントしている。
「サトノレイナスは桜花賞でソダシに敗れはしましたが、上がり3ハロン32.9秒はメンバー中トップの数字でした。また、ここまでのキャリア4戦中の3戦で上がり最速を記録しています。まさに角居氏の言う、“日本の高速競馬に向いている、切れがあり軽い走りをする牝馬”にピタリと当てはまっているように思われます」(競馬記者)
思えばウオッカも桜花賞ではサトノレイナスと同じく2着に敗れていたものの、ダービーでは極上の切れ味を披露、17頭の牡馬を豪快になで切っていた。ディープインパクト産駒であるサトノレイナスは、あるいはウオッカ以上の切れが備わっているかもしれないだけに、14年前の再現も十分に可能だろう。
G1レースは映像を見て、回顧も行っているという角居氏。国内外でG1・38勝を挙げた名伯楽も唸るような走りを、ぜひサトノレイナスには期待したいところだ。
(文=冨樫某)
<著者プロフィール>
キョウエイマーチが勝った桜花賞から競馬を見始める。まわりが学生生活をエンジョイする中、中央競馬ワイド中継と共に青春を過ごす。尊敬する競馬評論家はもちろん柏木集保氏。以前はネット中毒だったが、一回りして今はガラケーを愛用中。馬券は中穴の単勝がメイン、たまにWIN5にも手を出す。
PICK UP
Ranking
5:30更新「シャフリヤールの激走はわかっていた」本物だけが知る有馬記念裏事情。そして“金杯”で再現される波乱の結末とは?
宝塚記念(G1)団野大成「謎降板」に関西若手のエースが関係!? 武豊の不可解な登場と突然のフリー発表…関係者を激怒させた「素行不良」の舞台裏
浜中俊「哀愁」の1年。かつての相棒ソウルラッシュ、ナムラクレアが乗り替わりで結果…2025年「希望の光」は世代屈指の快速馬か
- 皐月賞(G1)クロワデュノール「1強」に待った!? 「強さが証明された」川田将雅も絶賛した3戦3勝馬
- 武豊やC.ルメールでさえ「NGリスト」の個性派オーナーが存在感…お気に入りはG1前に「無念の降板」告げた若手騎手、過去に複数の関係者と行き違いも?
- 未勝利ルーキーが「深刻理由」で乗鞍激減!?度重なる失態に師匠からはお灸、エージェントも契約解除の大ピンチ
- JRA「出禁」になったO.ペリエ「税金未払い」騒動!? L.デットーリ「コカイン使用」K.デザーモ「アルコール依存症」過去の”外国人騎手トラブル”に呆然……
- 【阪神C(G2)展望】武豊“マジック”でナムラクレア、ママコチャを破った重賞馬が待望の復帰戦! 短距離界の有馬記念に豪華メンバーが集結
- 「世代最強候補」クロワデュノールは本物なのか?ホープフルSで下馬評を覆す最強刺客
- 天才の息子・福永祐一は何故「天才」と呼ばれないのか? 「漁夫の利」に集約されたシュヴァルグランでの「決意」に落胆
関連記事
東京優駿(G1)エフフォーリアにまさかの黄色信号!? 3馬身差“圧勝”皐月賞(G1)に隠された“ダービー凡走”の前兆
トウカイテイオーでの制覇から「30年」無念の降板で失われた東京優駿(G1)との縁!? ダノンザキッドの安田隆行調教師がジョッキー時代に味わった苦い思い出
東京優駿(G1)で「天国と地獄」を味わった2頭の明暗!? 武豊のダービー初勝利を阻んだフサイチコンコルド、「単勝1.6倍」でウオッカの引き立て役になった悲劇
エフフォーリアに流れる「ダービーを勝てない」血の宿命!? ソダシ完敗の悪い流れを断ち切れるか、東京優駿(G1)「三冠馬の法則」がコントレイルに続く無敗戴冠を後押し
歴代ダービーオーナーたちの「強運」ぶりに驚嘆!「一国の宰相になるより難しい」といわれる東京優駿制覇の豪快エピソード