
武豊が「ダメ」でもなぜ川田将雅なら買えるのか!? 東京大賞典(G1)4連覇狙うオメガパフュームに「最恐」の刺客
29日、大井競馬場で東京大賞典(G1)が行われる。有馬記念(G1)やホープフルS(G1)が一般的な「年内最後の大勝負」とされているが、東京大賞典と考えているファンも一部いるほど有名なレースだ。
今年はJRA・南関馬合わせてフルゲート16頭が参戦する予定。その中でも注目の的は、今回がラストランとなるオメガパフューム(牡6歳、栗東・安田翔伍厩舎)だろう。
同馬は3歳から度々大井のレースへ出走して、「4-3-0-1」と抜群の安定感を誇る。特に東京大賞典では滅法得意で現在3連覇中。過去に交流G1を3連覇した馬は3頭いるが、4連覇は長い日本競馬の歴史の中で未だに存在しない。
陣営は前人未踏の快挙を達成すべく、先月のJBCクラシック(G1)を使った後は、チャンピオンズC(G1)には目もくれず。中間は入念に追い切りを行うなど、4連覇へ向けて全力投球する構えを見せている。
また、今回はテーオーケインズやチュウワウィザードといった強力なライバルは不在。偉業達成の気運が高まりつつある。
しかし、2走前の帝王賞(G1)で初めて大井で馬券圏外へ散っており、今までオメガパフュームにあった「絶対の安心感」は薄れつつある。昨年の当レースもカジノフォンテンとタイム差無しの辛勝であった。過去の実績からレースの主役になることは間違いないが、頭鉄板とまでは言い切れない。

そこで、オメガパフュームの夢を打ち砕く「刺客」に指名したいのが、クリンチャー(牡7歳、栗東・宮本博厩舎)だ。
3歳時は菊花賞(G1)で10番人気ながら2着へ激走し、翌年は凱旋門賞(G1)へ出走するなど芝で活躍していたが、芝で頭打ちになるとダートに活路を求めた。転向後は「3-4-2-4」と安定しており、3走前の帝王賞ではオメガパフュームに先着する3着とG1でも結果を残している。
秋2戦は6着・14着と結果は振るわないが、明確な敗因が存在すると考えられる。まず、秋初戦で6着だったみやこS(G3)は、乗り手が原因と見られる。
「みやこSの鞍上は武豊騎手でした。武騎手はソツなく乗っていましたが、直線でクリンチャーがパタッと止まってしまいました。
元JRA騎手の安藤勝己氏はTwitterで『ガッツリ動かす騎手向きなんやろな』と、武騎手とクリンチャーの相性の悪さを指摘しています」(競馬誌ライター)
武騎手との相性についてはクリンチャー自身に聞いてみないと分からないが、過去の成績から武騎手と相性抜群というわけではなさそう。凱旋門賞を含めて過去4度組んでいるが、最高順位は3着が精一杯だ。

対照的に相性抜群なのが、川田将雅騎手だ。ダート転向後の3勝は全て川田騎手とのコンビで挙げており、勝率は75%と高い数字。その川田騎手と組んで唯一敗れたのが前走のチャンピオンズCだが、苦手な左回りコースが大敗の原因と考えられている。
「クリンチャーは31戦の豊富なキャリアで、左回りのコースを5戦しか走っていないとはいえ全て2桁着順の大敗を喫しています。
川田騎手は前走の中間の追い切り後に『大丈夫』と話していましたが、結局惨敗しています。コーナーでスムーズに走れていませんから、やはり苦手と言わざるを得ないでしょう」(同)
ただ今回の東京大賞典は右回りで行われ、鞍上は相性抜群の川田騎手だ。まさにクリンチャーの「買い材料」が揃ったといったところだろうか。
川田騎手にとって今年は新型コロナ感染拡大で乗りたいレースへ乗れない1年だった一方で、ラヴズオンリーユーで海外G1を2勝するなど良い出来事もあった。
香港国際競走へ騎乗するため出国した関係で、隔離期間内の有馬記念や朝日杯FS(G1)に騎乗出来ない分、東京大賞典を良い結果で終えて21年を締めくくりたい気持ちが少なからずあるはずだ。そんな川田騎手の渾身の騎乗に応えて、クリンチャーが活躍することに期待したい。
(文=坂井豊吉)
<著者プロフィール>
全ての公営ギャンブルを嗜むも競馬が1番好きな編集部所属ライター。競馬好きが転じて学生時代は郊外の乗馬クラブでアルバイト経験も。しかし、乗馬技術は一向に上がらず、お客さんの方が乗れてることもしばしば……
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