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JRAの20歳騎手が「直線1000mの常識」に一石! アンカツ「立役者は菅原明」1番人気9年連続連対「最も堅い夏重賞」アイビスサマーダッシュ(G3)に新風

JRA「20歳騎手」が千直の常識に一石! アンカツ「立役者は菅原明」1番人気9年連続連対「最も堅い夏重賞」アイビスサマーダッシュ(G3)に新風の画像1

 二十歳の若武者がファンの度肝を抜いた。

 25日、新潟競馬場で行われた真夏の名物レース・アイビスサマーダッシュ(G3)は、1番人気のオールアットワンス(牝3歳、美浦・中舘英二厩舎)が嬉しい重賞初制覇。現役屈指の千直マイスター・ライオンボスが3/4馬身差の2着と面目を保った。

 1、2番人気が、そのまま1、2着になった今年のアイビスサマーダッシュ。これで1番人気は9年連続となる連対。過去10年で7勝2着2回というJRAでも屈指の堅い重賞になりつつある。

 だが、そんな風潮に“新風”を吹き込んだのが、14番人気ながら3着に激走したバカラクイーン(牝5歳、美浦・武井亮厩舎)と菅原明良騎手だ。

 毎年、外枠が圧倒的に有利といわれているアイビスサマーダッシュにおいて、大外から最も離れた1枠1番という「最悪の枠」を引いてしまったバカラクイーンは、はっきり言って望み薄と思われていた。実際に過去10年で1枠が馬券に絡んだことは1度もなく、だからこそ単勝130倍という低評価に留まっていたのだ。

 しかし、そんな絶望的な状況を逆手に取ったのが、菅原明騎手の神騎乗だ。

 直線1000mのゲートが開くと、各馬が外ラチを目指して突進するアイビスサマーダッシュお馴染みの展開。60秒以下で決着する電撃戦だけに、序盤のポジション取りが大きく結果を左右する見応えのあるシーンだ。

 だが、ここで1頭だけ逆方向に突進したのがバカラクイーンと菅原明騎手だった。我関せずと言わんばかりに内を目指して飛び出したバカラクイーンは、そのまま内ラチ沿いを“独走”。結局、オールアットワンス、ライオンボスら人気勢に次ぐ3着に粘り込んで見せた。

「3着とはいえ、まさか粘り込んでしまうとは……びっくりしましたね。新潟千直で各馬が外ラチを目指して走る理由は、主に2つあります。1つ目は、ほぼ誰も走っていない絶好の馬場を走れること。もう1つがラチを頼りにできるということです。

ただ、このアイビスサマーダッシュは新潟開催の開幕週。つまり最内の馬場コンディションでも、大外とそこまで差はありませんし、内ラチ沿いまで行けばラチを頼りに走ることもできます。

ましてやバカラクイーンの1枠1番は内ラチから最も近いところと、斜めに走る距離のロスも少ない。レース後に菅原明騎手が『内枠だったので無理に外に出さず、ラチ沿いを通ろうという指示』と話した通り、まさに陣営の作戦勝ち。これは今後のアイビスサマーダッシュの騎乗にも一石を投じる“神騎乗”だったのではないでしょうか。お見事でした」(競馬記者)

 この菅原明騎手の騎乗は、ネット上の競馬ファンもSNSや掲示板を通じて「これはお見事」「こんな作戦もあるのか!」「先入観に左右されないファインプレー」「今後は内枠でも希望あるな」など大絶賛。

 一方で、14番人気の人気薄だっただけに「バカラクイーンのせいで馬券ハズレたけど、これは納得」「買ってなかったけど満足した」と馬券が外れたファンまで思わず唸ってしまうほど。中には「この新技を『SUGAWARA』と名付けよう」と盛り上がる東京五輪と掛けたコメントも。 “新技認定”を受けるほど画期的な騎乗だったということなのだろう。

 また、この騎乗は元JRA騎手の安藤勝己氏も自身のTwitterで「それよりもレースの立役者は菅原明。バカラクイーンはあの進路で(3)着に残したからこそ価値がある」と絶賛している。

「1頭で気分よく行けたのもあるし、持ち時計もありましたから。力を出せたと思います」

 レース後の菅原明騎手は、まさに“してやったり”といったところか。今年3月で二十歳になったばかりの若武者が「千直の常識」に一石を投じて見せた。

(文=銀シャリ松岡)

<著者プロフィール>
 天下一品と唐揚げ好きのこってりアラフォー世代。ジェニュインの皐月賞を見てから競馬にのめり込むという、ごく少数からの共感しか得られない地味な経歴を持つ。福山雅治と誕生日が同じというネタで、合コンで滑ったこと多数。良い物は良い、ダメなものはダメと切り込むGJに共感。好きな騎手は当然、松岡正海。

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