JRA武豊「前が壁」2発にファンからブーイングの嵐!?「メモリアル4500勝&レコード勝ち」固め打ちも…
18日、中京競馬場では中京2歳S(OP)が行われ、武豊騎手騎乗の2番人気ジャングロ(牡2歳、栗東・森秀行厩舎)が勝利した。好スタートからハナを奪うと、直線でも脚色は衰えず、そのまま逃げ切り。勝ち時計1分8秒4は2歳コースレコードのおまけ付きだった。
「スタートが速くて、道中も良いリズムでした。最後もうひと伸びしていて強かったです。短距離で良さが活きました」
レース後の武豊騎手のコメント通り、前走ベゴニア賞(1勝クラス)から2ハロンの距離短縮がプラスに働いた。管理する森師は次走について明言しなかったが、先日引退したモズスーパーフレアのような快速逃げ馬として、今後のスプリント界を牽引してくれる……。そんな思いを抱いたファンもいたのではないだろうか。
また、この日の武豊騎手は8Rの1勝クラス(ダート1800m)をメイショウミカワ(牡3歳、栗東・南井克巳厩舎)で勝利。これは中央・地方・海外を合わせて自身4500勝目という区切りの1勝だった。
4番人気ウォーターナビレラを3着に導いた先週の阪神JF(G1)に続き、武豊騎手は好調を維持しているといっていいだろう。
ただ、そんな武豊騎手だが、この日は全てがうまくいったわけではなく、ネット上のファンからブーイングを浴びる場面もあったようだ。
最初は7Rの1勝クラス(芝1400m)、3番人気ナンヨーアイボリー(牝3歳、栗東・松永幹夫厩舎)に騎乗した一戦だ。2週間前の同条件でクビ差の2着に入っていた実力馬は、2年目の泉谷楓真騎手からの乗り替わりで、当然勝利が期待されたのだが……。
スタートでやや後方に置かれたナンヨーアイボリーは、後方で脚を溜め、道中はインを追走した。4コーナーを回って直線を向くと、武豊騎手は最内を選択。手応えは抜群に見えたが、前にはズラッと先行集団が壁となって立ちはだかっていた。
武豊騎手は急ブレーキをかけ、行き場を失うと外を通っていた後続各馬が一気に加速。徐々に外目に進路を移した武豊騎手は、ようやく馬場の真ん中に進路を見つけたがゴール前100mを切ったところだった。結果は18頭立ての16着。不完全燃焼の一戦となった。
この騎乗には、「前壁で終戦」「インは渋滞ですよ」など、ネット上のファンからはSNSや掲示板を通じてため息が漏れていた。
その次のレースで4500勝のメモリアル勝利を達成した武豊騎手だったが、その後再びファンが憤る騎乗を披露してしまう。
この日2度目の“地獄”を味わったのは、1番人気のレベランス(牡3歳、栗東・須貝尚介厩舎)に騎乗した9Rの1勝クラス(芝2200m)だった。
ナンヨーアイボリーと同じくテン乗りで臨んだ武豊騎手は、ここでもやはりスタートでやや後れを取ると、またも後方で競馬を進めた。向正面では外に出したい素振りも見せたが、今度は外が壁となり、馬群に包まれたまま後方2番手で4コーナーを迎えた。
武豊騎手は再び直線で内に進路を取ったが、またも前が塞がり減速。まるで7Rのリプレーを見ているような直線となったが、今度は残り200mを切ったあたりで前が開いた。最後は必死に右ムチを振るった武豊騎手にレベランスは呼応し、辛うじて3着に入線した。
この騎乗にも馬券を買っていたとみられる一部のファンが憤慨。「また包まれて終わりかよ」「これは叩かれても仕方ない」と容赦ない言葉が飛び交った。
「この日は2勝を挙げた武豊騎手ですが、裏開催の中京で比較的騎乗馬には恵まれていました。7Rは残念な騎乗でしたが、9Rは馬券には絡んだので、最低限の仕事はこなしたと思います。競馬なので、こういう日もあるでしょう」(競馬誌ライター)
武豊騎手はメモリアル勝利とレコード勝ちを収める“天国”も味わったが、人気馬で“地獄”も味わう日となってしまった。19日にはドウデュースで悲願の朝日杯FS(G1)制覇を狙う。一体どちらの武豊騎手が顔をのぞかせるだろうか。
(文=中川大河)
<著者プロフィール>
競馬ブーム真っただ中の1990年代前半に競馬に出会う。ダビスタの影響で血統好きだが、最近は追い切りとパドックを重視。
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