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JRA川田将雅×ダノンスマッシュはもはや諦めの境地? スプリンターズS(G1)「血統、ローテ、厩舎」トリプルパンチで春秋スプリント王は絶望的か

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 子供に大人気の国民的アニメ『それいけ!アンパンマン』で主人公のアンパンマンがしょくぱんまん、カレーパンマンとともに繰り出す必殺技がある。それが“トリプルパンチ”だ。

 3日に中山競馬場で開催されるスプリンターズS(G1)で、そんな“トリプルパンチ”を食らってしまいそうな危険な人気馬がいる。川田将雅騎手とのコンビで、春秋スプリントG1連覇を狙うダノンスマッシュ(牡6歳、栗東・安田隆行厩舎)だ。

 1日午後時点の『netkeiba.com』予想オッズでは、ダノンスマッシュが1番人気レシステンシアを僅差で追っているが、スプリント実績は前者が断然上。本馬が1番人気に支持される可能性は高い。

 父は国内外のスプリント路線で活躍した快速馬のロードカナロア。ローテーションも得意の休み明けで、管理するのは短距離戦において右に出る者はいないとまで言われている安田隆厩舎である。

 ダノンスマッシュにとって、好走条件はそろっているように思えるが、これらの“長所”が“短所”になり得るのだという。

「血統に関してですが、スプリンターズSのレース史上、父子制覇の例は一度もありません。あのサクラバクシンオーの産駒でさえ、スプリンターズSはのべ32頭が出走し、連対ゼロという結果が残っています。

サクラバクシンオーと同じくスプリンターズSを2度制したロードカナロアも、種牡馬として多くの快速馬を輩出しており、今年も含めて今後何度も(スプリンターズS制覇の)チャンスは巡ってくるでしょう。今年ダノンスマッシュがこのジンクスを破ることができるか注目です」(競馬記者)

 続いて同記者が挙げた2つ目の不安要素。それが前走からのレース間隔だという。

「ダノンスマッシュ自身は休み明けを得意としていて、国内のレースに限定すれば、2か月以上の間隔を取ったときは7連勝中です。しかし、今回は自己最長となる5か月という長期休み明け。フレッシュな状態だとは思いますが、海外帰りということも含めて一抹の不安はあります。

また、1990年にスプリンターズSがG1に格上げされて以降、5か月以上の間隔を空けた馬が勝った例はありません。その成績は『0-3-1-15』で、これもダノンスマッシュにとっては嫌なジンクスと言えるでしょう」(同)

 最後に3つ目のトリプルパンチも同記者が指摘してくれた。

「ダノンスマッシュにとっての最後の不安要素が、短距離にめっぽう強い安田隆厩舎の傾向です。ロードカナロアをはじめ、カレンチャンやダッシャーゴーゴーなどを育て上げ、スプリント戦においてずば抜けた成績を残している厩舎なのは誰もが知るところです。

しかし、年齢を重ねた馬が急激に衰えを見せることも珍しくありません。具体的にいうと、この厩舎の馬は6歳春以降に苦戦する傾向があります。ダノンスマッシュは今年3月の高松宮記念(G1)を制しましたが、安田隆厩舎の所属馬は6歳の4月以降、重賞で『0‐3‐6‐51』と勝利がありません。前走(4月の香港チェアマンズスプリントプライズ=6着)の凡走は、データからすると傾向通りの結果だったのかもしれませんね」(同)

 ダノンスマッシュはこのトリプルパンチ(3つのジンクス)を“打ち砕き”、父と同じ春秋スプリント王の座に就くことはできるだろうか。

(文=中川大河)

<著者プロフィール>
 競馬ブーム真っただ中の1990年代前半に競馬に出会う。ダビスタの影響で血統好きだが、最近は追い切りとパドックを重視。

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