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JRA藤沢和雄「最後のダービー馬候補」が未勝利で大惨敗。桜花賞馬弟に残された最後の手段も結果出ず、ゴルトブリッツの再現も困難か

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 5日、各競馬場で行われた現3歳世代最後の未勝利戦。札幌3Rのダート1700mでは、秋山稔樹騎手が騎乗した5番人気イシュタルが勝利。アメリカンファラオ産駒の素質馬が、キャリア2戦目で見事に最終便をモノにした。

 一方、このレースで1番人気に支持されるも、勝ち馬から6秒5も離された13着に沈んだのが、C.ルメール騎手が騎乗したアークライト(牡3歳、美浦・藤沢和雄厩舎)だ。

 同馬は2014年の桜花賞(G1)を勝ったハープスターの全弟。クラブ法人・キャロットファームにて総額1億2000万円で募集され、昨年度のPOG(ペーパーオーナーゲーム)でも非常に人気を集めた1頭。来年2月に解散する藤沢和厩舎の「最後のダービー馬候補」ともいわれたほどだった。

 初のダート戦となった今回は、スタートでややスムーズさを欠いて後方3番手からの競馬に。道中の手応えは悪くないようにも見えたが、3コーナーを過ぎても行き脚がつかないまま徐々に後退……。4コーナーを回るときには、既に大きく離されており、直線では完全にフェードアウトとなった。

「殆ど競馬に参加できていませんでしたね。ダート適性がなかったというのもあるかもしれませんが、今回馬体重を大きく減らしていたように、ひょっとするとデキそのものにも問題があったのかもしれません」(競馬記者)

 血統背景からもG1獲りも期待されたアークライトだが、現状は厳しい状況だ。

 昨年7月、ルメール騎手とのコンビで函館のデビュー戦を迎え、このときは単勝オッズ1.7倍の支持に応えることができず、アランデルのクビ差2着。3着馬には3馬身半の差をつけており、初勝利は時間の問題だと思われていた。

 しかし、勝ち上がりを期待された2戦目も初戦と同じく2着。続く3戦目は単勝オッズ1.4倍の支持を集めたものの、3着と敗退した。休養を挟んで臨んだ4戦目は、プラス14キロの馬体増の影響もあってか、初の馬券圏外となる5着に敗れている。

「思いのほか苦戦を強いられることになった理由の1つに、520キロを超える雄大な馬体が挙げられるかもしれません。かといって突出したパワーがあるわけでもなく、最後の決め手勝負になると、どうしても後れを取ってしまう印象です」(同)

 5、6戦目は芝の1400m戦を選択。連続して2着に入り、吉兆も感じられたものの、そこからは案外。7戦目には、さらに距離を短縮して芝1200mに出走すると、スピードに付いて行けずに10着と精彩を欠いた。

 いよいよ追い詰められることとなったアークライト陣営は、何とか初勝利をもぎ取るべく選んだのが、今回の札幌ダート1700m戦だったが、結果は先述の通り。通算成績は8戦0勝。全てのレースでルメール騎手とタッグを組んだが、最後はタイムオーバーで終焉した。

 藤沢和厩舎には以前、アークライトと同じように未勝利を勝ち上がることができず、地方に転厩したゴルトブリッツという馬がいた。同馬はその後、ダートで素質が開花。吉田直弘厩舎に再転厩して帝王賞(G1)などを勝つまでに上り詰めたケースもあった。

 だが、今回ダートで大敗を喫したアークライトにはそれも難しいかもしれない。

 超良血馬の兄弟、トップトレーナーの管理馬であっても、確実に走るとは限らないのが競馬の難しいところであり、まだ醍醐味であるともいえる。

 アークライトが今後どのような道を辿るのかはまだ分からないが、ひとまずはお疲れさまと声をかけたい。

(文=冨樫某)

<著者プロフィール>
キョウエイマーチが勝った桜花賞から競馬を見始める。まわりが学生生活をエンジョイする中、中央競馬ワイド中継と共に青春を過ごす。尊敬する競馬評論家はもちろん柏木集保氏。以前はネット中毒だったが、一回りして今はガラケーを愛用中。馬券は中穴の単勝がメイン、たまにWIN5にも手を出す。

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