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秋華賞(G1)アカイトリノムスメ、元JRA安藤勝己氏が期待した「成長曲線」描けず!?

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秋華賞(G1)アカイトリノムスメ、元JRA安藤勝己氏が予想した「成長曲線」描けず!? 三冠牝馬の仔「初の快挙」も、新たに立ちはだかるジンクスとはの画像1
アカイトリノムスメ 撮影:Ruriko.I

 17日、阪神競馬場では牝馬三冠のラストを飾る秋華賞(G1)が開催される。前評判では札幌記念(G2)で距離の壁を破った桜花賞馬ソダシが一歩リード。これを前哨戦勝ち馬のファインルージュとアンドヴァラナウトなどが追う展開となっている。

 打倒ソダシを狙う有力馬の1頭が、アカイトリノムスメ(牝3歳、美浦・国枝栄厩舎)だ。

 オーナーはソダシと同じ金子真人氏(名義は金子真人ホールディングス)で、春は桜花賞(G1)4着、オークス(G1)2着と、世代上位の実力を見せた。

 父ディープインパクト、母は2010年の三冠牝馬アパパネという超良血の「12冠ベビー」は、金子オーナーの結晶とも呼べる存在。もし秋華賞を勝てば、あるジンクスを覆すことになるだろう。

 そのジンクスとは「三冠牝馬の仔は活躍できない」というもの。しかし、アカイトリノムスメはすでに三冠牝馬の仔として、初の重賞勝利を挙げている。このジンクスは「三冠牝馬の仔はG1を勝てない」に改めても良さそうだ。

 日本の競馬史上、これまで6頭が牝馬三冠を達成している。アーモンドアイは繁殖入りしたばかりで、デアリングタクトは今も現役。それ以外のメジロラモーヌ、スティルインラブ、アパパネ、ジェンティルドンナの仔、計19頭がこれまで中央で走ってきたが、母に匹敵する活躍を見せた馬はいない。

 そんななか、アカイトリノムスメを含めたアパパネの仔たちはかなり健闘している。ジナンボーとラインベックはオープンクラスで、モクレレは準オープンクラスで、それぞれ現役で活躍中だ。

 三冠牝馬の仔としては異例の活躍を見せるアパパネの仔たち。しかし、G1制覇に最も近いのはやはりアカイトリノムスメだろう。秋華賞でジンクスの突破に期待がかかるが、その成長力には一抹の不安があるという。

「春の牝馬クラシック2戦で好走したアカイトリノムスメですが、前哨戦を使わずぶっつけで本番を迎えます。これ自体は近年のトレンドでもあり、気になりません。しかし、木曜日に発表された調教後の馬体重が前走のオークス時と同じ450kgだった点は少し引っ掛かります。

美浦から阪神への長距離輸送もあるため、当日はマイナス馬体重になるかもしれません。馬体重増=成長というわけではないですが、もし当日の馬体重が減っているようなら、あまり成長していない可能性も浮上しそうです」(競馬誌ライター)

 また、競馬界のご意見番「アンカツ」こと安藤勝己氏も、これまでTwitterで何度かアカイトリノムスメの成長を見守ってきた1人だ。

 クイーンC(G3)勝利後には「まだまだ良くなっていくと思う」と更なる成長を示唆。4着に敗れた桜花賞後には「まだ線が細いね。伸び代は見込めるし、秋華賞あたりに(ソダシ、サトノレイナスと)肩を並べてきそう」と秋の飛躍を予想していた。

 安藤氏が「まだ線が細い」とジャッジした桜花賞時の馬体重は444kg。オークスではそこから6kg増やしたとはいえ、3歳馬がひと夏越して馬体重を増やせていないのはプラス材料とは言い難い。

 国枝師も「そんなに身体がグンと変わっているかというと、それはない」と最終追い切り後にコメントしており、馬体重に関しては思ったほどの成長曲線を描けていないのが現実だろう。

 果たしてアカイトリノムスメは5か月ぶりの実戦で、周囲の心配が杞憂に終わるパフォーマンスを披露してくれるだろうか。

(文=中川大河)

<著者プロフィール>
 競馬ブーム真っただ中の1990年代前半に競馬に出会う。ダビスタの影響で血統好きだが、最近は追い切りとパドックを重視。

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