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JRA「空気を読まない」ビアンフェの暴走再び!? かつての逃げ馬天国は地獄に一変、今年のスプリンターズS(G1)は一筋縄では収まらない予感

JRA「空気を読まない」ビアンフェの暴走再び!? かつての逃げ馬天国は地獄に一変、今年のスプリンターズS(G1)は一筋縄では収まらない予感の画像1

 今週末には、秋G1開幕を告げる電撃の6ハロン戦・スプリンターズS(G1)が中山競馬場で開催される。

 昨年の勝ち馬グランアレグリアは秋の天皇賞を選択したものの、2着馬のダノンスマッシュはG1の勲章を手に入れ、新たにレシステンシアやジャンダルムなどの新勢力が参戦。強力メンバーによる戦いが繰り広げられそうだ。

 出走馬の確定も近づき、気の早いファンは既に予想に取り掛かっているかもしれないが、一筋縄ではいかなさそうな雰囲気も漂うのが、出走を予定しているメンバーの顔触れ。無視できないのは逃げ先行馬の多さである。

 熱戦の舞台となる中山の芝1200mは、前に行った馬にとって有利な条件だ。過去のスプリンターズSでも2001年から10年の間には、4コーナー先頭で逃げ切った馬が5頭。勝率にして5割という驚異的な相性の良さを誇っていた。

■2001年から10年のスプリンターズSで4コーナー先頭の逃げ馬
04年カルストンライトオ
06年テイクオーバーターゲット
07年アストンマーチャン
09年ローレルゲレイロ
10年ウルトラファンタジー

 しかし、この“前残り天国”ともいえる状況は、11年からの10年で一変する。実は直近の過去10年だとあれだけ穴を開けていた逃げ馬の勝利がないのである。一応、馬券圏内には5度入っているため、まったくダメという訳ではないのだが、以前ほどの活躍は出来ていない。

 具体的にどういった変化がこの結果に影響したのかは不明だが、少なくとも一昔前の「前にいる馬を狙えばいい」という傾向はもはや形骸化しつつあるといえそうだ。

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 そして、今年もこれに当てはまりそうなのが、ビアンフェの存在だ。同馬は昨年のスプリンターズSでゲート入りにてこずった上、逃げたモズスーパーフレアに対し、執拗に競り掛けた。

 この影響もあってか前半3ハロンは32秒8という激流を生み、前々で競馬をした組は総崩れ。力が抜けていたグランアレグリアが、スタートで出遅れても突き抜けたのはともかく、最後の直線で最後方にいた10番人気のアウィルアウェイが3着に食い込んで、波乱を起こした。

 さすがにこれには元騎手の藤田伸二氏も「ユウスケ何したかったんかの~」と、ビアンフェで“暴走”を演じた藤岡佑介騎手の騎乗を疑問視。また、モズスーパーフレアが人気馬だったこともあり、一部のファンからはネットの掲示板やSNSで「空気を読め」「何しに出て来た」といった不満の声も噴出することとなった。

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 そして、このビアンフェと藤岡佑騎手のコンビは今年も参戦を予定。さらにはレシステンシアや前進気勢が旺盛なメイケイエール、3年連続出走の快速馬モズスーパーフレアも出走する。いずれも控える競馬より、スピードを生かして好結果を出してきた面々だけに、スローペースとなる可能性は低いだろう。

「あれからビアンフェは去勢されましたが、やはり得意とするのは逃げ。近走も逃げて結果を残していますから迷いはないでしょう。モズスーパーフレアにしても行くしかない馬ですし、昨年の再現も十分あるでしょう。

さらに、人気を背負うレシステンシアも早めに動くでしょうし、逃げてこそのメイケイエールも無理に控えたところで折り合いがつくかどうかも怪しいです。ハイペースはほぼ確定といってもいいかもしれませんね」(競馬記者)

 となれば、やはり妙味があるのは後方待機策を採れる伏兵陣。まだ枠順は確定前だが、外枠に入った差し追い込みタイプの馬に、馬券的妙味がありそうだ。

(文=高城陽)

<著者プロフィール>
 大手新聞社勤務を経て、競馬雑誌に寄稿するなどフリーで活動。縁あって編集部所属のライターに。週末だけを楽しみに生きている競馬優先主義。好きな馬は1992年の二冠馬ミホノブルボン。馬券は単複派で人気薄の逃げ馬から穴馬券を狙うのが好き。脚を余して負けるよりは直線で「そのまま!」と叫びたい。

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