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横山武史「ジョッキーカメラ」はなぜ非公開だったのか? 鬼気迫る川田将雅の大声にビックリも…ナミュール降板で「屈辱」味わった男が迎える正念場

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横山武史「ジョッキーカメラ」はなぜ非公開だったのか? 鬼気迫る川田将雅の大声にビックリも…ナミュール降板で「屈辱」味わった男が迎える正念場の画像1
ドゥレッツァ 撮影:Ruriko.I

 先週末の22日に行われた菊花賞(G1)は、大外発走から意表を突く逃げの手に出たC.ルメール騎手の奇策がハマったドゥレッツァが、2着タスティエーラに3馬身半の差をつけて圧勝。3着にソールオリエンスが入り、春の二冠を分け合ったダービー馬と皐月賞馬の2頭は遅れてきた最強馬の前に敗れ去った。

 8枠17番からの発走とあって、淀の3000mで外々を走らされる距離のロスを懸念したばかりに、枠順発表後に評価を下げてしまったファンもいたのではないか。

 ただスタートしてすぐに迎える1周目の3コーナーでそのままハナを取り切ったルメール騎手は、パートナーの力を120%出し切った好判断だったといえよう。ゲートの出が悪くなかったとはいえ、スタート直後に前に行っていたパクスオトマニカやリビアングラスは加速を続けており、ドゥレッツァの前にはペース判断に定評のある武豊騎手のファントムシーフもいた。

 普通の騎手なら一旦様子を窺うタイミングだったかもしれないが、手綱を緩めなかったルメール騎手は大胆な作戦で最短距離を走れる最内へと潜り込むことに成功した。レース回顧ではないため、この場で詳細には触れないが、急流から緩んだ後に激流と激変した展開を自ら演出したルメールマジックに、度肝を抜かれた関係者やファンも少なくなかったはずである。

 一般的に「馬が7割、騎手が3割」といわれる競馬だが、今年の菊花賞に限っては「馬が5割、騎手が5割」に匹敵する衝撃をファンに与えた可能性すらあるだろう。

 そうなると、次の興味は今年に入ってJRAがレース後に「YouTube」で公開しているジョッキーカメラの存在だ。

 まだ出走馬全頭に装着というわけにはいかないようで、上位人気に支持された馬が対象となるケースが殆ど。残念ながら映像を見たい人が最も多かったと考えられるドゥレッツァについては、4番人気だったこともあってか公開はなし。

 その代わりに2番人気で2着に入ったタスティエーラのJ.モレイラ騎手、3番人気で10着に敗れたサトノグランツの川田将雅騎手のジョッキーカメラが公開。道中で少し斜行しそうになったモレイラ騎手に対し、川田騎手が大声で「オイ!」と声を荒らげるシーンも収録されていたが、これは危ないよという意味合いが強かったと思われ、いつぞやの阪急杯(G3)で川田騎手と思しき「ユーイチ!」という怒声とは一線を画するものだろう。

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横山武史騎手 撮影:Ruriko.I

横山武史騎手「ジョッキーカメラ」はなぜ非公開だったのか?

 しかし、不思議に感じたのは2番人気と3番人気の騎手が公開されたのに対し、ソールオリエンスに騎乗していた横山武史騎手のジョッキーカメラの映像が見当たらなかったことである。

 1番人気の支持を集め、最も注目度の高い人馬だったにもかかわらず、なぜ公開に至らなかったのだろうか。

「ソールオリエンスの人気を考えると、おそらくジョッキーカメラを装着していた可能性が高いとは思います。JRAもわざわざ1番人気をハズしてまで2番人気と3番人気の公開はやらないでしょう。

それでも公開されなかった理由としては、おそらく何かしらの事情があったと考えるしかなさそうです。馬が喋ることはないですから、もしかしたら横山武騎手が拒否していたり、レース中で発した言葉にJRAが躊躇した可能性もありそうですね。といっても憶測の域は出ませんが……」(競馬記者)

 そこで思い当たるのが、日本ダービー(G1)でもジョッキーカメラの公開がされていなかったことである。

 確かに勝ち馬は4番人気タスティエーラ、2番人気スキルヴィングがレース中に故障する痛ましいアクシデントがあったとはいえ、大本命に推されたソールオリエンスは当時無敗の二冠がかかっていた注目馬だった。結局、その後も公開されないままお蔵入りとなった状況が続いている。

 かといって皐月賞(G1)を勝利した際には、「さすがやおまえ」「やったー!よっしゃー!!!」と歓喜の雄叫びを上げるシーンも公開されていただけに、1番人気に支持された日本ダービー、菊花賞でいずれも非公開だったのは残念な限り。

 また、横山武騎手は菊花賞前日の富士S(G2)でも屈辱を味わっていた。1番人気に応えてレースを快勝したナミュールは、新たにコンビを結成したモレイラ騎手が勝利に導いた馬だが、横山武騎手は8戦連続で手綱を任されていた実力馬でもあった。

 ヴィクトリアマイル(G1)では外から内に切れ込んだソダシから不利を受け、巻き返しを期した安田記念(G1)でも落馬寸前の不利を受けて不完全燃焼。本来ならリベンジに燃える富士Sだったはずだが、乗り替わった初騎乗の外国人騎手にあっさり勝たれたのでは立つ瀬がない。

 ソールオリエンスに騎乗したセントライト記念(G2)では、レース中に受けた不利に怒り心頭といった感じでメディアへのコメントを拒否。手塚貴久調教師が代打を務める一件もあった。

 勢いを取り戻すためにも、ジャスティンパレスと挑む今週末の天皇賞・秋(G1)は横山武騎手にとって正念場といえる一戦となるだろう。イクイノックスやドウデュースをはじめ、強力なライバルが多数出走を予定しているが、ここらで若武者の意地を見せることができるだろうか。

黒井零

黒井零

1993年有馬記念トウカイテイオー奇跡の復活に感動し、競馬にハマってはや30年近く。主な活動はSNSでのデータ分析と競馬に関する情報の発信。専門はWIN5で2011年の初回から皆勤で攻略に挑んでいる。得意としているのは独自の予想理論で穴馬を狙い撃つスタイル。危険な人気馬探しに余念がない著者が目指すのはWIN5長者。

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