JRA宝塚記念(G1)レイパパレの「不安」が川田将雅を直撃!? 伏兵ユニコーンライオンにも返り討ち、圧勝した大阪杯(G1)との決定的な違いとは

27日、阪神競馬場で行われた夏のグランプリ・宝塚記念(G1)は、C.ルメール騎手の騎乗したクロノジェネシスが1番人気に応えて快勝。同馬は昨年の宝塚記念、有馬記念(G1)に続いてグランプリレース3連覇を達成した。
主戦を任されていた北村友一騎手の落馬負傷により、ルメール騎手は初コンビ。乗り替わりを懸念する声も出たが、一発回答で朗報を届けることに成功した。
その一方、レース前の下馬評でクロノジェネシスと一騎打ちになるのではないかと見られていたレイパパレ(牝4、栗東・高野友和厩舎)は3着に敗退。逃げたユニコーンライオンにもクビ差の後れを取る完敗を喫した。
レイパパレの名を一躍有名にしたのは、現役トップクラスのコントレイル、グランアレグリアらの強敵相手に制した4月の大阪杯(G1)だ。それもデビューから無傷の6連勝で2着モズベッロに4馬身差の大楽勝だった。
ただ、重馬場で行われたレースで抜群の「重適性」が目立った。それだけに、満場一致で実力を認められるには、良馬場でも結果を残すことが求められていた。レイパパレ陣営にとって、フロック視をする声を封印するためにも、クロノジェネシスは絶好の相手だったに違いない。

「いい形で競馬を迎えられて、(2走前の)チャレンジC(G3)に比べると、はるかに我慢しながら、レースを進めていました」
川田将雅騎手がそう振り返った通り、レイパパレは自らハナを奪う積極策に出た大阪杯とは異なり、ユニコーンライオンを先に行かせて2番手に控える競馬。「はるかに我慢」という言葉通り、行きたがる姿もあった。
では、川田騎手はなぜ今回控える競馬を選択したのか。大きく関係しそうなのが、最後の直線だろう。
一旦はユニコーンライオンに並び掛け、先頭に立つシーンがあったものの、レイパパレに大阪杯で見せた伸びがない。力なくクロノジェネシスに交わされると、逆に一度は交わしたはずのユニコーンライオンに差し返され、連対を確保することも出来ずに3着に終わってしまった。
「目標にされるのを嫌ってか、1F延びる距離への懸念が伝わるような騎乗でした。マイルでデビューしたように、元々が距離延長に不安のないタイプでもありません。大阪杯ではライバルが重馬場を苦にしましたが、レイパパレには恩恵が大きかったことが圧勝に繋がりました。
ですが、今回は良馬場での競馬。ユニコーンライオンの坂井瑠星騎手が早めに仕掛けてロングスパートに持ち込んだことで、スタミナ面の不安が露呈してしまったようです」(競馬記者)
勿論、春の天皇賞(G1)で3着に入ったカレンブーケドールや菊花賞馬のキセキに先着したように、2200mの距離に一定の目処が立ったことは確かである。そういう意味では収穫のある敗戦だったといえるのではないか。
この敗戦を糧にして、秋の巻き返しに期待したい。
(文=高城陽)
<著者プロフィール>
大手新聞社勤務を経て、競馬雑誌に寄稿するなどフリーで活動。縁あって編集部所属のライターに。週末だけを楽しみに生きている競馬優先主義。好きな馬は1992年の二冠馬ミホノブルボン。馬券は単複派で人気薄の逃げ馬から穴馬券を狙うのが好き。脚を余して負けるよりは直線で「そのまま!」と叫びたい。
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