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JRA阪神JF(G1)あの武豊も達成できなかった「過去2人」だけの快挙!? 新進気鋭の若手騎手が挑む「穴男」襲名

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泉谷楓真騎手

 12日に行われる2歳女王決定戦・阪神JF(G1)。2年前はレシステンシア、昨年はソダシが優勝し、2年連続で無敗馬が誕生している。このレースをあえて出走馬ではなく騎手に注目するなら、記念すべきG1初騎乗を迎える”若武者”にスポットを当てたい。それは若干19歳の泉谷楓真騎手だ。

 6日現在、43勝をマークしているデビュー2年目のホープは、ルーキー時代の昨年19勝を大きく更新中。G1初騎乗となる阪神JFでコンビを組むナムラリコリスはデビュー以来、全レースに騎乗しているパートナーだ。

 札幌で行われた新馬戦こそ、レコード勝ちしたポメランチェの2着に終わったものの、函館に舞台を移して未勝利戦を脱出。次走の函館2歳S(G3)も連勝して、人馬共に初の重賞制覇を果たした。

 世代一番乗りで重賞勝ちを収めたナムラリコリスと、こちらも同期一番乗りで重賞勝利を挙げた泉谷騎手。本人は「(自身6度目の挑戦で)初重賞を取るまでに少し時間がかかってしまった」と語っているが、重賞を勝てないまま現役を引退するジョッキーもいる中で、若手騎手が達成した点は、賞賛すべきだろう。

 競馬界の第一人者である武豊騎手はデビュー2年目の19歳の時に出走した1988年の菊花賞(G1)で、記念すべきG1初勝利を記録。スーパークリークに騎乗して、JRA史上最年少クラシック制覇を遂げた。他方でG1初騎乗となると、実は初勝利からちょうど1年前の同じ菊花賞でのこと。レオテンザンで出走して、6着という記録が残っている。

 レジェンド・武豊騎手も成し得なかった「G1初騎乗初勝利」の”快挙”を達成しているジョッキーは、過去に2人のみ。平地と障害レースで活躍する二刀流・熊沢重文騎手と、人気薄の馬で穴馬券を演出することでお馴染みの江田照男騎手だ。

 熊沢騎手は1988年にコスモドリームに騎乗したオークス(G1)で”快挙”を達成しているが、江田騎手がG1初騎乗を果たしたのは、91年の天皇賞・秋(G1)。デビュー2年目、プレクラスニーとのコンビで出走し、武豊騎手が騎乗するメジロマックイーンに6馬身もの大差をつけられ、ゴールでの通過順位は2着に終わった。

 ところがレース後、1着に入線した武豊騎手に進路妨害の判定が下されて18着に降着。つまり江田騎手は繰り上がりで勝利を収め、想定外の「G1初騎乗初勝利」を達成したのだった。

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江田照男騎手

 江田騎手といえば「穴男」。デビュー2年目のこの一件で、強靱なメンタルが鍛えられたのか定かではないが、後の98年には障害レース帰りのテンジンショウグンで日経賞(G2)を制して重賞レースの馬連最高配当(当時)となる21万3370円を演出している。

 ほかにも2000年のスプリンターズS(G1)では16頭立て最低人気のダイタクヤマトで逃げ切り勝ちして、単勝は2万5750円。01年有馬記念(G1)でも13番人気アメリカンボスで2着となり、年末の大一番でも大波乱を演出した。

 ちなみにもうひとりの「G1初騎乗初勝利」達成者の熊沢騎手も、91年の有馬記念では14番人気ダイユウサクで勝利するなど、数々の穴馬券を生み出している「穴男」だ。

 泉谷騎手に話を戻せば、阪神JFから6日後の今月18日で、ちょうど20歳の誕生日を迎えることになる。果たして”若武者”は、10代最後の挑戦で武豊騎手も達成できなかった「G1初騎乗初勝利」の快挙を達成して、歴代の「穴男」たちと肩を並べることができるか。ナムラリコリスとのコンビに注目したい。

(文=鈴木TKO)
<著者プロフィール> 野球と競馬を主戦場とする“二刀流”ライター。野球選手は言葉を話すが、馬は話せない点に興味を持ち、競馬界に殴り込み。野球にも競馬にも当てはまる「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」を座右の銘に、人間は「競馬」で何をどこまで表現できるか追求する。

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