JRA「騎手間違え」の赤っ恥……「勝ちましたミルコ=デムーロ騎手です!」「…クリストフ=ルメールです(笑)」本人ツッコミに沸いた12年前の記憶

実は先日、夏競馬の最終日、それも最終レースで珍しいハプニングが起こった。
5日に札幌競馬場で行われた釧路湿原特別(2勝クラス)のことだ。このレースに出走していたコロンドールだったが、管理する和田雄二調教師が荻野琢真騎手と荻野極騎手を間違えて出馬投票してしまったのだ。つまり、荻野琢騎手が騎乗するはずが、荻野極騎手で投票してしまったというわけである。
その結果、和田雄調教師は「出馬投票に際し騎手名を誤記して騎手変更となったことについて」という珍しい理由で過怠金3万円の処分となった。
JRAには数多くの騎手が所属しており、横山典弘・和生・武史ファミリーのように同名の騎手も珍しくない。荻野琢騎手と荻野極騎手にしても、筆者のような耄碌した中年からすれば、まず「荻野(おぎの)」なのか「萩野(はぎの)」なのかが、まずややこしい。
人の名前を間違えることほど「やっちまった」と焦るミスはそうないが、よくあると言えばよくあること。その昔、今回の和田雄調教師以上に「やっちまった」のが、元ジョッキーの赤見千尋さんではないだろうか。
2009年の有馬記念(G1)当日。北関東の高崎競馬で騎乗していた赤見さんだが引退後、当時は競馬中継のリポーターを務めていた。この日、まだオープン競走だったホープフルSを勝ったのはアリゼオとC.ルメール騎手だったが、赤見さんが担当した勝利騎手インタビューで思わぬハプニングが待っていたのだ。
「中山7RのホープフルSを勝ちました『ミルコ=デムーロ騎手』です。おめでとうございます!」
インタビューを切り出した赤見さんが“開口一番”、いきなりデムーロ騎手とルメール騎手を間違える痛恨のミス……空気が一瞬凍り付いたものの、ルメール騎手が「クリストフ=ルメールです(笑)」と笑いながら“自己紹介”したことで場を和ませた。これには赤見さんも「失礼しました!」と何度も頭を下げるほかなかったようだ。
2人の外国馬騎手がすっかり日本の競馬ファンに馴染んだ今となっては、なかなか想像できないシーンだが、当時まだルメール騎手もデムーロ騎手も短期免許で年に数カ月しか日本にいない状況。もちろん日本語もまだまだで、通訳を伴ってのインタビューだった。
さらに、前週の阪神カップ(G2)を勝利するなどデムーロ騎手の方が、ルメール騎手よりも活躍ぶりや知名度が高かった、つまりは勝利騎手インタビューに多く登場していたことも若干影響したに違いない。インタビュー終了後にも赤見さんが「すみません」と再び謝っていたことが印象的だった。
現在、競馬評論家として『netkeiba.com』などで活躍している赤見さん。特に構成を担当している元JRA騎手の佐藤哲三氏のコラム『哲三の眼!』は毎回、ジョッキーならではの深い視点に玄人の競馬ファンでも唸るほどの内容だ。
出馬投票をミスってしまった和田雄調教師も今は「やっちまった」と思っているかもしれないが、時が経てばファンや周囲にとっても、そして間違われた荻野琢騎手と荻野極騎手にとっても“笑い話”になるに違いない。
(文=銀シャリ松岡)
<著者プロフィール>
天下一品と唐揚げ好きのこってりアラフォー世代。ジェニュインの皐月賞を見てから競馬にのめり込むという、ごく少数からの共感しか得られない地味な経歴を持つ。福山雅治と誕生日が同じというネタで、合コンで滑ったこと多数。良い物は良い、ダメなものはダメと切り込むGJに共感。好きな騎手は当然、松岡正海。
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