JRA武豊も心配した「熱中症」の恐ろしさとは? 死に至る最悪のケースも……、アイビスSD(G3)12着惨敗モントライゼを襲った症状とは…
新潟競馬場がある新潟市の当日の最高気温は31.1度。また、当日の湿度は熱中症警戒レベルの70%前後を行ったり来たりを繰り返していため、熱中症のリスクが高かった。
JRAの公式Facebookアカウントによると、夏競馬における熱中症の発症頭数は年々増加傾向にあるとのこと。また、馬は人間と異なり汗から塩分を再吸収できないため、発汗による塩分喪失が大きい。そのため、熱中症になるリスクが非常に高いという。
JRAは、各所にミスト機械やホース設置し、馬の熱中症対策に効果的な馬体冷却を行える環境を整えるなどして対策している。
だが、モントライゼはレース前後で熱中症と見られる症状を発症してしまった。レースと直接の関係はないが、19年に重賞2勝馬ウインムートが放牧先で熱中症と思われる症状が原因で急死したケースもある。
当然ながら騎手の中にも馬の熱中症を心配する声がある。武豊騎手は、19年8月の週刊大衆の自身のコラムにて「35度近くまで上がると、馬の熱中症が心配になります」と述べている。
武騎手は同コラムにて、「少しでも馬にとって、いい環境でレースができますように……それがすべてのホースマンの思いです」と切実な願いを述べている。
ウェザーニュースによると、今年は日本列島の広い範囲で気温が平年並みか平年より高くなるとのこと。炎天下で開催される夏競馬だけに、今後も熱中症のリスクは高いことが予想される。
“暑い”レースではなく“熱い”レースが夏競馬で繰り広げられることを切に願う。
(文=寺沢アリマ)
<著者プロフィール>
大手スポーツ新聞社勤務を経て、編集部所属のライターへ。サラ系・ばん馬のどちらも嗜む二刀流で「競馬界の大谷翔平」を目指すも収支はマイナス。好きな競走馬はホクショウマサル。目指すは馬券的中31連勝だが、自己ベストは6連勝と道は険しい…。
PICK UP
Ranking
17:30更新- 「3大始祖」消滅の危機……日本で「2頭」世界で「0.4%」の血を残すべく立ち上がったカタール王族の「行動」に称賛
- 浜中俊「哀愁」の1年。かつての相棒ソウルラッシュ、ナムラクレアが乗り替わりで結果…2025年「希望の光」は世代屈指の快速馬か
- 皐月賞(G1)クロワデュノール「1強」に待った!? 「強さが証明された」川田将雅も絶賛した3戦3勝馬
- 交通事故で乗り合わせたすべての馬が死亡……度重なる危機を奇跡的に乗り越え、最後は年度代表馬に。人知を超えた「奇跡の馬」サンデーサイレンス【前編】
- JRA内田博幸「戸崎ブチギレ騒動」から遺恨“独立”で引退危機!? エージェント“不条理”解約に「義理を通すなら……」
- 「シャフリヤールの激走はわかっていた」本物だけが知る有馬記念裏事情。そして“金杯”で再現される波乱の結末とは?
- 武豊騎手「パドック意味なし」発言に仰天……馬券購入セオリー「完全否定」のトップ騎手たちが語るパドック必勝法とは
- 「世代最強候補」クロワデュノールは本物なのか?ホープフルSで下馬評を覆す最強刺客
- 有馬記念に続き東京大賞典も「記憶力」が決め手…最強フォーエバーヤングから絞りに絞った2点で勝負!
- 【有馬記念】「使い分け」に一石投じた戸崎圭太が意地!ルメールキラーが3勝目で今年の屈辱もスッキリ?
関連記事
JRA M.デムーロ「お手本」騎乗に三浦皇成は赤っ恥!? かつての悪童が優等生に変身、「悪いこともしなかった」元パートナーの遠ざかる背中に何を思ったか
JRAバカラクイーン”神走”も「元主戦」藤田菜七子“サンドイッチ”惨敗……「最初に寄られた」アイビスSD(G3)セピアノーツは挟まれ「10秒足らず」で終戦
クロノジェネシスが挑む凱旋門賞(G1)に新たな強敵登場!スノーフォールだけでなく、ダービー&キングジョージ連勝のライバルはいずれも3歳馬
JRA新種牡馬キタサンブラック産駒、有力新馬登場も「切れ不足」披露……現状打破のカギを握るのは「あの馬」の活躍?
JRA川田将雅「ジグザグ斜行」も“お咎めなし”に被害馬ファンからブーイング!? コリエンテスに続きサトノジークでもチグハグ騎乗、絶好調小倉とまるで別人?