JRA「最強の未勝利馬」がまさかの自滅KO……史上初の快挙達成から中1週で再登場も「前回の雰囲気はなかった」

夏競馬が本格的に始まり、続々と2歳新馬がデビューを果たしている。今のところ新馬戦、未勝利戦以外の2歳戦は多くは組まれないが、これから徐々に2歳重賞も増えていく。
ここまで行われた2歳重賞は先月17日の函館2歳S(G3)のみだが、今年は2歳重賞で未勝利馬が馬券圏内に入る史上初の出来事が起こった。
その立役者は、グランデ(牡2歳、栗東・吉田直弘厩舎)だ。
グランデは、スタートで少し遅れたものの、行き足がつくと徐々に前へと上がっていった。そして多くの馬が直線外を選択するなか、インコースを選択。前が塞がることなく、メンバー最速上がりを記録し見事3着を確保した。
また、3着であるため総賞金は加算されない。つまり、グランデはまだ未勝利クラスだ。この実績だけを評価すれば、「最強の2歳未勝利馬」と言えるだろう。
そして31日、グランデは「重賞3着」の実績を引っ提げて、中1週で函館2歳Sと同じ函館・芝1200mで行われる2歳未勝利戦へ出走した。
93年にダービーTR青葉賞(当時はOP)へ未勝利の身で3着に入ったロイスアンドロイスは、次走の未勝利戦で単勝オッズ1.2倍の圧倒的な支持を受けた。それだけに、グランデがどの程度の人気になるか注目が集まっていた。
今回のグランデの最終オッズは単勝2.6倍の2番人気であった。単勝1番人気こそ、新馬戦で1番人気ながら4着に敗れて巻き返しを図るコラリン(牝2歳、美浦・岩戸孝樹厩舎)に譲ったが、複勝では僅かに1番人気だった。
函館2歳Sと同じ1枠1番でスタートしたグランデは、前走と打って変わって好スタートを決めてハナに立った。レースの主導権を握ったグランデは、軽快に飛ばしていく。しかし、飛ばしすぎた影響か、前半3ハロン通過が33秒5と速くなってしまった。
このペースは、逃げ馬と番手の馬が崩れた先日の函館2歳Sよりコンマ2秒速い。案の定、グランデも直線半ばで力尽きズルズルと後退して6着に終わった。
レース後、ネットやSNS上では「重賞3着なのに未勝利戦6着って…」「今日一番堅いと思ったのに」とグランデのまさかの着外に驚きを隠せないファンが多数見られた。
一方、前走に引き続き騎乗した坂井瑠星騎手は、「返し馬から前回の雰囲気はなかったです。4角では脚がなくなっていました」と状態面に言及した。
グランデの敗因については定かではないが、次走こそ「重賞3着馬」の名に恥じないレースに期待したい。
(文=寺沢アリマ)
<著者プロフィール>
大手スポーツ新聞社勤務を経て、編集部所属のライターへ。サラ系・ばん馬のどちらも嗜む二刀流で「競馬界の大谷翔平」を目指すも収支はマイナス。好きな競走馬はホクショウマサル。目指すは馬券的中31連勝だが、自己ベストは6連勝と道は険しい…。
PICK UP
Ranking
17:30更新
春のG1戦線に水を差す「醜聞」続く…現役騎手の父に詐欺容疑、G1馬オーナーが逮捕
JRA武豊は何故AJCC(G2)でスペシャルウィークに騎乗しなかったのか。明かされた当時の「事情」と、幻の天皇賞馬“ナリタサンデー”とは
「3大始祖」消滅の危機……日本で「2頭」世界で「0.4%」の血を残すべく立ち上がったカタール王族の「行動」に称賛- アドマイヤ軍団が「G1・45連敗」武豊と絶縁し「40億円」と引換えに日本競馬界フィクサーの”逆鱗”に触れた凋落の真相?
- 「シャフリヤールの激走はわかっていた」本物だけが知る有馬記念裏事情。そして“金杯”で再現される波乱の結末とは?
- 四位洋文騎手が「トラウマ」嘆く……武豊騎手も不快感を露にした昨年「マイルCS」ディサイファの悲劇
- 【香港C(G1)展望】BC制覇の偉業から1か月、ラヴズオンリーユー有終の美へ!レイパパレはC.スミヨンと新コンビ、最大のライバルは最高レーティングの英国馬
- 浜中俊「哀愁」の1年。かつての相棒ソウルラッシュ、ナムラクレアが乗り替わりで結果…2025年「希望の光」は世代屈指の快速馬か
- 【徹底考察】有馬記念(G1) サトノダイヤモンド「世代最強を証明した菊花賞。有馬記念制覇に向け、レジェンドだけに許された最強馬の『領域』に手を掛ける」
- エアスピネル降板に武豊騎手は「何」を思う……8年前、すべてを手にしてきた天才騎手が”最大級”の屈辱を味わった「ウオッカ事件」とは
関連記事

JRA新潟名物「千直8枠」を超える最強お宝枠!? 1番人気なら勝率58.3%&馬券率83.3%「知らなかった」ではすまされない最強「8枠」はこの条件!!

JRA 武豊「菊花賞」で究極の選択!? ダービー馬シャフリヤールと僅差の接戦「この世代で1番いい馬だと思った」あの大器がついに復帰

JRA「底知れない走り」ダイワメジャー産駒・最後の大物が登場!? マカヒキとワグネリアン「いつまで走る?」かつての若手ホープが所属厩舎から「非情宣告」【週末GJ人気記事総まとめ】

「圧倒的じゃないか…」関西馬が驚異の10戦8勝! JRA新潟未勝利は関西馬の独壇場が続く? 今週の狙いは川田&福永、そして…あの1億円馬!

JRAシゲルピンクダイヤ「最強の1勝馬」返上なるか!? アノ馬との生涯賞金額まであとわずか……、クイーンS(G3)の走りに注目
















