JRAタイトルホルダー、オーソクレース撃破も「鞍上問題」が強敵!? AJCC(G2)重賞未勝利の元主戦に師匠からの「恩情」再登板あるか

23日、中山競馬場で開催されるアメリカジョッキークラブC(G2、以下AJCC)は、今年の古馬中距離戦線を占う重要な一戦だ。
古くは1999年にスペシャルウィーク、近年でも始動戦に選んだ2012年にルーラーシップ、20年にブラストワンピースが出走するなど、G1級の大物が勝ち馬に名を連ねている。
そして今年のこのレースで、巻き返しを期す1頭がアサマノイタズラ(牡4、美浦・手塚貴久厩舎)である。
昨年暮れの有馬記念(G1)に参戦した前走は、10番人気で16着と振るわなかったが、AJCCが行われる中山芝2200mの舞台なら話は別。同じ舞台となる昨年9月のセントライト記念(G2)を制したのだから、陣営も力が入るだろう。
なんといっても、このとき負かした相手は、後の菊花賞馬タイトルホルダー、昨年12月のチャレンジC(G3)を圧勝したソーヴァリアント、菊花賞(G1)で2着に入ったオーソクレースなど、実力馬が多数。持っている実力さえ発揮できれば、アサマノイタズラも遜色ない能力の持ち主といえるはずだ。

ただ、絶好のチャンスといえる陣営に降りかかったのが、主戦である田辺裕信騎手の戦線離脱という痛恨のアクシデントである。同騎手の身近に体調を崩した知人が出たため、田辺騎手にも濃厚接触者となる可能性があり、新型コロナウイルス感染拡大予防を優先することとなった。
その結果、騎乗を予定していた馬の乗り替わりも発生し、いまだ復帰がいつになるのかも判明していない状況だ。こういった経緯もあって、AJCCに出走を予定しているアサマノイタズラの鞍上は未定のまま。代わりの騎手を探すにしても、乗り難しい馬でもあり、陣営としても頭が痛いところだろう。
「田辺騎手の動向を気にしているのは、嶋田純次騎手も同じかもしれませんね。乗り替わる前、アサマノイタズラはデビューからずっとコンビを任されていたパートナーでしたから……。
デビュー12年目の嶋田騎手ですが、ここまで重賞勝ちとは縁がありません。降板してすぐのレースで他の騎手にあっさりと勝たれたという悔しさもあるはずです」(競馬記者)
重賞級の能力の片鱗を見せていたアサマノイタズラに愛弟子である嶋田騎手を乗せ続けた手塚師。非情采配にも映ったセントライト記念の降板劇だったが、皮肉にも乗り替わった途端に勝利するという結果が待っていた。
ただ、田辺騎手の騎乗が不透明な状況だけに、師匠からの“恩情騎乗依頼”があるようなら、嶋田騎手にとって、汚名返上の最大のチャンスとなるかもしれない。
いずれにしても、最終的にどの騎手がコンビを組むことになるのか。陣営の結論に注目したい。
(文=高城陽)
<著者プロフィール>
大手新聞社勤務を経て、競馬雑誌に寄稿するなどフリーで活動。縁あって編集部所属のライターに。週末だけを楽しみに生きている競馬優先主義。好きな馬は1992年の二冠馬ミホノブルボン。馬券は単複派で人気薄の逃げ馬から穴馬券を狙うのが好き。脚を余して負けるよりは直線で「そのまま!」と叫びたい。
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