
JRA川田将雅「動けなかった」ダノンスマッシュ敗戦に分かれた師弟の見解!? 理想的なレースで伸びを欠く誤算、これまでと決定的に違ったのは
3日、中山競馬場で開催されたスプリンターズS(G1)は、福永祐一騎手の3番人気ピクシーナイトが優勝。父モーリスに産駒の初G1タイトルをプレゼントし、2007年のアストンマーチャン以来、14年ぶりとなる3歳馬の勝利を飾った。
稍重馬場で始まった日曜中山だったが、好天に恵まれたこともあり、午後には良馬場へと回復。芝コースは、NO.1スプリンターを決める電撃の6ハロン戦に相応しい絶好の状態で行われた。
高松宮記念覇者であるダノンスマッシュが1番人気、同レースで2着に敗れたレシアステンシアが2番人気と、下馬評は春の再戦ムード。秋に急成長を見せた勝ち馬に屈したものの、レシステンシアが2着を確保したのに対し、ダノンスマッシュは6着と精彩を欠いた。
7枠14番からスタートしたダノンスマッシュは、外目の5番手からの追走。内から先行した馬が上位を占めたレースだったとはいえ、好位に取りついたこともあり、ポジションとしてはそれほど悪くなかったはずだ。
にもかかわらず、いつもなら楽な手応えで上がれる勝負どころの4コーナー入り口では、川田騎手の手が早くも動いて追走に手間取るシーンもあった。
「とても良い雰囲気で競馬に向かえ、レースも理想的に進められました。動かないといけないところで、動くことができませんでした。この結果を反省して次に繋げていきたいです」
レース後に、そう振り返ったように、川田騎手は馬よりも自身に敗因を求めるコメントを残したが、この日のダノンスマッシュに高松宮記念のような覇気を感じられなかったことも事実である。
勿論、内のグリーンベルトをロスなく走れた上位陣に馬場が味方したことは確かだが、メイケイエールにも追い比べで後れを取っての6着。自身よりさらに後方から外を回していた相手に交わされたとなると、これだけが敗因とは言い切れないだろう。
「間隔が空いた方が好走する傾向にあるダノンスマッシュですが、もしかしたら長過ぎたのかもしれません。これまでは2ヶ月から3ヶ月程度でしたが、今回はデビュー以来、最長となる約5ヶ月。実際の因果関係はわかりませんが、サラブレッドは繊細な生き物だけに、無関係とも言い切れません」(競馬記者)
また、同馬を管理し、川田騎手の師にあたる安田隆師が「レース間隔が長く空いた分としか考えられません」というコメントをしていることも気になるところだ。この敗戦を受けて、予定していた香港スプリント(G1)への参戦は白紙となったダノンスマッシュ。再びスプリント王に返り咲くためにも、次走での凡走は許されない。
(文=高城陽)
<著者プロフィール>
大手新聞社勤務を経て、競馬雑誌に寄稿するなどフリーで活動。縁あって編集部所属のライターに。週末だけを楽しみに生きている競馬優先主義。好きな馬は1992年の二冠馬ミホノブルボン。馬券は単複派で人気薄の逃げ馬から穴馬券を狙うのが好き。脚を余して負けるよりは直線で「そのまま!」と叫びたい。
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