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JRA「帝王」武豊はすでに復活していた!? 朝日杯FSで約1年半ぶりG1制覇も、今秋に刻まれた「完全復活の証」とは

JRA「帝王」武豊はすでに復活していた!? 朝日杯FSで約1年半ぶりG1制覇も、今秋に刻まれた「完全復活の証」とはの画像1
武豊騎手 撮影:Ruriko.I

 19日、阪神競馬場で行われた朝日杯FS(G1)では、武豊騎手がドウデュース(牡2歳、栗東・友道康夫厩舎)に騎乗し、ワールドプレミアで制した2019年の菊花賞(G1)以来となる約2年ぶりのG1勝利を飾った。

 デビューから35年、歴代最多となるG1通算75勝以上を誇る武豊騎手ながら今まで朝日杯FSを勝てておらず、22度目の挑戦で念願の初勝利なった。過去2着5回と惜敗が多かっただけに、多くのファンが喜ぶ勝利になったのではないだろうか。

 そこでひとつ注目してほしいのが、今回のドウデュースでのG1勝利は決して偶然などではなく、武豊騎手の大舞台での勝負強さが復活し、G1勝利を期待させる「予兆」があったというとことだ。

 今年、武豊騎手は秋G1に8戦出走。結果は(1.0.1.6)と全盛期に比べると物足りないところはあるが、8戦ですべて人気以上、もしくは人気通りの着順でゴールをしている。人気を下回ってのゴールは、下半期のG1レースで1回もなかったのだ。

 ちなみに今年の上半期と比べてみるとG1に8戦出走したが、8戦中6回は人気より下の着順に。昨年の下半期の同時期は9戦して5回は人気より下の着順と、この秋になって持ち前の勝負強さが復活していることがわかる。

 これまで様々なタイトルを獲得し、圧倒的な勝負強さを披露していた武豊騎手。だが、2010年の毎日杯(G3)ではキャリアを左右する大きな落馬事故があった。

 それまで年間勝利数でコンスタントに100勝以上、時には200勝以上もしたことがある武豊騎手だったが、この落馬をきっかけに2010年は年間69勝。翌2011年は64勝、2012年にはキャリアの中で最も少ない56勝となり「武豊は終わった」と引退説まで流れることになった。

 あれから約12年。28日に中山競馬場で行われるホープフルS(G1)で武豊騎手が騎乗するアスクワイルドモアは、くしくも落馬したザタイキと同じ藤原英昭厩舎の管理馬だ。

 いよいよ持ち前の勝負強さが戻ってきた武豊騎手。今週の有馬記念(G1)の勝利はもちろんだが、特にホープフルSの勝利は、大きな意味を持つ勝利になるのではないだろうか。

 ホープフルSで勝利し、いまだ誰も成し遂げていないJRA平地G1・24戦完全制覇という前人未到の記録の樹立と、完全復活を加速させる豪快な勝利を期待したい。

(文=長尾りょう)

<著者プロフィール>
 はじめての競馬、ジャパンCで5番人気シュヴァルグランの単勝を当て、競馬にハマる。オルフェーヴルのように強いが、気性が荒く、成績にムラのある馬が大好き。今までで1番忘れられない馬券は、2018年の有馬記念ブラストワンピースの単勝。

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