JRA武豊ドウデュースが早くもクラシック「主役」に内定!? 例年苦戦の朝日杯FSがホープフルS逆転を予感させる決定的な根拠
阪神競馬場で19日に開催された朝日杯FS(G1)は、3番人気ドウデュース(牡2、栗東・友道康夫厩舎)が制し、デビューから無敗の3連勝で2歳マイル王の座に就いた。
コンビを組んだ武豊騎手は、同レースの初騎乗から22度目にして勝利。ワールドプレミアで勝利した2019年の菊花賞(G1)以来となるJRA・G1通算78勝目を手に入れた。アスクワイルドモアの騎乗を予定している28日のホープフルS(G1)を制すれば、年内に前人未到のJRA・G1完全制覇を達成する。
朝日杯FSは芝の1600mということもあり、過去の優勝馬からは、後のマイルG1を制した馬を多数輩出している。だがその反面、中長距離が主戦場の牡馬クラシックに進んだものは、距離適性や他の強力ライバルの前に苦戦を強いられてきた。
勝ち馬が翌年のクラシックを制したケースは、前身である朝日杯3歳S当時に、三冠馬ナリタブライアンが優勝した1993年まで遡らなければならないほどだ。以前に比して距離体系が整備されていったことも、G1だからといってあえてマイルを使わない大物と、マイラーの棲み分けとなったのだろう。
そして、朝日杯FS組がクラシックで通用しない傾向を決定づけたのが、2017年にG1昇格したホープフルSの存在である。これによってマイルの朝日杯FS、芝2000mでクラシックに直結するホープフルSという差別化がより一層進んだ。
それぞれの勝ち馬が激突した皐月賞(G1)でもサートゥルナーリア1着、アドマイヤマーズ4着の19年、コントレイル1着(三冠も達成)、サリオス2着の20年といずれも、朝日杯FS優勝馬が返り討ち。結果的にも距離適性の差が、両者の明暗を分かつ一因となっているようにも感じられる。
その一方で、今年に限っては久々に朝日杯FS組から、クラシック馬が誕生する期待が高まったともいえそうだ。
なぜなら掲示板に載った5頭の内、マイラー色が色濃かったのはダイワメジャー産駒のセリフォスのみ。勝ち馬のドウデュースをはじめ、3着ダノンスコーピオン、4着アルナシーム、5着ジオグリフはいずれも芝1800m戦で好走していた馬だったからである。
ハーツクライ産駒のドウデュースにしても、陣営が「マイルもこなせる」と評しているが、血統的な背景を考えると本質は中距離馬に近い印象だ。ジオグリフに騎乗したC.ルメール騎手も「距離が延びたら大丈夫」とコメントしていたように、それ以外の好走馬についても、距離短縮が決して好材料だったとは言い切れないのではないか。
これに対し、ホープフルS組の出走メンバーの顔触れを見渡したところ、明らかに朝日杯FSより一枚落ちるメンバー構成だと言わざるを得ない。
ルメール騎手が来年のダービー馬候補と評するコマンドラインが圧倒的な人気を集めそうだが、デビューから2戦無敗とはいえ、距離はいずれもマイル。前走サウジアラビアRC(G3)の勝ちタイム1分36秒4(良)も平凡な上に、1/2馬身差で下したステルナティーアは、2番人気に支持された阪神JF(G1)で見せ場もない7着と、ファンの期待を裏切ったばかり。
芝2000mを連勝中のオニャンコポンにしても、実力よりも珍名馬としての知名度の方が上回る現状。人気が予想されるキラーアビリティや、武豊騎手の記録が懸かるアスクワイルドモアも朝日杯FSに出走のダノンスコーピオン、ジオグリフに敗れた馬たちなのだ。
実際のところはレースが終わってみないとわからないが、よほどインパクトのある勝ち方をする馬が出てこなければ、ホープフルSのメンバーレベルより、朝日杯FS組が上という評価も十分にありそう。
中でも一番のカギを握っているのはコマンドラインで間違いない。この馬がマイラーで終わるのか、それとも噂通りの大物なのか。来春のクラシックを見据える上でも再注目の1頭となる。
(文=黒井零)
<著者プロフィール>
1993年有馬記念トウカイテイオー奇跡の復活に感動し、競馬にハマってはや30年近く。主な活動はSNSでのデータ分析と競馬に関する情報の発信。専門はWIN5で2011年の初回から皆勤で攻略に挑んでいる。得意としているのは独自の予想理論で穴馬を狙い撃つスタイル。危険な人気馬探しに余念がない著者が目指すのはWIN5長者。
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