
JRA サンデーレーシング有力3歳が揃って「毎日王冠」に参戦する背景とは? 結果次第で中距離路線「戦国時代」突入も

上半期のG1シーズン終了からはや1ヶ月。夏競馬が本格的に始まり、2歳新馬戦を中心に毎週熱いレースを繰り広げられている。
白毛の桜花賞馬ソダシをはじめ、宝塚記念(G1)を制したクロノジェネシスなど、春競馬を語る上で欠かせないのが、G1を4勝しているサンデーレーシングだろう。
クロノジェネシスやグランアレグリアといったサンデーレーシングの有力馬が続々と次走を発表するなか、28日にシュネルマイスター(牡3歳、美浦・手塚貴久厩舎)とグレートマジシャン(牡3歳、栗東・宮田敬介厩舎)の2頭が毎日王冠(G2)に出走することを表明した。
毎日王冠は秋の東京開催開幕週に行われる芝1800mの重賞だ。天皇賞・秋(G1)やマイルCS(G1)を目標にしている馬のステップレースとして知られ、毎年多くの有力馬が出走している。
しかし、近年は外厩施設の発展などの影響で、目標とするレースに直行するケースも珍しくなくなったため、相対的にステップレースの価値が下がりつつある。特にサンデーレーシングはノーザンファーム系列の外厩を使うことが多く、2頭が毎日王冠へ出走を決めたことは少々意外にも映る。
シュネルマイスターに関しては、マイラー色の強い3歳馬が2年続けて毎日王冠を制していることが影響していると思われる。また、将来的なことを考えると、1800mを勝利することができればレース選択の幅が広がるだろう。中2週で天皇賞・秋へ向かう算段や、翌年3月に行われるドバイターフ(G1、メイダン芝1800m)がレースプランに入ってくることだろう。
グレートマジシャンに関しては、毎日王冠の舞台である東京芝1800mは2勝と好相性だ。また、重賞勝利等がなく本賞金が少ないため秋G1へ向け少しでも賞金を加算したいところだろう。
仮にシュネルマイスターとグレートマジシャンの2頭が、毎日王冠で好成績をおさめることがあれば、自ずと天皇賞・秋へ参戦するプランが浮上してくることだろう。
それが叶えば、2頭は既に天皇賞・秋出走を表明しているグランアレグリアやコントレイルらと対戦することになる。加えて、ダービー馬シャフリヤール、今年の大阪杯(G1)を制したレイパパレはじめ現役屈指の中距離馬も参戦することになれば、今年の天皇賞・秋は歴代屈指の好メンバーで争われることになるかもしれない。
2頭の結果次第で、中距離路線は今後有力各馬高い能力を有する「戦国時代」に突入する可能性をはらんでいる。
(文=寺沢アリマ)
<著者プロフィール>
大手スポーツ新聞社勤務を経て、編集部所属のライターへ。サラ系・ばん馬のどちらも嗜む二刀流で「競馬界の大谷翔平」を目指すも収支はマイナス。好きな競走馬はホクショウマサル。目指すは馬券的中31連勝だが、自己ベストは6連勝と道は険しい…。
PICK UP
Ranking
5:30更新「シャフリヤールの激走はわかっていた」本物だけが知る有馬記念裏事情。そして“金杯”で再現される波乱の結末とは?
宝塚記念(G1)団野大成「謎降板」に関西若手のエースが関係!? 武豊の不可解な登場と突然のフリー発表…関係者を激怒させた「素行不良」の舞台裏
浜中俊「哀愁」の1年。かつての相棒ソウルラッシュ、ナムラクレアが乗り替わりで結果…2025年「希望の光」は世代屈指の快速馬か
- 皐月賞(G1)クロワデュノール「1強」に待った!? 「強さが証明された」川田将雅も絶賛した3戦3勝馬
- 武豊やC.ルメールでさえ「NGリスト」の個性派オーナーが存在感…お気に入りはG1前に「無念の降板」告げた若手騎手、過去に複数の関係者と行き違いも?
- 未勝利ルーキーが「深刻理由」で乗鞍激減!?度重なる失態に師匠からはお灸、エージェントも契約解除の大ピンチ
- JRA「出禁」になったO.ペリエ「税金未払い」騒動!? L.デットーリ「コカイン使用」K.デザーモ「アルコール依存症」過去の”外国人騎手トラブル”に呆然……
- 【阪神C(G2)展望】武豊“マジック”でナムラクレア、ママコチャを破った重賞馬が待望の復帰戦! 短距離界の有馬記念に豪華メンバーが集結
- 「世代最強候補」クロワデュノールは本物なのか?ホープフルSで下馬評を覆す最強刺客
- 天才の息子・福永祐一は何故「天才」と呼ばれないのか? 「漁夫の利」に集約されたシュヴァルグランでの「決意」に落胆
関連記事
モットーは「安くて走る馬」で有名な大物馬主が爆買い!? 高額落札2頭に計1億円オーバーの「奮発」した背景
JRA名伯楽をして「エアグルーヴを超えた」と言わしめたファインモーション! クイーンS(G3)兄にピルサドスキーを持つ大本命に待ち受けていたまさかの結末
JRAリーディングサイアー争いは「群雄割拠」時代に突入!? ディープインパクトの後継者争いが過熱、サトノアラジン産駒の初勝利で新種牡馬産駒が20勝到達!
JRA かつての若手ホープが所属厩舎から「非情宣告」 、お手馬を後輩有望株に乗り替わり!デビュー7年目で訪れた崖っぷちの危機
JRA 武豊が立候補するも無念の「落選」、キタサンブラック「長男」がC.ルメール騎手でデビュー、ワールドプレミアに続いて期待馬乗り損ね?