
JRAまるで「消化試合」の大誤算!? クロノジェネシスVSレイパパレ激突も…… 史上最高から平常運転に転落した宝塚記念(G1)に拭えぬガッカリ感
27日、阪神競馬場では夏のグランプリレース・宝塚記念(G1)が開催される。前期競馬を締めくくる最後のG1ともあって、心待ちにしているファンも多いだろう。
だが、有馬記念(G1)と同じくグランプリを称する宝塚記念には、1年の総決算的な意味合いもある暮れの大一番に比して、もうひとつ盛り上がりを欠く傾向がある。
その大きな理由として考えられるのは、開催時期が6月下旬というデメリットだ。
古馬の一線級と3歳トップクラスが、世代を超えて激突するのは有馬記念と同じだが、有馬記念とは違って非常にレアケース。2003年には二冠を制したネオユニヴァース、07年のダービー馬ウオッカが挑戦したものの、古馬の壁に跳ね返された。春の大目標とするクラシックを終えた3歳馬が、あえてもう1戦挟んで古馬に挑むメリットは、ほぼないに等しい。
そのような背景もあった中、今年は例年になく豪華なメンバーが集まりそうだった。
デビューから無敗の6連勝で大阪杯(G1)を制したレイパパレをはじめ、昨年の三冠を無敗で制したコントレイル、デアリングタクトがともに参戦を表明。さらにはラヴズオンリーユー、昨年のグランプリを連覇したクロノジェネシスも出走を発表していた。
例年だとまるで消化試合のような宝塚記念が、一転して有馬記念以上にも感じられた“朗報”に、競馬ファンの多くが色めき立ったのは当然の成り行きかもしれない。
ところが、そんなファンの期待とは裏腹に次々と“悲報”が舞い込んでしまった。
出走していれば最大の目玉となったコントレイルは、大阪杯の疲れが抜けないという理由で回避が決定。クイーンエリザベス2世C(G1)を優勝したラヴズオンリーユーは脚元に不安が出たため、同レース3着のデアリングタクトは右前肢繋靱帯炎を発症して戦線を離脱した。
あれだけ盛り上がった出走予定馬の顔触れも結局、クロノジェネシスVSレイパパレの構図に落ち着いたのは、“平常運転”の宝塚記念といった印象だ。
「ハイレベルなメンバーが集まったことで、宝塚記念史上最高の一戦になるのではないかといわれていましたが残念です。大阪杯のG1昇格で手薄になると危惧されていましたが、終わってみればといった感想です。
ただ、結果的にアクシデントによる回避でしたから、グランプリレースとしての存在意義を問われるまでの危機的状況ではなかったように思います。大阪杯は重馬場が味方したと見られているレイパパレとクロノジェネシスの激突は面白そうですよ」(競馬記者)
阪神競馬場キャンペーンの公式Twitter(@HanshinKeiba_cp)では、「#夢の宝塚記念2021」のハッシュタグをつけて歴代優勝馬のあなたの推し馬を教えてと、競馬ファンからの投稿を募集している宝塚記念。
JRAとしても、有力馬の相次ぐ回避は思わぬ誤算となってしまったが、前期最後のG1に相応しい熱戦が繰り広げられることに期待したい。
(文=高城陽)
<著者プロフィール>
大手新聞社勤務を経て、競馬雑誌に寄稿するなどフリーで活動。縁あって編集部所属のライターに。週末だけを楽しみに生きている競馬優先主義。好きな馬は1992年の二冠馬ミホノブルボン。馬券は単複派で人気薄の逃げ馬から穴馬券を狙うのが好き。脚を余して負けるよりは直線で「そのまま!」と叫びたい。
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