
JRA アルテミスS(G3)ソダシ輩出の「出世」レースで武豊と新タッグ!キズナ産駒の大物候補が初戦で遭遇した「ある事件」とは?

先週23日に行われた富士S(G2)は、1番人気に応えてソングラインが優勝。勝ち馬にマイルCS(G1)の優先出走権が付与される前哨戦で、キズナ産駒の3歳牝馬が並み居る古馬をなで斬り重賞初制覇を飾った。
その富士Sと同じ東京の芝1600mを舞台に、今週30日にはアルテミスS(G3)が開催される。昨年の勝ち馬ソダシは阪神JF(G1)と桜花賞(G1)を無敗で制覇。また過去にもG1・4勝馬ラッキーライラックや、国内外でG1を制したリスグラシューを輩出している出世レースだ。
今年、ここをステップに暮れに開催されるG1への出走を目論むのが、先週勝ったソングラインと同じキズナ産駒のシンシアウィッシュ(牝2歳、栗東・吉村圭司厩舎)だ。
前走、8月に行われた新潟の新馬戦では、2番人気ながら後続に3馬身の差をつける圧勝。乗っていた菅原明良騎手はレース後、「道中の折り合いよく、追ってからの反応もとても良かった。強い勝ち方でした」と話し、同馬の素質を絶賛。2着に退けたイルチルコが次走の未勝利で圧勝を収めたことも、シンシアウィッシュの実力をより裏付けるかたちとなった。
今回のアルテミスSでは、その前走で手綱を執っていた菅原明騎手に替わり、先日JRA通算4300勝を達成した武豊騎手と新コンビを結成する。
同騎手とは20日、栗東CWコースで行われた1週前調教で初コンタクト。管理する吉村師は、「鞍上は『非力さは感じるが、きれいな跳びだし、長くいい脚を使えそう』といい感触をつかんでくれた様子」と『デイリースポーツ』の取材にコメントしている。レジェンドは自身の手綱でダービーを取ったキズナの娘に、手応えを感じていると見てよさそうだ。
なお、同馬の母父はフランケルなどを輩出した名種牡馬ガリレオ。ディープインパクト系×ガリレオという血統配合は、今年の英オークス(G1)を16馬身差で圧勝したディープ産駒のアイルランド牝馬スノーフォールと同じ組み合わせとなる。ひょっとしたらものすごいポテンシャルを秘めている可能性もあるかもしれない。
そんなキズナ産駒の大物候補シンシアウィッシュだが、前走の新馬戦では“ある事件”と遭遇していた。
新潟の芝1800mで行われた14頭立ての一戦。8枠13番からスタートしたシンシアウィッシュと菅原明騎手は、前半5ハロン64秒1の緩い流れの中、中団7番手の外目を追走。引っ張りきりの手応えで4コーナーを回り、最後の直線を迎えた。
馬場の4~5分どころに持ち出すと、鞍上の仕掛けに反応して脚を伸ばし始めたシンシアウィッシュ。残り300mあたりで先頭集団に並びかけたが、ここでレース実況を担当していたラジオNIKKEIの山本直也アナが、「外から14番のコンセプシオン」と実況……どうやら同馬を、ピンク帽の同枠馬と見間違えていたようだ。
その後、ラスト100mで完全に抜け出した付近で、「抜けた14番のコンセプシ……シンシアウィッシュ!シンシアウィッシュが抜けました!」と慌てて訂正。3馬身差の完勝でゴール板を駆け抜けたにもかかわらず、いまいち締まりのないままレースは幕を閉じた。
「これはやってしまいましたね……。JRAのホームページにアップされているレース映像では、当該箇所はすでに修正されていますが、パトロールビデオの方の映像では訂正前のままとなっていますので、一応確認することも可能です」(競馬誌ライター)
なお、アルテミスSではラジオNIKKEIの小塚歩アナが実況を予定している。今回はスムーズな実況の下での快走を祈りつつ、山本直也アナの次回以降でのリベンジにも期待したい。
(文=冨樫某)
<著者プロフィール>
キョウエイマーチが勝った桜花賞から競馬を見始める。まわりが学生生活をエンジョイする中、中央競馬ワイド中継と共に青春を過ごす。尊敬する競馬評論家はもちろん柏木集保氏。以前はネット中毒だったが、一回りして今はガラケーを愛用中。馬券は中穴の単勝がメイン、たまにWIN5にも手を出す。
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