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モットーは「安くて走る馬」で有名な大物馬主が爆買い!? 高額落札2頭に計1億円オーバーの「奮発」した背景

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 27日に北海道新ひだか町にある北海道市場にて、2021年北海道セレクションセール(以下セレクションセール)が行われた。

 セレクションセールは、日高軽種馬農業協同組合が主催する競走馬のセリ市。主に日高、胆振地区の生産牧場中心に十勝や青森、九州地区からも生産馬が上場する。

 落札価格や参加者の数から、今月上旬に行われたセレクトセールより規模が小さい点については否めない。しかし、過去の取引馬の中には、ダートG1を10勝したホッコータルマエ、16年高松宮記念(G1)優勝馬ビッグアーサーなどのビッグネームが名を連ねている。

 セレクションセールには、「メイショウ」の冠名で有名な松本好雄氏、「ニシノ」「セイウン」の西山茂行氏はじめ競馬ファンお馴染みの馬主が多数参加している。また、日本中央競馬会(JRA)といったセレクトセールでは見かけない名前もお目にかかれる。

 そして、このセールには、「シゲル」でお馴染みの森中蕃氏も参加している。森中氏は、「安くて走る馬を見つける」をモットーに毎年多数の競走馬を購入することで有名な馬主だ。また、所有馬の世代の区別をつけるため、毎年決まったテーマで馬名をつけるユーモアさが好評で、野菜や役職の名前など“珍名馬” といわれる類の馬名もある。そんな森中氏の所有馬は多くの競馬ファンから「シゲル軍団」の愛称で知られている。

 森中氏は約50年前から馬主を続けているだけに、障害重賞や今は亡きアラブ系重賞で活躍した馬を所有していたこともあるが、G1とはまるで縁がなかった。その過去を払拭するかのように、近年になって森中氏のもとに2頭の競走馬が現れた。

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 1頭目が、シゲルピンクダイヤ(牝5歳、栗東・渡辺薫彦厩舎)だ。同馬は17戦して未勝利戦の1勝のみだが、19年桜花賞(G1)2着をはじめ重賞で活躍しており「最強の1勝馬」の異名がある。森中氏に初めてのG1勝利を届けるのではと意識させた馬であった。

 もう1頭が、シゲルピンクルビー(牝3歳、栗東・渡辺薫彦厩舎)だ。今年3月のフィリーズR(G2)を勝利し、森中氏に初めてサラ系平地重賞勝ちを届けた。

 2頭の共通点は、姉妹であることが有名だが他にもある。それが、2頭とも森中氏がセレクションセールで落札している点だ。

 シゲルピンクダイヤは17年に約1700万円、シゲルピンクルビーは19年に約3000万円の価格で落札された。

 このような背景から、森中氏にとってセレクションセールは、“相性抜群”のセールといえるかもしれない。森中氏が近年セレクションセールにて1億円以上の爆買いをしているのもうなずける。しかも、これまで最高が2年前の1億1600万円だったのに対し、今年は1億3000万円と自己最高記録を更新している。

 1億3000万円の内訳は、約4000万円の馬が2頭、約3000万円の馬が1頭など合わせて5頭。セレクトセールでは4000万円台の落札実績はあるが、それより落札価格が低い傾向にあるセレクションセールでも、同じ値段で落札するのは異例とも言えるだろう。

 ちなみに、森中氏は来年デビュー馬の一部をファンから募集し名付けるプランを、スポーツ報知のインタビューにて公表している。今回セレクションセールで落札した馬は来年デビュー予定であるため、もしかしたらファンから募集した馬名が採用されるかもしれない。

 様々な面から今後もシゲル軍団から目が離せなくなりそうだ。

(文=寺沢アリマ)

<著者プロフィール>
大手スポーツ新聞社勤務を経て、編集部所属のライターへ。サラ系・ばん馬のどちらも嗜む二刀流で「競馬界の大谷翔平」を目指すも収支はマイナス。好きな競走馬はホクショウマサル。目指すは馬券的中31連勝だが、自己ベストは6連勝と道は険しい…。

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