香港C(G1)ラヴズオンリーユー有終の美、まさかの「お預け」!? 感動ムードに待ったをかけるのは遅れてきた「大物」3歳外国馬か

12日、シャティン競馬場で行われる香港国際競走。そのトリを飾るのが、香港C(G1)だ。総賞金額は当日に行われる4つの国際G1競走の中で1番高く、毎年日本のみならず多数の国々からも参戦があって、今年は4か国から12頭が出走予定である。
中でも注目は今年4月に同舞台で行われたQE2世C(G1)を制した日本のラヴズオンリーユー(牝5歳、栗東・矢作芳人厩舎)だろう。前走のBCフィリー&メアターフ(G1)を勝利して勢いに乗る同馬は、今回がラストラン。有終の美を見たいファンの期待も高まって、『netkeiba.com』の単勝予想オッズでは1.3倍の圧倒的な支持を受けている。
だが、楽勝ムードのラヴズオンリーユーへ待ったをかける存在が、今回香港Cへ出走を予定している。それが唯一イギリスからの参戦となるドバイオナー(セン3歳、英国・W.ハガス厩舎)だ。
2歳だった昨年は4戦1勝と平凡な成績だったが、今年に入って一変。重賞初勝利を含む5戦3勝と成績が一気に向上した。
「今年のシーズン開幕前に去勢手術を受けたのが、成績向上の1番の要因でしょう。レースでは今でも気の悪さを見せていますが、最後の直線で必ず伸びてくるのが特徴です」(競馬記者)
去勢明け初戦こそは4着と取りこぼしたが、以降は全て連対している。今季2戦目で嬉しい2勝目を挙げると、次戦のギヨームドルナノ賞(G2)では、仏ダービー・オークス(ともにG1)で上位に入った実力馬相手に快勝して重賞初制覇。続くドラール賞(G2)で、今度はドバイWC(G1)3着のマニークールら古馬実績馬を退けて重賞連勝と本格化した。
そして、3連勝の勢いにあやかって果敢に挑んだのが前走の英チャンピオンS(G1)。日本の競馬ファンにも馴染み深いミシュリフやアダイヤーなどトップホースが集ったハイレベルレースだったが、ドバイオナーは直線で一気にそれら一級馬を交わして2着と大健闘した。
「今年の凱旋門賞(G1)は近年稀に見る道悪馬場だったこともあり、凱旋門賞組のアダイヤーなどは調子が下降気味だったかもしれません。とはいえ、凱旋門賞未出走のミシュリフに先着したのはドバイオナーが一流馬である証だと思います。
走った重賞は全て道悪ということもあり、良馬場濃厚なシャティンでどれだけ走れるか未知数な部分はありますが、少なくとも実績だけで言えばメンバートップクラスでしょう」(同)
『netkeiba.com』の予想オッズでは現在、4番人気ながら単勝オッズが19倍前後と頭なら美味しい配当が見込めそう。鞍上のT.マーカンド騎手は英国リーディング3位のトップジョッキーながら、日本では馴染みが薄いため「騎手人気」によるオッズ低下の心配も無さそうだ。
遅れてきた欧州の大物3歳馬が、日本の名実ともにトップの名牝を打ち破る――。そんなシーンも頭に入れつつ、香港Cを楽しみに待ちたい。
(文=坂井豊吉)
<著者プロフィール>
全ての公営ギャンブルを嗜むも競馬が1番好きな編集部所属ライター。競馬好きが転じて学生時代は郊外の乗馬クラブでアルバイト経験も。しかし、乗馬技術は一向に上がらず、お客さんの方が乗れてることもしばしば……
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